【グラールス州】 リーヒザウ Richisau 〜 ウンター・レンゲンエック Unter Längenegg 〜 クレンタール湖畔 Klöntalersee (約3時間半) 地図 クレンタール湖は州都グラールスGlarusの西方に位置する山中の湖で、グラールス駅前始発のポストバスで手軽に行ける保養地です。バスはクレンタール湖の最奥部から更に坂道を登ってシュヴィーツ州境に近いリーヒザウまで行きます。ここから車道の上手に付けられた遊歩道を戻るように東へ歩き始めると、間もなく右手にクレンタール湖やロスマッター谷の眺望が広がってきます。左手にはオクセンコップフの岩峰が聳えています。森の中のモースMoosの分岐を左折するとラリRalliのアルプに出て、更にラトリスRatlisの農家小屋を経てジグザグの道を登り、ケンゲルChängelの農家小屋を過ぎた先に再び分岐があります。ここを左折して登るとムッテリシュトックの東麓レンゲンエック峠を越えて北方にある湖オーバーゼーOberseeに至りますが、かなりのロング・トレイルです。右の道を進むと間もなく広大なウンター・レンゲンエックの放牧地に入っていきます。ここを通過して更に奥のデーイェンDejenから南下すればクレンタール湖の入口近くに下れるのですが、我が家は暑さにバテてしまってここから引き返し、モースの分岐を左折してグレールニッシュ山塊を眺めながらクレンタール湖の最奥部(写真)の湖畔フォラウエンVorauenに下りました。ここにもホテル・レストランがあり、テラス席で軽食休憩ができます。(2012年7月) メットメンアルプ Mettmenalp 〜 ヴィルトマート峠 Wildmadfurggeli 〜 エンペックリ Ämpächli (約4時間半) 地図 州都グラールスの南に位置する町シュヴァンデンSchwandenの駅前からニーデレン谷Niederental行きの路線バスに乗って終点キースKiesで下車し、ロープウェイに乗り換えます。山頂駅メットメンアルプの近くに建つ山岳ホテルのテラスから北側の眺望を楽しんだら、ガリクティ人造湖Stausee Garichtiの東側のダム上を渡り、その先から左手の草原の斜面を登ります。ヴィーダーシュタインWidersteinの分岐を右折して南へトラバースし、広大なフォルダー・マットVorder Mattのアルプを緩やかに登っていくと、南側から登ってきた道と合流して東の稜線上にあるヴィルトマート峠に至ります。我が家が歩いた日は生憎雲が多かったですが、晴れていれば正面にフォラープやピッツ・サルドーナをはじめとする山々のパノラマが一気に広がる筈です。峠の東側ウンテレス・ヴィルトマートUnteres Wildmad(写真)には大小多くの池が点在し、高山植物の種類も多いです。その突端から急坂を下り、ゲルプコップフGelbchopf直下の分岐点で北側にキューボーデン湖Chüebodenseeを眺めたら、スキーリフトのケーブルに沿って南側の広大なカール状のアルプの中を下ります。草原の下端にあるオーバー・エンペックリOber Ämpächliの農家小屋からは林道を東寄りに下り、子供向け遊具やレストランのあるウンター・エンペックリUnter Ämpächliに到着です。ここからゴンドラリフトで谷底のエルム村Elmに下れます。古い木造家屋や鉄道駅舎跡があるエルム村の中心部までは山麓駅から徒歩で15分ほどかかりますが、山麓駅の前からもシュヴァンデン行きの路線バスに乗ることができます。(2012年7月) ブラウンヴァルト Braunwald 〜 オーバーブレギ湖 Oberblegisee 〜 グッペン Guppen 〜 シュヴェンディ Schwändi (約7時間) 地図 グラールス州南部の山岳リゾート村ブラウンヴァルトは、鉄道の終点の村リンタールLinthalからケーブルカー(終点の1つ手前の鉄道駅が隣接しています)で北斜面を上った先の眺望の良い場所にあります。中心部から北東方向へ歩いてシュヴェッティベルク地区Schwettibergを抜け、グロッツェンビュールGrotzenbüel方面への道を左に分けて山裾の草原の中を北上します。明るい樹林帯に入ってエックシュトックの東に張り出した尾根の東斜面を北側へ回り込むと、ベースベッヒBösbächiのアルプに出てきます。農家小屋群の前から丘に登るとレストラン「ベッヒシュテューブリBächistübli」があって軽食休憩ができます。ここから北へ少し歩けばオーバーブレギ湖畔(写真)です。ここまでは起伏の少ない道で、湖畔から南東方向のブルンネンベルクBrunnenbergに下ればロープウェイで鉄道駅のあるルックシンゲン村Luchsingenへ下りられますので、家族連れならこのルートが良いでしょう。更に先へ歩く場合は、オーバーブレギ湖の南端から東側の尾根上の道を北上します。我が家は湖畔の道を奥へ進み、湖の北側にあるアルプ・オーバーブレギAlp Oberblegiの農家小屋を経由して尾根上へ登りましたが、こちらは道が分かりづらいのでお勧めできません。グレールニッシュ山塊から流れ下る滝を左手に眺めつつ、ロイゲルシュトックの山腹を西へ回り込んで峠まで来ると、前方の眼下にグッペン湖Guppenseeが見える筈です(我が家が歩いた日は悪天候で見えませんでした)。グッペン湖を左手に見下ろしながら北東方向へ進み、山小屋のあるオーバーシュタフェルOberstafelから北側斜面を下ります。農家小屋の建つミットラー・グッペンMittler Guppenの先から樹林帯に入りますが、ウンターシュタフェルUnterstafelまで下ると再び谷底にシュヴァンデンの町を一望できます。シュヴァンデンまで歩いて下ることもできますが、我が家は上手のシュヴェンディ村からミニバスに乗ってシュヴァンデン駅へ向かいました。我が家は道に何度も迷ったので7時間余りかかってしまいましたが、好天の日に歩けば所要時間はもっと短縮できると思います。(2012年7月) グーメン Gumen 〜 リーター・オルトシュタフェル Rieter Ortstafel 〜 ヌスビュール Nussbüel 〜 ブラウンヴァルト (約4時間半) 地図 ブラウンヴァルト村の西外れの乗場からチェアリフト併設のゴンドラリフト(写真)に乗ってグーメンへ。ここから西へ歩き始め、ブラウンヴァルトアルプの上部(エックシュトックの南麓)をトラバースしていきます。左手にはテーディをはじめグラールス州南端の高峰が並びます。ビュッツィBützi方面への登り道を右に分けて南下するとオルトシュトック小屋Ortstockhausに至ります。更に南へ下ってブレッヒ・オーバーシュタフェルBräch-Oberstafelの農家小屋を通過し、ベルゲテン湖Bergetenseeへ。右手にオルトシュトックを見上げつつベルゲテンBergetenのアルプを南へ進み、塔のような奇岩テューフェルス・キルクリTüüfels Chilchliを目指して草原を登ると、左手にリンタール谷、後方にベース・フーレン等の眺望が広がってきます。テューフェルス・キルクリの直下にリーター・オルトシュタフェルの牧畜小屋があり、その東から切れ落ちた急坂を下ると、ウンター・シュタフェルUnter Stafelを経てレストランのあるヌスビュールに到着します。食事休憩を楽しんだ後は、ブルムバッハの谷を巻く平坦な林道を辿って(途中で左手にブルムバッハ滝が見えます)ブラウンヴァルト村へ戻ります。(2012年8月) グーメン 〜 セブレングラート Seblengrat 〜 グロッツェンビュール Grotzenbüel 〜 ブラウンヴァルト (約2時間) 地図 ブラウンヴァルト村の上手に広がるブラウンヴァルトアルプの手軽な下山ハイキングコースです。上記グーメンから逆に東への道を辿ると、トンネルを潜ってセブレングラートのレストラン(冬のみ営業)の下手を通り、尾根上の展望台に出てきます。更に尾根伝いに東へ進むと(写真)、尾根の突端クニューグラートChnügratです。そこから折り返すように南斜面を西へトラバースしつつ下り、明るい樹林帯を抜けて放牧場に出れば、すぐ南にグロッツェンビュールのレストランがあります。広いテラス席で軽食休憩をどうぞ。ここからは4連式のゴンドラリフトでブラウンヴァルト村へ下れますが、ケーブルに沿った道をオルトシュトック山やツィリバッハ滝等を眺めつつ歩いて下っても、村まで30分ほどです。グロッツェンビュールから西へ直進し、オルトシュトック小屋経由でグーメンまで登り返すこともできます。(2012年8月) ブラウンヴァルト 〜 グロッツェンビュール周遊 (約2時間) 地図 ブラウンヴァルト村の上手を巡る散策コースです。先ず村の中心部から北東方向へ緩やかに登ってシュヴェッティベルク地区へ。ここには高級ホテル「アホルンAhorn」がありますので、テラス席で優雅な気分を味わってください。更に北東へ少し歩き、オーバーブレギ湖方面への道との分岐点を直進すれば、樹林帯の裾を西へ進んで、上記セブレングラートから下ってくる道と合流します。南側に見える放牧場(写真)を横切ればグロッツェンビュールのレストランです。ここからまっすぐブラウンヴァルト村へ下っても良いですが(上記)、西側の樹林帯へ向かう道を進んでオルトシュトック小屋方面への登り道を右に分けると、「髭の小人Zwäärg Baartli」伝説の説明板が点在する森の中の道を経て、村の上手にあるホテル「テーディブリックTödiblick」の裏手に出てきます。このホテルのテラスからも名前のとおりテーディ山をはじめとする眺望が楽しめます。(2012年8月) カルクトリットリ Kalktrittli 〜 ムットゼー小屋 Muttseehütte (往復約4時間半) 地図 リンタール谷の最奥部ティーアフェートTierfehdからダム工事用のロープウェイで上ってスタートするハイキングコースです。リンタール村から谷奥への公共交通機関は無く、リンタール駅からティーアフェートまで歩くと片道2時間近くかかりますので、予め電話でタクシーを呼んでおきましょう。 ロープウェイに乗り込んで急斜面に建つ山上駅(切符にはカルクトリットリと記されています)に上ると、早速テーディ、ゲムスファイレンシュトック、オルトシュトック、グレールニッシュ連峰等のパノラマが楽しめます。眼下にザント谷を見下ろしながら西へトラバースし、前方にリンメレン谷が見下ろせる場所まで来たら左手の斜面をジグザグに登ります。登り切った上には草原が広がっていて(地図によればここが本来カルクトリットリと呼ばれる場所のようです)、もう一段高いニュッシェンエックNüscheneggの草原を経て、左手に荒々しいニュッシェンシュトックを見上げつつ、次第にザレていくニュッシェンNüschenの斜面を登り詰めます。そこから右手へ折り返すようにムッテンヴェンドリMuttenwändliの西端まで登ると、ゼルプザンフトの本峰やクラリデンを眺めることができ、南にはリンメレン人造湖Limmerenseeが見えてきます。東には高山植物の群落が点在する平原が広がっていて、その中を緩やかに下ってムットゼー小屋(写真)に到着します。山小屋の北側にはその名のとおりムット湖Muttseeがありますが、我が家が行った時は水力発電事業の工事中で余り良い景観ではありませんでした。山小屋のテラス席で軽食休憩を楽しんだ後は、更にグラウビュンデン州境のキステン峠Kistenpass方面へ歩くこともできますが、我が家は来た道を引き返しました。リンメレン人造湖のダムへ下るとトンネルを通ってロープウェイの山上駅へ出られるようですが、当時その道は閉鎖されていました。(2012年7月) フィーゼテン峠 Fisetenpass 〜 クラリデン小屋 Claridenhütte (往復約6時間) 地図 リンタール駅前からクラウゼン峠Klausenpass方面行きのポストバスに乗って約30分、美しいU字谷の底にあるウルナーボーデン村Urnerbodenの中心部(ドルフDorfバス停)で下車します。村の教会の先から小道を下ると小型ロープウェイの乗場があり、これに乗り込んでイェーガーシュテック連峰を一望できるフィーゼテン峠に上ります。ここからは西のクラウゼン峠に向けて緩やかに下って行く道が人気の展望ハイキングコースで、逆に東の尾根上を進めばカンメルシュトック山頂に至りますが、クラリデン小屋へ向かうには南側のカール谷を左回りに巻く道に入ります。カール谷の南に聳えるロートシュトックの北斜面をトラバースしつつ登り、切り立った岩峰群を見上げながらザレた斜面を進んでいくと、ロートシュトックの東に延びる尾根上に至ります。ここから折り返すようにロートシュトックの南斜面をトラバースし、前方に小さく見えるクラリデン小屋とゲムスファイレンシュトックの頂に向かってアルテノーレン谷Altenorenの最奥部まで登り詰めます。クラリデン氷河の末端を南へ渡り、ワイヤロープを頼って岩壁を登ればクラリデン小屋(写真)に到着です。小屋のテラスからは残念ながらクラリデン山は見えませんが、南西にテーディ山の頭が覗き、北西方向にはグラールス州北部の山々の眺望を楽しむことができます。帰りはアルテノーレン谷をまっすぐ下って上記ティーアフェートに出ることもできますが、標高差1,600m以上の下り道になります。我が家は大人しく来た道をフィーゼテン峠へ戻ってロープウェイで下りました。(2012年8月) ※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。 |