「夫婦で歩くスイスアルプス」

ホーエ・ムート周辺ハイキング

2014年9月18日。今朝もまずまずのお天気なので、バスに乗って再びオーバーグルグル村へやってきました。4日前はここからティンメルスヨッホ越えのバスに乗り換えましたが、今日は村の中へ歩いて行きます。バス・ターミナルの前に建つ丸いモニュメントは、スイスの物理学者オーギュスト・ピカール教授が1931年に水素気球で初の成層圏飛行に成功した後、グルグル氷河に不時着したことを記念したものです。

バス・ターミナルの脇に建つオーバーグルグル村の教会。その背後に聳える山はラーモルコーゲル(3,549m)です。写真左奥にはヒンテラー・シュピーゲルコーゲル(3,426m)と、その左に氷河を纏ったフィルミスアンシュナイデ(3,491m)も見えています。

土産物店やレストランが建ち並ぶ通りを南へ進むと…

間もなくホーエ・ムート行きのゴンドラリフト乗場に到着。

ゴンドラリフトに乗り込んでホーエ・ムート(2,670m)に上ってきました。写真右がゴンドラリフト「ホーエ・ムート・バーン」の山上駅で、左の建物はレストラン「ホーエ・ムート・アルム」です。

ホーエ・ムートから北側に遠望するシュトゥーバイアー・アルペンの山々。写真右端の尖峰がバンカー・キルヒェンコーゲル(3,115m)で、雲の左にシャウフェルシュピッツェ(3,332m)の頭とその左にヴァンネンコーゲル(3,088m)、シュトゥーバイアー・ヴィルトシュピッツェ(3,341m)を挟んで写真中央がダウンコーゲル連峰(右端が東峰3,332m)、山頂に雲が掛かっているヴァーレンカールザイテンシュピッツェ(3,345m)、そこから左へホーアー・ネーベルコーゲル(3,211m)、ヴィルデ・レック(3,361m)の頭、アッターカールシュピッツェン(3,244m)、フェルダーラスコーゲル(2,946m)、ムルカールシュピッツェ(3,150m)、ガメッツヴァルト(別名レーガーコーゲル、3,044m)、ロッホコーゲル(3,043m)と続いています。ダウンコーゲル連峰の手前がヴィルデ・レーテシュピッツェ(2,966m)、ヴァーレンカールザイテンシュピッツェの左手前がロートコーゲル(2,894m)です。写真中央手前にホッホグルグルの集落が見えています。

南にはロートモース谷を挟んでハンゲラー(3,020m)が聳えます。その左奥の峰は右から順にホッホエーベンカム(3,166m)、アイスケーゲレ(3,233m)、フォルデラー・ゼーレンコーゲル(3,286m)。ハンゲラーの右背後に覗いているのはシャルフコーゲル(3,540m)です。

これだけ晴れているのに南東方向は… ありゃりゃ、イタリア国境の稜線上だけ雲がいっぱいです。馬の背のような草原の尾根の先に聳えているのがグルグラー・キルヒェンコーゲル(3,282m)で、その左にガイスベルク氷河、右のロートモース谷の奥にロートモース氷河が見える筈なんですが…。

尾根上に付けられた道を辿って奥へ進みます。写真は歩いてきた道を振り返って撮ったもの。遠くに見える建物が出発点のホーエ・ムートです。緩やかに下ってきた先に分岐があり、右手(写真左)へ折れるとロートモース谷のシェーンヴィース小屋へ下ります。我が家は直進して緩やかに登り返してきました。

登り返した場所に小さな小屋が建っていました。地図に「ヴェッターシュタツィオーン(気象観測所)」と書かれている辺りです。ここから先は再び平坦な道が続いています。

ガイスベルク氷河の末端へ下る道を左手へ分けます。ガイスベルク氷河は辛うじて見えていますが、逆光でハッキリしません。

分岐を過ぎると、道は尾根上から右手へ外れ、グルグラー・キルヒェンコーゲルの西斜面をトラバースしてロートモース谷の奥へ向かいます。ロートモース氷河の末端が近づいてきました。

振り返ってロートモース谷を一望した図です。写真右がホーエ・ムート、左の山がハンゲラーです。ロートモース谷の下流に溜池とシェーンヴィース小屋が小さく見えています。

木の棒と掛け声だけで沢山の羊を纏めて下って行く羊飼い達と擦れ違いました。今日は山に放牧されている羊の群れを村へ下ろす日だったようです。

少し雲が晴れてロートモース氷河の末端が見えました。写真右上の頂がフォルデラー・ゼーレンコーゲルです。

ロートモース氷河末端の記念スタンプ台(海抜2,700m)。

道は更に奥へ続いていますが、この先は氷河を登るルートですので引き返します。

ロートモース谷の底へ向かって下ります。…と、右手からショートカットコースを下ってくる東洋人グループを発見。何と、一昨日に氷河行きバスで同乗した函館の6人組さまでした。「余程何かのご縁があるんですね」とお互い感激し、引率のガイドさんに一緒に記念写真を撮っていただきました。

谷底を下流へ進み、振り返ってロートモース谷奥を撮ったもの。左のグルグラー・キルヒェンコーゲルは見えていますが、氷河方面は依然として雲の中です。

歩く左手にはロートモースアッヘ川越しにハンゲラー山の急峻な山腹が迫ります。

溜池の脇を歩いて、前方に近づいてきたシェーンヴィース小屋へ向かいます。背後の山はラーモルコーゲル(最も高く見えているのは北峰(別名アーニックシュピッツェ、3,427m)で、主峰はその左奥)で、その右が支峰のネーダーザイテン(3,320m)、氷河を挟んだ右の頂がマーニゲンバッハコーゲル(3,313m)、写真右端がガンプレスコーゲル(3,399m)です。

シェーンヴィース小屋(海抜2,270m)に到着。テラス席は風が冷たく感じられたので小屋の中へ入りましたが、内部は意外に狭かったです。先ず白ワインを頼んで手書きのメニューを眺め、カミさんがグーラッシュスープ(5.50ユーロ)、私がカスプレスクネーデル(チーズパン団子)入りスープ(5ユーロ)をオーダー。食べ終わった頃に函館の6人組さまがご到着。座席をお譲りして小屋を出ました。

小屋から西へ緩やかに登ってシェーンヴィースコップフへ立ち寄ることにします。振り返って撮ったシェーンヴィース小屋の後方がホーエ・ムートで、写真では分かりづらいですが山頂近くにレストランの建物が見えています。

シェーンヴィースコップフ(2,324m)は草原の丘で、頂上付近は湿原状になっていました。写真後方の山はハンゲラーです。

シェーンヴィースコップフの北端に石造りのベンチとテーブルがあり、オーバーグルグル村を綺麗に見下ろせました。

シェーンヴィースコップフから眺めるオーバーグルグル村のズームアップ。後方の高台に見えているのはホッホグルグルの集落です。写真左上はシュトゥーバイアー・アルペンの山々。

シェーンヴィースコップフからグルグル谷の奥を眺めた図。写真右上がヒンテラー・シュピーゲルコーゲル、中央で氷河を纏っているのがフィルミスアンシュナイデ、左はシャルフコーゲルです。

シェーンヴィースコップフから眺めるロートモース谷。グルグラー・キルヒェンコーゲルの左は少し雲が取れて、ホッホフィルスト(3,403m)と、その左にグラナーテンコーゲル(3,318m)が見えてきていました。

ホッホフィルストのズームアップ。山頂から正面に流れ下っているのがホッホフィルスト氷河で、写真右端がガイスベルク氷河です。

シェーンヴィース小屋の前まで戻り、ロートモースアッヘ川の右岸の道を進みます。ロートモースアッヘ川は小屋の付近から急に深い谷へ姿を変えています。シェーンヴィース小屋の右後方に見えている丘が今登ってきたシェーンヴィースコップフです。

ゴンドラリフトのブルックボーデン中間駅へ向かう広い道を右に分け、ロートモースアッヘ川沿いの遊歩道を歩いて行くと、「ロートモース滝」を眺めるポイントに至ります。

更に進んで、行く手正面にホッホグルグルの集落を眺めつつ、「ツィルベンヴァルト(松の森)」へ。小ぶりな松の木々を保護するため、「道を外れるな」との注意書きが立ってました。

左手にグルグラー・アッヘ川を見下ろしつつ進みます。写真右下に見えている橋を渡って川沿いに上流へ歩けば「バイルシュタイン滝」があるらしいです。

谷底へ下る道との分岐点に十字架像とベンチがありました。やはりカミさんはちょっと座高が足りないようです…(笑)。

オーバーグルグル村の上手には、山から下ろされた羊達が集められていました。村の中心まで下ると、ゴンドラリフトで下山された函館6人組さまと何と本日3度目の再会。ホッホグルグル地区にお泊りの6人組さまとお別れを惜しみつつ、バスに乗り込んでゼルデン村へ戻りました。


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