「夫婦で歩くスイスアルプス」

ヴィルデス・マンレ山ハイキング

2014年9月17日。再び晴天の朝になりましたので、7時台のバスに乗ってフェント村へ。「ホテル・ポスト」停留所で下車し、下手にある2人乗りチェアリフト「ヴィルトシュピッツェ」の乗場へやってきました。運行開始時刻の8時まで未だ10分ほどあるので、我が家の他に乗客は誰もいません。

一番乗りのチェアリフトで草原の斜面を北西へ上り(眼下を2頭の鹿が走っていきました)、シュタブラインアルム(海抜2,365m)に到着。山上駅の近くにレストランが建っていますが、営業は9時からなので未だひっそりしています。レストランの後方の山(写真中央)はフォルデラー・ディームコーゲル(3,372m)で、その左にミットレラー・ディームコーゲル(3,342m)とヒンテラー・ディームコーゲル(3,400m)を挟んで写真左端がシャルフコーゲル(3,540m)。写真右の山はムートマルシュピッツェ(3,522m)とその左奥にヒンテレ・シュヴェルツェ(3,624m)です。

草原の斜面に付けられた広い道を辿ってトラバース気味に西へ登ります。写真右端に見える建物がシュタブラインアルムのレストランで、その左がチェアリフトの山上駅です。フェント谷を下った先に遠望できているのはシュトゥーバイアー・アルペンの山々。

広い道は行く手(写真中央上)に見えるブレスラウアー小屋へ向かっていますが、途中の分岐で案内標識に従って右折し、斜面を北へ直登します。

ブレスラウアー小屋のズームアップ。背後の山はフォルデラー・ブロックコーゲル(3,565m)です。

一登りすると傾斜の緩やかな草原に出て、ティーフェンバッハ氷河の末端方面から来るトラバース道と出合います。背後には端正な姿のタールライトシュピッツェ(3,406m)が間近に聳え、その右肩に抱かれたアイス氷河の奥にクロイツシュピッツェ(3,455m)の頭が見えてきました。

スキーリフトの降り場(写真中央)の近くから再び登り道に取り掛かります。タールライトシュピッツェ山の右には未だ陽の当らないローフェン谷が奥へ続いています。

ヴィルデス・マンレ山の南肩に到着。ここでローフェンカールの奥へ直進する道と別れ、山頂へ向かう右手の道に入ります。写真左の山はヴィルトシュピッツェの前衛峰エッツターラー・ウーアクント(3,556m)。その右にローフェンカール氷河が見えてきました。

南肩から見上げるヴィルデス・マンレ山。これから左の尾根を登って行きます。

ヴィルデス・マンレの南尾根から南西方向の眺め。写真左端がタールライトシュピッツェ、その右山腹に抱かれたアイス氷河の奥にクロイツシュピッツェ、アイス氷河の右がアイスケーゲル(3,114m)で、その右奥にイタリア国境の山フィナイルシュピッツェ(伊語名プンタ・ディ・フィナーレ、3,514m)。ローフェン谷(写真中央)の奥を塞いでいる山はローフェンベルクケップフェ(3,279m)で、その右奥にシュヴェムザーシュピッツェ(左、3,459m)とオイセレ・クヴェルシュピッツェ(右、3,385m)、左奥にサルドゥールシュピッツェ(右、伊語名プンタ・サルドゥーラ、3,433m)とラガウンシュピッツェ(左、3,439m)の連山。いずれもイタリア領の山々です。写真右端に見えてきた白峰はヴァイスクーゲル(3,739m)。

ヴァイスクーゲル(写真左)方面のズームアップ。ヴァイスクーゲルの手前はヒンテレ・グスラールシュピッツェ(3,147m)で、写真左端がフォルデレ・グスラールシュピッツェ(3,118m)。写真中央はムートシュピッツェ(3,257m)、右にミットレレ・ヒンテライスシュピッツェ(3,451m)を経て写真右上がフォルデレ・ヒンテライスシュピッツェ(3,437m)です。

エッツターラー・ウーアクントの右にヴィルトシュピッツェの頂上(3,768m)が見えてきました。ローフェンカール氷河の末端も間近に見えます。

ワイヤーロープを頼って大岩をよじ登ると、ヴィルデス・マンレ山頂の十字架が見えました(写真右)。手前の頂から一旦少し下った後で山頂へ登り返します。写真左上の山はタウフカールコーゲル(3,362m)です。

ヴィルデス・マンレ山頂(3,023m)。十字架に付けられた箱の中に2種類の記念スタンプと記帳用ノートが入っていました。カミさんは日本語で「あーつかれた」と記帳…(笑)。

ヴィルデス・マンレ山頂からヴァイスクーゲル方面(南西方向)の眺望。写真左端から右へ順にオーベラー・ローフェンベルク(3,010m)、ローフェンベルクケップフェ、エック(3,217m)、トイフェルスエック(3,227m)、シュヴェムザーシュピッツェ、オイセレ・クヴェルシュピッツェ、ヒンテライス氷河、インネレ・クヴェルシュピッツェ(3,516m)、ヴァイスクーゲル、ミットレレ・ヒンテライスシュピッツェ、フォルデレ・ヒンテライスシュピッツェの山々。インネレ・クヴェルシュピッツェの手前にミットレレ・グスラールシュピッツェ(3,128m)、そこから右へフォルデレ・グスラールシュピッツェ、ヒンテレ・グスラールシュピッツェ、ムートシュピッツェと続きます。写真右下はブレスラウアー小屋。

ヴァイスクーゲルのズームアップ。

フィナイルシュピッツェ(伊語名プンタ・ディ・フィナーレ、写真左端)方面のズームアップ。右に1つおいてフィナイルケップフェ(3,418m)、シュヴァルツェ・ヴァント(3,354m)、イタリア領のグラヴァント(伊語名クローダ・デッレ・コルナッキエ、3,251m)、グラウエ・ヴァント(伊語名クローダ・グリージャ、3,202m)の山々。グラヴァント山の右肩に山岳ホテルの建物が見えます。手前へ流れ下っているのはホッホヨッホ氷河です。

タールライトシュピッツェ(左)、クロイツシュピッツェとアイス氷河(右)のズームアップ。写真右端のアイスケーゲルの左奥に見えている頂はセンコーゲル(3,400m)です。

ヴィルデス・マンレ山頂から南東側の眺望。写真左端がラーモルコーゲル(3,549m)で、そこから右へ順にシュピーゲルコーゲル連峰、フィルミスアンシュナイデ(3,491m)、シャルフコーゲルとディームコーゲル連峰(写真中央)、プファッサーシュピッツェ(3,444m)、ヒンテレ・シュヴェルツェ、ムートマルシュピッツェ、マルツェルシュピッツェン連峰の山々。写真中央手前はスタート地点のシュタブラインアルムで、その背後の谷底にはフェント村の家並みも見えています。

プファッサーシュピッツェ(写真左端)〜ヒンテレ・シュヴェルツェ〜ムートマルシュピッツェ〜マルツェルシュピッツェン連峰のズームアップ。ムートマルシュピッツェの右奥がミットレレ・マルツェルシュピッツェ(3,530m)で、その右がヴェストリッヒェ・マルツェルシュピッツェ(3,540m)です。

シャルフコーゲル(左)とディームコーゲル連峰のズームアップ。中央左がヒンテラー・ディームコーゲル、中央右がミットレラー・ディームコーゲル、右端がフォルデラー・ディームコーゲル。手前へ流れ下っているのはディーム氷河です。

北東方向に遠望するシュトゥーバイアー・アルペンの山々。写真左端がシュトゥーバイアー・ヴィルトシュピッツェ(3,341m)、そこから右へ順にシャウフェルシュピッツェ(3,332m)、シュスグルーベンコーゲル(3,211m)、アーペラー・プファッフ(3,353m)、ツッカーヒュットル(3,507m)。写真右端手前はネーダーコーゲル(3,163m)です。

北西側には間近に聳えるヴィルトシュピッツェとローフェンカール氷河。

ヴィルデス・マンレ山頂から北側の尾根上を進みます。タウフカールコーゲル(写真左)へ続く吊り尾根の鞍部まで歩き、そこから左手のローフェンカールへ下ります。写真右上の山はヴァイサー・コーゲル(3,409m)。

進む右手にタウフカールを隔てて望むヴァイサー・コーゲル。圏谷の奥に見えるタウフカール氷河は、かつてはもっと手前まで流れ下っていたんでしょう。

吊り尾根からの下り道は、ワイヤーロープを頼っての急な岩下りでした。

ローフェンカール氷河に向かって暫く下った後、折り返すようにモレーン上の道(写真左下)へ。

モレーン上の道を南へ歩いているところ。写真右下に見えているのはローフェンカール氷河末端の池です。

ヴィルデス・マンレの南肩から直進してくる道との合流地点。写真は下ってきた吊り尾根の鞍部とモレーン上の道を撮っています。直進すれば登ってきた道に出てシュタブラインアルムへ戻れますが、我が家は右折してブレスラウアー小屋へ向かいます。

先ずローフェンカール氷河末端の池の畔へ下ります。

氷河から流れ下るローフェンバッハ川を渡り、西側のモレーンを越えて斜面を西へトラバースしていきます。写真は振り返って撮ったローフェンカールで、右が登頂したヴィルデス・マンレ、中央右寄りの鞍部が下ってきた吊り尾根、左がタウフカールコーゲルです。

ブレスラウアー小屋(海抜2,844m)に到着しました。遠くから見たとおり立派な建物です。

テラス席で寛いでいる登山者も多かったですが、少々肌寒い感じでしたので建物の中へ入ることにしました。

内部も広くて小綺麗な造り。壁の黒板(写真右)に提供可能な料理のメニューが書かれています。お決まりの白ビールを飲んだ後、私はグーラッシュスープ(6.30ユーロ)、カミさんはアップルパイのバニラソース掛け(4.80ユーロ)をオーダー。どちらもとても美味しかったです。

室内席からも窓越しに山々の風景を楽しみつつ食事ができました。

ブレスラウアー小屋からの眺め。午後になるとローフェン谷にも陽が当たります。

ローフェンカールに向かって帰路につきます。右の山がヴィルデス・マンレ。左上のタウフカールコーゲルから流れ下るローフェンカール氷河と、その下流の両側に形成されたモレーンが美しいです。

シュタブラインアルムへ向かう山腹の道がずっと続いています。フェント谷の向こう側に並ぶ山々は、写真右端がシュピールゲルコーゲル連峰、中央右がラーモルコーゲル、中央左がガンプレスコーゲル(3,399m)とその手前にガンプレスコップフ(3,165m)、左がシュトックコーゲル(別名ツィルムコーゲル、3,278m)です。

ローフェンバッハ川を渡ります。川の手前で右折して川沿いにローフェン谷へ下って行くハイカーが多かったですが、我が家は無理をせずシュタブラインアルムへ戻ることにします。

ヒンテラー・シュピーゲルコーゲル(中央、3,426m)とミットレラー・シュピーゲルコーゲル(右、3,311m)のズームアップ。シュピーゲル氷河を纏っています。

シュタブラインアルムに戻ってきました。右の建物がレストラン、左がチェアリフト駅です。

シュタブラインアルムには沢山の羊がのんびり寛いていました。

チェアリフトに乗り込んで谷底のフェント村へ下ります。

帰りのバスの発車時刻まで少し時間があったので、フェント村の上手まで散策してみました。橋の袂に建つ教会の前では村人達の顔写真展が行われていました。

ゼルデン行きバスはフェント村の上手に建つホテル・シミラウンの前が始発です。生憎ハイキング帰りの小学生の一団が既にバスを待っていて座れませんでした。車内の賑やかなこと! カミさんは「躾がなってない! 引率の先生は注意しないならせめて自分が席を立て!」とカンカンでしたが、まぁ子供は何処の国でもこんなもんでしょう(笑)。


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