【冬のボルツァーノ周辺(イタリア)】 ※ ドロミーティ地方の夏季のハイキングコースについては、2021年の旅程表からブログをご参照ください。 レシェーザ山上駅 Chalet Resciesa 〜 レシェーザ・ディ・フオーリ(アウサーラシェッツ)山頂 Resciesa di Fuori/Außerraschötz 〜 オルティゼーイ(ザンクト・ウルリッヒ) Ortisei/St.Ulrich (一部ソリ利用で約1時間半) ガルデーナ谷Val Gardena/Grödentalの中心地オルティゼーイ村までは、ボルツァーノ始発の直行バスで1時間ほどです(電車でポンテ・ガルデーナ(ヴァイトブルック)駅Ponte Gardena/Waidbruckまで行ってバスに乗り換える方法もあります)。バスの発着場になっているサン・タントーニオ広場Piazza S.Antonioから北へ入ってエスカレーターでセチェーダSeceda行きゴンドラリフト乗場へ上り、更に西へ坂道を少し登るとレシェーザ行きケーブルカー乗場があります。レシェーザのお楽しみはソリ滑りですので、窓口でケーブルカーの一日乗り放題とソリのレンタルがセットになった切符を買い、改札の左手でソリを借りてから乗り込みましょう。数分で山岳ホテル「シャレー・レシェーザ」に隣接した山上駅へ到着し、そこから直接にソリ滑りを楽しむことができます。山上駅から西へ延びる遊歩道を緩やかに30分ほど登ればレシェーザ小屋Utia de Resciesaに至り、ここのテラス席でガイスラー山群・セッラ山群・マルモラーダ・サッソルンゴ・ローゼンガルテン山塊・シリアール山塊等の眺望を楽しみつつ軽食休憩するのがオススメです。ここから背後のレシェーザ・ディ・フオーリ山頂(写真)に登れば、オルトラー山群、エッツターラー・アルペン、シュトゥーバイアー・アルペン、ブレンナー峠方面、ツィラーターラー・アルペン、パイトラーコーフェル方面等も含めて360度の眺望が得られます。レシェーザ小屋からもソリ滑りコースがあり、途中で山上駅からのコースに合流します。我が家が行った時にはケーブルカーの中間駅より下部のソリコースが閉鎖されていましたが、滑ってみると途中で急坂を下ってレストラン「アンナタール(ヴァル・ダンナ)Annatal/Val d'Anna」の前に至り、そこからスキーゲレンデを辿ってセチェーダ行きゴンドラリフトの山麓駅まで滑り下ることができました。但し、ここからケーブルカーの山麓駅まではソリを担いで坂道を登る必要がありますから、このコースを滑るのは最後だけにする方が良いでしょう。オルティゼーイ村の中心街には年末年始にクリスマス市の小屋が並び、華やかな飾り付けがされた街路を散策するだけでも楽しめます。(2018年1月) コンパッチョ Compaccio/Kompatsch 〜 モリニョン(マールクネヒト)小屋 Rifugio Molignon/Mahlknecht Hütte 〜 サルトリア Saltria/Sautaria (約3時間) シウージ高原Alpe di Siusi/Seiser Almの代表的なウィンター・ハイキングコースです。シウージ(ザイス)村Siusi/Seisの南外れにある山麓駅(ボルツァーノ〜オルティゼーイ間の路線バスが停車します)からゴンドラリフトで上ったところがコンパッチョで、山上駅の南側にあるバス停の脇から南へ延びている遊歩道(写真)に入ります。スキーリフト「パノラマPanorama」に沿って蛇行しながら緩やかに登り、ラウリン小屋Laurin Hütte方面への道を右に分けてからスキーコースを何回か横断すると、スキーリフト「パラディーゾParadiso」を潜った上手に山岳ホテル「ゴルトクノップフGoldknopf」が建っています。この辺りまでは馬ソリが行き交い、南西にシリアール(シュレルン)山塊、西にオルトラー山群やエッツターラー・アルペン、北にツィラーターラー・アルペン、東にガイスラー(オドレ)山群からチール連峰を経てサッソルンゴとサッソ・ピアット等、周囲の山々の眺望を楽しみながら歩けます。更に南下してアルムローゼン小屋Almrosen Hütteが建つ圏谷を過ぎ、サッソ・ピアットを間近に眺めつつ尾根を東へ廻り込むと、ローゼンガルテン(カティナッチョ)山塊の麓に建つモリニョン小屋に至ります。この先はソリ滑りコースにもなっている下り道で、折り返すように谷底を北上して山岳ホテル「ティルラーTirler」の前に出てきます。平坦な道を更に北へ進めばサルトリアで、ここからコンパッチョ行きのバスが出ています。(2017年12月) シュヴァルツゼーシュピッツェ(チーマ・デル・ラーゴ・ネーロ)山頂 Schwarzseespitze/Cima del Lago Nero 〜 リットナー・ホルン(コルノ・デル・レノン)山頂 Rittner Horn/Corno del Renon 〜 ペンメルン(トレ・ヴィーエ) Pemmern/Tre Vie (約3時間半) リットナー・ホルンはボルツァーノの北東に位置するなだらかな山で、支峰のシュヴァルツゼーシュピッツェ山頂までゴンドラリフトが通じているため、冬も手軽にハイキングを楽しめる場所です。ゴンドラリフト乗場のペンメルンへ行くにはクローベンシュタイン(コッラルボ)Klobenstein/Collalbo始発のバスに乗ります。クローベンシュタインまではボルツァーノから直行バスの便がありますが、ボルツァーノ駅の東側から出ているロープウェイに乗ってオーバーボーツェン(ソプラボルツァーノ)Oberbozen/Soprabolzanoに上ってから狭軌鉄道「リットナー・バーンRittner Bahn」に乗り換えるルートも眺望が楽しめてオススメです。シュヴァルツゼーシュピッツェ山頂にはレストランがあり、マルモラーダをはじめとするドロミーティの峰々やオルトラー山群等を一望できますので、歩かない方でも上ってくる価値があります。ここからリットナー・ホルンの山頂まで「プレミアム・パノラマ・ツアーPremium Panorama Tour」と名付けられた8の字型のウィンター・ハイキングコースが整備されていて、しっかり圧雪されているので特に装備が無くても歩けます。貯水池の脇を通る直行ルートと、東側の山腹を周回するルートのどちらを選んでも、ウンターホルン小屋Gasthof Unterhorn(テラスでのランチがオススメ)が建つ鞍部に至り、その先は東側の尾根を直登するルートと、フェルトゥナー小屋Feltuner Hütte経由で西側の山腹を周回して登るルートに分かれます(後者の方が距離は長いですが傾斜が緩やかです)。どちらの道も山小屋と電波塔が建つリットナー・ホルン山頂(写真)に達し、東にパイトラーコーフェルやガイスラー山群とトファーナ山群、南にサッソルンゴやローゼンガルテン山塊、西にチーマ・ブレンタからオルトラー山群、北にフィランデラー・ベルク等、360度の眺望が得られます。帰路はシュヴァルツゼーシュピッツェの山頂駅へ戻るのが一般的ですが、ウンターホルンの鞍部から西山腹のトラバース道を南下するとゴンドラリフトの中間駅があるシェーンアルムSchönalmに出て(ここから山麓駅までソリ滑りのコースもあります)、樹林帯を西へ下るとロスヴァーゲンRoßwagenを経てペンメルンまで歩いて下れます。(2018年1月) イェネージエン(サン・ジェネージオ・アテジーノ) Jenesien/S.Genesio Atesino 〜 ラングフェン Langfenn 〜 フラース(ヴァーラス) Flaas/Valas (約3時間) ボルツァーノの北に延びるザルテン高原Saltenを歩くハイキングコースです。高原の南端に位置するイェネージエン村にはボルツァーノ市内から路線バスの便がありますが、12番の市内バスで市街の北端へ行ってロープウェイに乗り換える方法も眺望が楽しめてオススメです。イェネージエン村の中心に建つ教区教会の脇を登り、村の北側から暫く車道を北上した後、案内標識に従って左手の林道に入ります。ドロミーティの峰々を遠望しながら明るい樹林帯を緩やかに登り、山岳ホテル「エーデルワイスEdelweiß」を過ぎると、次第に木立がまばらになって平坦な高原地帯(写真)へ入っていきます。西にメンデル山脈やラウゲンシュピッツェ、北にメラーノ2000方面、東にリットナー・ホルン、南東にシリアール山塊やローゼンガルテン山塊等、周囲の山々を眺めながら歩け、牧場が点在していて馬ソリや乗馬を楽しむ人も多く見掛けます。再び針葉樹林帯に入ってこれを抜けると、このコースの最高地点になるラングフェンの丘です。頂にザンクト・ヤーコプ教会St.Jakob auf Langfennと山岳ホテルが建ち、レストランでランチを楽しむことができます。丘を北へ下るとシェアモースSchermoosの駐車場で、ここからイェネージエン行きのミニバスに乗れますが、我が家は待ち時間があったので、車道沿いのフラース村まで更に20分ほど歩きました。(2018年1月) イェネージエン 〜 グラーニング(コローニャ) Glaning/Cologna 〜 ボルツァーノ Bozen/Bolzano (約4時間) 上記のイェネージエン村から「2番」のハイキングコースを辿って舗装道路を西へ進みます。分岐で上手の道を選ぶと一軒農家の裏手から山道に入り、谷奥を巻いて西側の尾根上に建つ山岳ホテル「ロッハーLocher」へ。ここから舗装道路を南下するとレストラン「プラットナーPlattner」があり、余裕があればその手前の分岐を東へ入ってアルテンベルク(モンタルト)Altenberg/Montaltoに登ってきたいところです。「プラットナー」からアルテンベルクの南斜面へ緩やかに下ればグラーニングの集落に至り、ここにもレストラン「メスナーMessner」があります。グラーニングから東へ進むと自動車道に出合い、そこの停留所から路線バスでボルツァーノ市街へ下れますが、更に遊歩道を歩いて下るのもオススメです。グンチナGuntschna/Guncinaの葡萄畑(写真)からボルツァーノ市街の眺望を楽しんだ後、果樹園を下ってファーゲンバッハ(リオ・ファーゴ)渓谷Fagenbach/Rio Fagoに入り、その下手からトロイエンシュタイン城址(ドゥルーゾ塔)Treuenstein/Torre Drusoの脇を下って市街地へ。この辺りから市内バスにも乗れますが、広い公園になっているタルファー(タルヴェーラ)川Talfer/Talvera沿いの遊歩道を南下し、タルヴェーラ橋を東へ渡れば旧市街です。(2018年1月) ボルツァーノ市街散策 (約1時間半) ボルツァーノの旧市街には歴史的な建物が多く、散策が楽しいです。ボルツァーノ駅から木立に囲まれた駅前通りを北西へ少し歩くと、年末にクリスマス市で賑わうヴァルター広場Piazza Waltherに出て、その南西側が大聖堂Duomo(内部だけでなく隣の建物にある宝物館Tesoro del Duomoもお忘れなく)。大聖堂の西にフレスコ画が素晴らしいサン・ジョヴァンニ礼拝堂Cappella di S.Giovanniを持つドメニカーニ教会Chiesa dei Domenicani、その南にカップッチーニ教会Chiesa dei Cappucciniがあります。ヴァルター広場の北東の角を入ったコルン(グラーノ)広場Kornplatz/Piazza del Granoの先がラウベン(ポルティチ)通りLauben/Porticiで、その東の市庁舎広場Piazza Municipioで左折してボッタイ通りVia Bottaiを北上すれば「南チロル自然科学博物館Naturmuseum Südtirol」があります。この北東側の路地に古い聖ヨハン(ジョヴァンニ)教会St.Johann im Dorf/S.Giovanni in Villa、北側にドイツ騎士団教会Chiesa dell'Ordine Teutonico、西にフランツィスカーナー修道院Franziskanerklosterが建ち、修道院の南が常に露店市で賑わっているエルベ広場Piazza delle Erbeです。ここからムゼオ通りVia Museoを西へ進むと「南チロル考古学博物館Südtiroler Archäologiemuseum」と市立美術館Museo Civicoがあり、その先でタルファー川を渡ると戦勝記念碑Monumento alla Vittoriaに至ります。タルファー川沿いの遊歩道を上流へ歩いて行けば、内部の壁画が美しいルンケルシュタイン(ロンコロ)城Schloss Runkelstein/Castel Roncolo(写真)が見えてきます。この古城だけは旧市街から少し離れていますので、帰路は市内バスを利用すると良いでしょう。各々の見どころをじっくり観て回れば丸一日かかります。ボルツァーノはワイン産地として有名ですが、元はドイツ語圏のためビールも旨いです。エルベ広場に「ホプフェンHopfen & Co」、自然科学博物館の近くに「バッツェンホイズルBatzenhäusl」という地ビールレストランがあります。(2018年1月) ザンクト・パウルス(サン・パオロ) St.Pauls/S.Paolo 〜 ザンクト・ミヒャエル(サン・ミケーレ) St.Michael/S.Michele 〜 ギルラン(コルナイアーノ) Girlan/Cornaiano (約2時間半) ボルツァーノの南西に隣接するワイン産地の村、エッパン(アッピアーノ)Eppan an der Weinstraße/Appiano sulla Strada del Vinoを散策するコースです。ボルツァーノ市内から132番のザンクト・ミヒャエル方面行きバスに乗りますが、ザンクト・パウルス経由とギルラン経由の2路線がありますのでご注意ください。ザンクト・パウルスの聖パウロ改宗教会Pfarrkirche St.Pauli Bekehrungの前で下車し、集落を西へ抜けると聖ユスティーナ教会St.Justina Kirche/Chiesa di Santa Giustinaがあります。ここから葡萄畑の中を南下し(途中の分岐で西へ登ればボイモント城址方面への道です)、フロイデンシュタイン城Schloss Freudensteinを経て、左手の眺望を楽しみつつモンテ・カルヴァリオMonte Calvario/Gleifhügelの丘(写真)を登り、内部の彩色が美しいグライフ教会Gleifkirche zum Heilig Kreuzへ。丘を西へ下るとモース城Moos Schulthausがあり、そこからやや南廻りに東へ下ってエングラール城Schloss Englarとガンデック城Schloss Gandeggの脇を過ぎ、聖アンナ教会St.Anna Kircheを経てザンクト・ミヒャエルに至ります。ここはエッパン村の中心的な地区で、商店やレストランも多いです。北東方向へ進むとロマネスク様式のマリーア・ラスト教会Maria Rast Kirche/Chiesa Madonna del Riposoがあり、その東で自動車道を横断して葡萄畑の中を歩いて行くとギルランに到着です。教区教会の近くの停留所からボルツァーノ行きのバスに乗れます。(2018年1月) ※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。 |