「夫婦で歩くスイスアルプス」

ヌシャテル湖南岸丘陵ハイキング

2014年5月10日。いよいよ帰国の日ですが、ジュネーヴ空港発が夕方の便なので、昼過ぎまでは時間があります。1週間お世話になったアパートを片付けた後、大家さんに車でイヴェルドン・レ・バン駅まで送ってもらい、手荷物を駅のコインロッカーへ投入。身軽になってフリブール方面行きの電車に乗り込み、2駅目のイヴォナンで下車します。幸いに良いお天気です。

駅からイヴォナンの住宅街を南へ抜け、ラ・ゴラの牧畜農家の脇を通って坂道を登っていきます。後方にヌシャテル湖が見えてきました。湖の対岸(写真中央)は3日前に歩いたコンシーズ村で、その背後の山がモン・トベール(1,339m)です。

樹林帯の斜面を登るとすぐ高速道路を潜り、案内標識に「ヴェール・ル・ラヴィオー」と記されている牧草地帯に入ります。菜の花が背丈より高く一面に茂っていました。

振り返るとヌシャテル湖を一望できました。手前の湖岸に見える家並みが出発地点のイヴォナン村で、湖の左端がイヴェルドン・レ・バンの街です。

牧草地は花盛りです。

ロヴレー村に入り、その中心部を抜けていきます。大きな建物の農家が目立ちます。

ロヴレー村の南で舗装道路から右へ分かれて畑の中を進むと、林に入ります。右手はヴォー川の深い谷になっていて、その対岸にシェーヌ・パキエ村が見えました。

林を抜けて馬の放牧場を横切ります。

草原の斜面を登るとシャヴァンヌ・ル・シェーヌ村です。写真の建物は「オテル・ド・ヴィル」という名のレストラン。元は領主の館だった建物のようです。

シャヴァンヌ・ル・シェーヌ村から西へ歩き、コヴェ橋でヴォー川を渡ります。18世紀に木橋から石橋へ架け替えられたものらしいです。

シェーヌ・パキエ村に到着。1667年に建てられたという楕円形の美しい教会があります。脇の広場に石造りのテーブルと椅子があり、気分良く休憩することができました。

シェーヌ・パキエ村から更に西へ歩くと、サン・マルタン・デュ・シェーヌ城址に至ります。ヴォー川とフロンゼル川に三方を囲まれた天然の要塞上に12世紀に建造された城で、13世紀にはグランソンやエスタヴァイエに匹敵する権勢を誇っていたとか。1474〜5年にスイスに接収され、1530年にベルンによって破壊されてしまったらしいです。城壁と四角い塔が残されています。

角塔は修復されていて、内側の急な鉄階段で上部まで上れるようになっています。塔の上からは周辺の広大な牧草地帯が見渡せましたが、ヌシャテル湖は河畔の林に遮られて残念ながら見えませんでした。
コヴェ橋からサン・マルタン・デュ・シェーヌ城址までは「ル・シュマン・デ・ブレ(麦の道)」という観光コースの一部になっていて、ポイント毎に説明板が設置されています。「ル・シュマン・デ・ブレ」は丘陵地帯の農村を縫って周回しながら遥か南方のエシャラン村まで続いています。

サン・マルタン・デュ・シェーヌ城址からフロンゼル河畔に下ります。間もなくヴォー川に合流し、静かな森に覆われた谷底を下っていきます。

一軒農家のあるル・マルチネを通り過ぎると高速道路を潜ります。往路では低い橋脚の下を潜りましたが、ヴォー谷を渡る橋脚は物凄く高いです。

そのまま川沿いの牧草地を北上してイヴォナン村へ戻ってきました。駅前のレストラン「オテル・ド・ヴィル」の広いテラス席で旅の名残を惜しみつつビールを飲みました。


トップページへ   前日へ   9月へ