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オッタヴァンには十数軒のシャレーが点在していますが、人影はありません。高台にある小さな礼拝堂を覗いてみました。祭壇の壁には意外にもモダンなイエス像が掲げられていました。背後はヴァイスホルン方面ですが、残念ながら今日は山の周囲にだけ雲が纏わり付いています。礼拝堂前の道をそのまま登っていくと、テッシュ小屋に通じているようです。
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オッタヴァンはマッター谷右岸の山腹を歩く「オイローパヴェーク」のルート上にあり、我が家以外のハイカーはこのコースを辿ってランダ方面とツェルマット方面に分かれていきました。我が家は、南東側に聳えるザットラの頂を越えてツェルマットを目指します。写真の頂がオーバー・ザットラで、写真中央の小道がオイローパヴェーク(右へ辿るとザットラの尾根を巻いてトゥフテルンに達します)。
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オーバー・ザットラに登る斜面は羊の放牧場です。好奇心の強い羊はどんどん近寄ってきます…(汗)。頂に近い岩場にはカモシカも姿を見せていました。
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1時間半ほど掛けてゆっくり登り、オーバー・ザットラの頂に到着しました。海抜2,686mで、オッタヴァンとの標高差は470mほど。少し上の尾根に十字架が立っています。残念ながら雲が多いですが、ミシャベル山群からヴァイスホルン方面を経てマッターホルン・ブライトホルンまで、300度程度の眺望が広がっていました。
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オーバー・ザットラ付近からの眺望@: 東正面に聳えるテッシュホルン(4,491m)です。右手から流れ下るのがヴァインガルテン氷河。
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オーバー・ザットラ付近からの眺望A: ヴァインガルテン氷河を挟んで右に頂の白いアルプフーベル(4,206m)。
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オーバー・ザットラ付近からの眺望B: テッシュアルプの谷奥には頭ギザギザのリンプフィッシュホルン(4,199m)。ちょっと逆光気味で霞んでいますが…。
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オーバー・ザットラの頂を越えて、マッター谷側の斜面を斜めに下っていきます。眼下にテッシュの街並みと、後方にランダの大崩壊(山崩れ跡)が見えます。やがてガレた谷を越えますが、それほど歩きにくい場所はありません。ずっと下にオイローパヴェークの平坦な道が続いていて、オッタヴァンで別れた老夫婦が歩いているのに手を振りましたが、気付いてもらうのには無理がありました(笑)。
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行く手の正面にマッターホルンと、その右にダン・デランを眺めながら、草原の斜面を気分良く下っていきます。
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下りの傾斜が緩くなってきたら、間もなくオイローパヴェークの道と合流します(写真前方の標識のある場所が合流点)。写真右手にある草原の高台でサンドウィッチを齧りながら昼食休憩にしました。山々を眺めながらの静かな昼食は至福の時です。
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オイローパヴェークと合流した後は道幅の広い平坦な道で、思わず足取りも軽くなります。眼下にはツェルマットの街が広がってきます。
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トゥフテルンの集落に到着しました。昼食休憩の時間を除けば、オーバー・ザットラからここまで約2時間の道のりです。右下に見えるレストランで一休みしていくことにします。
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昨夜に原因不明の腹痛で夕食を食べられなかった私は、自重してスープを頼みました。カミさんはお決まりのファンダンです。ここのウェイターの小父さんは、客からオーダーを受けると必ず「他に○×も如何ですか?」と問い掛けていて、なかなか商売熱心です。日本人の観光客なら思わず「じゃあ…」ってことになるケースもありそうです(笑)。マッターホルンは、少し雲が取れてきました。
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トゥフテルンから直接ツェルマットへ下りられますが、我が家は山腹の平坦な道をスネッカ方面へ直進することにします。明るい樹林帯に入り、右手には木々の間から谷を挟んでトリフト氷河が眺められます。但し、今日のオーバー・ガーベルホルンは雲に隠れがち…。
そのままスネッカの展望台下を通り過ぎ、フィンデルンの村を通ってフィンデルバッハの谷を下山することにします。(スネッカやフィンデルンの辺りは翌日に歩いた「フィンデルアルプ湖沼群周遊」と重複しますので、写真は省略します。)
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フィンデルバッハの谷を進むと、樹林帯の中をジグザグに下る道になります。午後の木漏れ日の中、森林浴を感じつつ下っていきます。疲れた足にはちょっとキツいですが…。
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途中にフィンデルバッハの滝とゴルナーグラート鉄道の鉄橋を見下ろせるポイントがあります。みんなここからカメラを構えて待つようで、土が剥き出しになっています。
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やがてゴルナーグラート鉄道の線路脇に出てきます。この先で線路を渡って下れば、ツェルマットの街中です。トゥフテルンからここまで約2時間でした。
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