おすすめハイキングコース (10)

【ロカルノ周辺】


チメッタ Cimetta 〜 チーマ・デッラ・トローザ Cima della Trosa 〜 メルゴーシャ Mergoscia
(約4時間半) 地図
チメッタはロカルノの街の北側に迫る山で、ロカルノ周辺では最も手軽に行ける展望台です。先ずロカルノ駅前からケーブルカーで、マドンナ・デル・サッソMadonna del Sasso教会のあるオルセリーナOrselina地区に行き、そこからロープウェイに乗り換えてカルダーダCardadaへ上ります。ここには吊り橋状の展望台があり、早くもモンテ・ローザやミシャベル山群を遠望できます。更にチェアリフトに乗り換えてチメッタへ。眺め抜群のレストランのテラスや円形展望台からマッジョーレ湖等の眺望を満喫したら、北側に聳えるチーマ・デッラ・トローザを目指して歩き始めましょう。十字架の立つ山頂(写真)までは1時間足らずで、マッジョーレ湖方面は勿論、マッジャ谷の奥に覗くフィンスターアールホルン等、360度の展望が得られます。下山はマドーネ山に向かって北へ下り、農家小屋のあるアルペ・ディ・ビエートリAlpe di Bietriからはメルゴーシャ谷の北斜面を東へ緩やかに下っていきます。途中、ファエードFaedoブレシャーディガBresciadiga等の鄙びた石造り集落を通るのも印象的。我が家が歩いた4月末にはブレシャーディガはが満開でした。次第に木々の緑が深くなると、メルゴーシャ村に到着。村の教会の前からヴォゴルノ湖を見下ろしたり、近くの小ホテルのテラスで喉を潤したりしながら、ロカルノに戻るバスを待ちましょう。未だ歩き足りないという方には、ヴォゴルノ湖を見下ろしながら北のコリッポCorippo村を経てヴェルザスカ谷の奥に向かう道がずっと続いています。(2006年4月)


モンテ・コミーノ Monte di Comino 〜 コスタ Costa
(約3時間半) 地図
ロカルノの西に延びる美しい谷チェントヴァッリCentovalliの北側尾根に点在する集落を訪ね歩く展望コースです。ロカルノ駅の地下ホームから出発する電車に乗って30分弱、ヴェルダージオVerdasio駅で下車し(急行電車は殆ど停まらないので要注意)、駅の上手を走る車道を少し西へ歩いた場所から小型ロープウェイに乗ってモンテ・コミーノに上ります。北への平坦な道を歩き始めると、すぐに眺望の良い山小屋を通り過ぎ、間もなく木々の中にマドンナ・デッラ・セーニャMadonna della Segna礼拝堂が見えてきます。ここから東への道を辿ると、エンツィアン等の草花が美しい広々としたアルプに出て、点在する農家や右手に連なるチェントヴァッリ南側の山々(写真)を眺めつつ、緩やかに登っていきます。次第に山道となって断崖の迫るアウラAula山の南斜面を回り込み、時間の止まったような山上の集落ドローイDröiに至ります。この上手の森の中を北へ進み、途中の分岐点から東へ折り返すと、北側の展望が開けてオンセルノーネOnsernone谷が一望できます。森が切れて再びアルプが現れるとカラッシオCalascioの集落で、ここから東寄りの道を辿ればクレマーゾCremasoの集落を経てレストランのあるコスタ村に出られます。コスタからは小型ロープウェイで電車駅のあるイントラーニャIntragna村へ下りられます。山上の集落を結ぶ道は他にも色々あるので、時間の都合や体力に応じて様々なルートを選ぶことができます。(2006年5月)


カメド Camedo 〜 イントラーニャ Intragna
(約5時間) 地図
チェントヴァッリの谷間を歩くルートで、意外にアップダウンがありますが、その分だけ変化もあって曇天の日の散策にお薦めです。上記と同じチェントヴァッリ鉄道に乗り、ヴェルダージオの更に3駅先の国境駅カメドから歩き始めます。車道を上ってカメド村ボルニョーネBorgnone村を通り過ぎると、その東隣の村リオンツァLionzaの手前に案内板があり、ここから「市場の道Via del Mercato」に入ります。谷底の幹線道路や鉄道が無かった頃は、この北側山腹の道が物資運搬の街道として使われていたようです。スイスでは珍しいスコティッシュ・ハイランド種の牛たちに見送られ、森の中の平坦な道を快適に東へ歩いていくと、やがて立派な教会(写真)のある静かな村ヴェルダージオVerdasioに到着します。一息入れたら、更に東へ。暫く上り道が続きますが、モンテ・コミーノへのロープウェイの下を潜る辺りからは谷の南側の展望を楽しめます。スレーニャSlögnaの集落を過ぎると次第に下り道となり、舗装道路に出て直進すれば上記コスタ村に至ります。舗装道路から分かれて下ると鉄道駅のあるコルカーポロCorcapolo村で、ここから更に谷底への道を下って吊り橋を渡り、谷の南斜面の道を東進すれば、印象的なローマ橋Ponte Romanoが現れます。これを渡って車道に上れば、イントラーニャ村はすぐ先です。(2006年5月)


ソンレルト Sonlerto 〜 ビニャスコ Bignasco
(約4時間) 地図
ロカルノから北方へ、遥かアイローロの南側まで延びる長いマッジャ谷Valle Mággiaの周辺には、魅力的なハイキングルートが沢山あります。谷の中心地ビニャスコまでは、ロカルノ市内からほぼ1時間毎に運行されている2階建てバスに乗って50分余り。谷はこの先、東側のラヴィッツァーラ谷Valle Lavizzaraと西側のバヴォーナ谷Valle Bavonaに分かれますが、後者の谷底を歩くのがこのコースです。
ビニャスコからポストバスに乗り換え(便が少ないので要注意)、終点サン・カルロSan Carloの手前の集落ソンレルトで下車。村の下手から車道を左に折れ、遊歩道に入ります。川を渡り、車道とは反対側の左岸をファエードFaedoの集落や小川の流れる林を通って南下していくと、ロゼートRosetoの集落に出ます。ここから車道と交差するように右岸に渡り、背後のクリスタリーナ方面の山々に見送られながら進むと、美しい滝(写真)を眺められるフォローリョForoglioの集落です。集落の中を通って少し登るとこの滝のビュー・ポイントがありますので、是非立ち寄って行きましょう。フォローリョから先は遊歩道が次第に車道に近づき、リトルトRitortoの集落で車道に合流しますが、この少し先から左へ「移動牧畜の道Percorso della Transumanza」が始まります。山の中腹に巨大な自然岩を利用した牧畜用の小屋跡が点在していて、これを訪ね歩くように遊歩道が付けられています。道は一旦サッビオーネSabbioneの集落に下ってから再び森の中へ入るなどアップダウンがありますが、高台からはピッツォ・ソレーニャバゾーディノ等の山々を眺めることができます。再び車道に下りてくるとレストランのあるフォンターナFontanaの集落。この下手の集落モンダーダMondadaの先から車道と分かれて右岸に渡り、左手の対岸にカヴェルニョCavergno村の家並みを眺めながら進むと、間もなくビニャスコの教会が見えてきます。(2006年5月)


アルペ・ディ・ネッジャ Alpe di Néggia 〜 モンテ・ガンバローニョ山頂 Monte Gambarogno 〜 インデミニ Indemini
(約4時間) 地図
モンテ・ガンバローニョはマッジョーレ湖の南岸に迫る標高1,734mの山で、ロープウェイは通じていませんが、その肩にあたるアルペ・ディ・ネッジャの峠までポストバスで上れるため、手軽に登頂を楽しめる山です。峠に向かうインデミニ行きのバスが出発する湖岸のマガディーノMagadinoには、ロカルノから電車で行くと乗換えが必要なので、便数も多い定期船の利用(片道15分、往復割引あり)がお奨め。バスに1時間弱揺られて森が途切れると、そこがアルペ・ディ・ネッジャです。レストランのある東側からはモンテ・タマーロへの登山道がありますが、モンテ・ガンバローニョへは西側の道を緩やかに登っていきます。道は山腹を左回りに巻くように進み、春先ならプリムラクロッカス等の愛らしい草花が出迎えてくれます。ゆっくり歩いても1時間余りで十字架の立つ頂(写真)に到着。北側にマッジョーレ湖を一望でき、その向こうにはアルプスの山々が並びます。眺望を楽しんだら、南西側に見える山頂を経由し、西側の斜面を湖を眺めながら下っていきましょう。樹林帯に入って間もなくアルペ・チェドゥッロAlpe Cedulloの小屋を過ぎ(ここで右に折れればマッジョーレ湖岸まで歩いて下山するルートです)、直進すると森の中に清楚なサンタ・アンナSanta Anna礼拝堂が現れます。更に南進するとモンテ・ガンバローニョの南山腹に達し、この分岐点から上り道を辿るとアルペ・ディ・ネッジャに戻る一周コース、下り道を進むとインデミニ村に至ります。インデミニはイタリア側に開けたヴェッダスカ谷Val Veddascaの奥にスイス領として取り残されたような寒村ですが、レストランの他に立派な教会や土産物屋等もあって散策を楽しめます。帰りに時間があったら、マガディーノ行きのバスが途中サン・ナッザーロSan Nazzaroの町の上手にある植物園の脇を通りますので、立ち寄ってみるのも良いでしょう。(2006年5月)


ソノーニョ Sonogno 〜 ラヴェルテッツォ Lavertezzo
(約4時間半) 地図
ヴェルザスカ谷Val Verzascaの谷底を流れるヴェルザスカ川に沿った遊歩道「センティエローネSentierone」を歩くコースです。ロカルノ駅前始発のポストバスに乗れば1時間余りで谷奥の村ソノーニョに着きます。石造りの静かな村を散策したら、教会下の道を西へ進んでヴェルザスカ川を渡り、右岸の遊歩道を下流に向かって歩き始めましょう。支流の小川を渡ったりする気分の良い道です。フラスコFrasco村の下手で車道の石橋を渡り、車道と入れ替わるように左岸へ。ロレンティーノLorentinoアルナスカAlnascaの集落を通って歩いていくと、ブリオーネBrione村の対岸辺りで階段を上ってちょっとした展望台に出ます。この辺りから下流はヴェルザスカ川の流れが激しくなり、大岩ゴロゴロの渓谷となります(写真)。再び車道の橋で右岸に渡ると、ここから先は「芸術の小道Sentiero per l'Arte」と名付けられていて、自然の岩や樹木等を巧みに利用した現代的美術のオブジェが遊歩道の脇に点在しています。対岸にモッタMottaの村を見送り、清流の滝の下を過ぎると、やがて行く手に美しい石橋「ポンテ・デイ・サルティPonte dei Salti」が見えてきます。これを渡って車道に出ると、ラヴェルテッツォ村の教会はすぐそこです。途中の村々にはそれぞれレストランがあって休憩場所に困りませんし、疲れたら村の停留所からバスに乗って何処からでも帰ることができます。逆に歩き足りなければ、ラヴェルテッツォ村から再び右岸に渡り、谷の急斜面の村コリッポを経てメルゴーシャ村まで歩くこともできます。(2006年5月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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