「夫婦で歩くスイスアルプス」

オクセンアルプ ハイキング

2006年6月28日。今朝は曇り空。前日に歩き疲れたこともあり、今日は近場でアップダウンの少ない散策を楽しむことにしました。アローザ・バスに乗って北郊外にあるマラン地区へ。ホテル前のバス停から東へ数分歩くと高山植物園があります(無料)。この地域に咲いている草花の名前を調べるには格好の場所です。写真右後方の山がヴァイスホルン(2,653m)。

マランのホテル前に戻り、広い農道を通って牧草地の中を北へ緩やかに上っていきます。眼下に広がるホテル周囲のアルプは、広々としたゴルフ場になっています。背後の山は右から順に、シースホルン(2,605m)、アムゼルフルー(2,781m)、フルカホルン(2,727m)、ティーヤーフルー(2,781m)。

間もなく右手に池が見えてきますが、こちらはオーバー・プレッチゼー。林に囲まれた静かな池です。

道のところどころに写真のような標識が立っています。これは太陽系の各惑星の位置を28億分の1の縮尺で示した「惑星の道」と呼ばれるもので、歩きながら太陽系の大きさを体感できる仕組みになっています(同様のコースがスイス各地にあります)。上記は海王星の標識。

次に右手に見えてくるのがウンター・プレッチゼーの池。背後の山は左から順にフルカホルン、アムゼルフルー、シースホルン。

やがてロート・トリットというベンチの置かれた展望所に出ます。シャンフィック谷に張り出した高原の北端で、谷をぐるっと一望できます。上は西方向の眺め。左手前がこれから目指すチールチェンの村。その右に見える谷の対岸の村はマラデルス。その奥の谷底に州都クールの街があります。右背後の山は、地元産ビールの銘柄名にもなっているカランダ(2,806m)。

こちらは北側の眺望で、シャンフィック谷の対岸にザンクト・ペーター(写真中央下)やパギック(左)等の村々が見えます。背後の山はホッホヴァング(2,533m)。

樹林帯と草原が交錯する北斜面の道を西へ進んでいくと、やがて広々とした放牧場オクセンアルプに着きます。ここにはレストランがあって、何人ものハイカーが休憩していました。我が家もテラス席に座り、未だ昼食には早過ぎるので、黒板に書いてあったミルクドリンクをオーダー。冷たいフレッシュミルクに果物ジャムを入れたもので、ジャムはイチゴ・コケモモ・キーウィー・マンゴーの4種類。コケモモが甘さ控えめで美味しかったです。

この先、道はウルデンバッハの谷を巻くように一旦南へ向かいます。谷の奥に聳えるのはパルパナー・ヴァイスホルン(2,824m)。この谷を遡っていくとウルデン湖を経てヘルンリ小屋に至りますが、我が家は谷を渡って更に西へ。次第に樹林帯が濃くなり、カミさんは道端に生えている明日葉を摘むのに夢中です。私が「おぃ、『明日葉もどき』だったらどーするんだ?」と訊いても耳を貸しません。この日の夜にお浸しとして食卓に上りましたが、やはり明日葉でした。

道が森を抜けると、眼下にチールチェン村の家並みが広がります。谷の反対側に遠望できる村はカスティール。

チールチェン村にはホテルやレストランが幾つもありますが、奥の教会脇に建つホテル兼レストランのパラソルが一番賑やかそうに見えたので、そこで昼食にしました。日替り定食のメニューを訊いたらポークカツレツだというのでそれを注文し(あっさりした味で、それに大きなサラダが付いて満足でした)、飲み物はアプフェルヴァインを頼みましたが、出てきたのはアップルサイダーでした。どうやらアルコール飲料を置いていないレストランのようで、後から入ってきた女性ハイカー2人も「え〜?ビール無いの〜!」と大声を上げてました(笑)。でも、ちょうど天気も回復して青空が広がり、テラスから山々やシャンフィック谷の景色を眺めながら気分良いランチを楽しめました。

教会の近くに大きなロータリー広場があって、そこがバス停でした。大勢の人々がクール行きのポストバスを待っていましたが、眺めの良い広場で待ち時間も苦になりませんでした。クールの街で買物をした後、電車でアローザに戻りました。


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