おすすめハイキングコース (13)

【シュヴィーツ周辺】


リュトリ Rütli 〜 フリューエレン Flüelen
(約5時間半) 地図
スイス建国700周年にあたる1991年、フィーアヴァルトシュテッテ湖の東南端にあたるウーリ湖畔に、これを一周する遊歩道「スイスの道Weg der Schweiz」が整備されました。スイス建国の歴史を振り返りつつ歩ける全長35kmのコースで、部分毎にスイスの各州を表すものとされていて(連邦への加盟年代順に各州の人口に応じて長さが割り振られている)、「州境」には楕円形の石の標識が置かれています。
ウーリ湖北端の町ブルンネンBrunnenの船着場から定期船に乗り、「シラーの石Schillerstein」を眺めながら約10分で対岸のリュトリに渡ります。小博物館「メモMemo」やスイス国旗の立つ広場を見て回った後、いよいよレストランの脇から標識に従って「スイスの道」に入りましょう。初めは森の中を大きく折り返しながら登っていきます。森を抜けて舗装道路に入ると、間もなくゼーリスベルク村Seelisbergケーブルカー乗場です(上り道を歩くのが嫌いな方は、ブルンネンからルツェルン方面行きの定期船に乗ってトライプTreibに渡れば、そこからこのケーブルカーでゼーリスベルクに上って来られます)。大きな教会の前を通ってゼーリスベルク村の中心部を過ぎると、左手にウーリ湖の眺めが広がります。その先にマリーア・ゾンネンベルク巡礼礼拝堂Wallfahrtskapelle Maria Sonnenbergがあり、小さな教会ですが内部の祭壇や宗教画が美しいので是非お立ち寄りください。この後は車道と別れて林を抜け、ウーリ湖を見下ろす断崖上の見晴台を経て西に向かうと、静かなゼーリスベルク湖Seelisbergseeが見えてきます。ベロルディンゲン城Schlösschen Beroldingenを過ぎる辺りからは再びウーリ湖を見下ろしながらの快適な道で、その先で草花いっぱいの牧草地の中の石段を下っていくと、湖畔の村バウエンBauenに到着します。バウエン村には聖イーダ教会(写真)やスイス国歌の作曲者アルベリック・ツヴィシックの生家(今はレストラン)があり、他にも雰囲気の良いレストランが何軒かあるので昼食休憩に最適です。疲れていたらここから船で帰ることもできますが、この先は湖畔に沿った起伏の無い道なので楽に歩けます。湖岸に岩山が迫る場所では岩を刳り抜いたトンネルを幾つも通ります。ウーリ湖の南端を東へ回り込むと、ロイス川三角州Reussdeltaの広大な湿原に入り、その中心部でロイス川を渡れば間もなくフリューエレンの町です。ここまででウーリ湖畔の西半分、つまり「スイスの道」の前半部分を踏破したことになります。後半部分は翌日のお楽しみとして、船か電車で宿に戻りましょう。(2004年5月)


フリューエレン 〜 ブルンネン Brunnen
(約5時間半) 地図
ウーリ湖の東岸に沿って「スイスの道」の後半部分を歩くコースです。フリューエレンの船着場から湖畔の道を北へ、湖の対岸にギッチェン山を眺めつつ歩き始めると、間もなく住宅街が途切れて林の中の遊歩道に入ります。やがて道は旧アクセン街道Axenstrasseの舗装道路に出て、岬のようになったアクセンエックAxeneggの展望所から湖とウーリ・ロートシュトック等の山々を一望することができます。更に進むと線路脇の道を経て大きなカリヨンのある広場に至り、ここから湖畔に下れば壁画の美しいテル礼拝堂Tellskapelleです。この先は小さな船着場を経て快適な湖畔の遊歩道を進んでいきます。再び旧アクセン街道の車道に上り(その下にヤコブ巡礼路の地図案内あり)、岬を回り込むと前方にシージコンSisikonの村が近づいてきます。村のレストランで昼食休憩後は(疲れていたらここから電車か船で引き上げることもできます)、川沿いにリートRiedのアルプまで東斜面を上り、そこから平坦な道を北へ辿ります。タンネンTannenシルティSchiltiといった牧畜農家群を辿って進みますが、高台のアルプから見下ろすウーリ湖の眺め(写真)が素晴らしいです。前方にミーテン山が見えてくるとザンクト・フランツィスクスSt.Franziskusで、周辺に特徴のある礼拝堂が点在しているので訪ね回ってみるのもお薦めです。間もなくモルシャッハMorschachの村中に入り、これを北へ抜けてアクセンシュタインAxensteinの丘に上ります。ここには登山鉄道跡のモニュメントがあり、ウーリ湖フィーアヴァルトシュテッテ湖の眺めが抜群です。ここから北へ下ればブルンネンの街中にゴール・インです。(2004年4月)


ブルンネン 〜 ゲルザウ Gersau 〜 フィッツナウ Vitznau (約4時間半) 地図
上記「スイスの道」は、更に湖畔を7日間かけてリュトリまで歩く遊歩道「森林州の道Waldstätterweg」に繋がっています(踏破すれば9日間でフィーアヴァルトシュテッテ湖を一周できるという訳です)。これは「森林州の道」の1日目にあたるハイキングコースです。ブルンネン湖岸を西へ進むと、ムオタ川Muotaを渡ったところにあるロープウェイ「ウルミベルク・バーンUrmiberg-Bahn」の乗場の前で車道に出ます。ファレンバッハFallenbachに建つレストラン「ブルクフルーBurgfluh」を過ぎ、ブリューニシャルトBrünischartからホッホフルー山の南斜面をトラバースする遊歩道に入れば、展望所のあるオーバーホルツOberholzに至ります。その先は徐々に下り道となり、歴史あるゲルザウ村に出てきますので、美しい湖岸に建ち並ぶレストランで軽食休憩をどうぞ。ゲルザウ村からは山手の道を西へ進んで再び高台へ登りますが、振り返るとゲルザウ村の背後にフローンアルプシュトック(写真)が、左手の湖の対岸にはニーダーバウエン・クルムの山が美しく眺められます。ウンター・レンクUnter Ränggの牧畜農家を過ぎ、湖の対岸にベッケンリート村を望みつつ西進すると、ウンター・リンデンUnter Lindenの農家前から北へ下ってフィッツナウ村に到着です。ここからは登山電車リギ・クルム山に上るのも良し、船着場から遊覧船に乗り込み客室で優雅に過ごすも良し、です。バスでブルンネン/シュヴィーツ方面やキュスナハト・アム・リギ駅へ出ることも勿論可能です。(2004年5月)


ビュルグレン Bürglen 〜 アルトドルフ Altdorf
(約30分) 地図
ビュルグレンはスイス建国時の伝説の英雄ヴィルヘルム(=ウィリアム)・テルの生誕地とされる村で、上記フリューエレンの駅前からウンターシェッヒェンUnterschächen方面行きのポストバスに乗ると、ウーリ州の州都アルトドルフを経て20分弱で到着します。村の中心部にテル博物館Tellmuseum(ヴァッティクヴィラー塔Wattigwylerturm)やテル噴水像Tellbrunnen等の見どころが集中していて、見逃せないのが聖ペーター&パウル教区教会Pfarrkirche St.Peter und Paulの脇に立つテル礼拝堂Tellskapelleです。小さな祠で内部には入れませんが、天井や内壁の全面にテルの物語をはじめとするフレスコ画が描かれています。ここからシェッヒェン川を渡って山裾を西へ歩けば、30分ほどでアルトドルフの町の中心、レーン広場Lehnplatzに至ります。その少し先にある町のシンボル、テル記念像Telldenkmal(写真)の近くからバスに乗れますが、その先を左折してバーンホーフ通りBahnhofstrasseを直進すれば、市街の西外れにある鉄道駅に出ることもできます。(2004年5月)

ウンテレ・バルム Untere Balm 〜 ラッツィ Ratzi (約2時間半) 地図1 地図2  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)


シュトース周辺散策 Stoos
(約1時間) 地図
シュトースはブルンネンの町の南東、フローンアルプシュトック山の北東山腹に位置する小さな村です。ブルンネンからモルシャッハ行きの路線バスに終点まで乗りロープウェイに乗り換えるか、州都シュヴィーツSchwyzからムオタ谷方面行きの路線バスをシュラットリSchlattliで降りてケーブルカーに乗り換え到着します。夏ならフローンアルプシュトック等への手軽な登山や、村の南側に広がる広大なアルプでのハイキングを楽しめますが、我が家が訪ねた春先は未だ残雪がいっぱいで(写真)、村の周囲の牧草地を散策してクロッカスの花を楽しむ程度が限界でした。村の北側にシュトースベルクStoosbergという小山があり、ここからはシュヴィーツブルンネン方面の眺望が楽しめます。(2004年5月)

クリンゲンシュトック山頂 Klingenstock 〜 フローンアルプシュトック山頂 Fronalpstock (約2時間) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)


リューティ Rüti 〜 モルシャッハ Morschach (約1時間) 地図
上記シュトース行きロープウェイの乗場からモルシャッハ村の中心部までの散策コースです。車道の南側に「パノラーマヴェークPanoramaweg」と名付けられた遊歩道が牧草地の中や農家の脇を縫って続いています。デーゲンバルム地区Dägenbalmまで来ると眼下にモルシャッハの村が一望できます。村にはレストランもありますので、休憩してから路線バスでブルンネンの町に戻りましょう。上述の「スイスの道」を辿って徒歩でブルンネンに下ることもできます。(2004年5月)


ローテンフルー山頂 Rotenflue 〜 ホルツエック峠 Holzegg 〜 シュヴィーツ Schwyz
(約2時間半) 地図
ローテンフルーはシュヴィーツの守護神的存在であるミーテン山の南東に位置する展望の良い小山で、シュヴィーツの中心街から20分ほど東へ歩いたリッケンバッハRickenbachから2015年に新設されたゴンドラリフトで上ることができます(2004年までは小さなロープウェイが通じていました)。シュヴィーツ発のオーベルイーベルク行き路線バスにイーベルガーエック峠Ibergereggまで乗り(所要約30分)、そこから約1時間のハイキングで行くこともできます(このパノラマ・ハイキングも楽しそうです)。草原に覆われたローテンフルーの山頂(写真、その少し下にレストランもあります)からミーテン山リギ山等の眺めを楽しんだら、北側斜面を下って尾根伝いにミーテン山直下のホルツエック峠へ(ローテンフルーから徒歩30分程度)。ここはミーテン山の登山口で、山岳ホテルと礼拝堂があり、北側のアルプ谷の村ブルンニからロープウェイも通じています(ブルンニ村からバスでアインジーデルンの町へ出られます)。峠から遠くにフィーアヴァルトシュテッテ湖を眺めつつ南斜面を下ると、振り返って見上げるミーテン山が迫力満点。樹林帯を抜けるとシュヴィーツの街並みが近く、そのまま美しい郊外の田園地帯に下りてきます。シュヴィーツの中心街には壁画に覆われた市庁舎Rathausバロック調の内装が美しい聖マルティン教区教会Pfarrkirche St.Martinスイス歴史フォーラムForum der Schweizer Geschichte連邦盟約文書博物館Bundesbriefmuseum、首長家系の邸宅であったイタル・レディング館Ital Reding Hofstatt、欧州最古の現存木造住宅であるハウス・ベートレヘムHaus Bethlehem等、歴史的な見どころが多いので、時間があれば是非お立ち寄りください。(2004年5月)

ローテンフルー山頂 〜 ホルツエック峠 〜 グロース・ミーテン山頂 Gross Mythen 〜 ブルンニ Brunni (約3時間半) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)


リギ山頂 Rigi Kulm 〜 リギ・カルトバート Rigi Kaltbad
(約1時間) 地図
リギはスイスで最も早く登山鉄道が敷かれた山として知られ、フィーアヴァルトシュテッテ湖周辺ではピラートゥス山と人気を二分する展望台です。ピラートゥスとは対照的に女性的な山容なので、一年を通してハイキングを楽しむことができます。国鉄の幹線駅アルト・ゴルダウArth-Goldauか、湖畔の村フィッツナウVitznauから登山電車に乗れば、山頂直下のホテルまで30〜40分で到着します。巨大な電波塔の建つ山頂(写真)からは、北側にツーク湖、東にセンティス山グラールナー・アルプス、南にテーディシェルホルンヴィントゲレンウーリ・ロートシュトック等の山々からベルナー・アルプスを経て西にピラートゥス山まで、360度の展望が楽しめます。ハイキングは、山頂駅から登山鉄道沿いの道を西へ緩やかに下っていきます。間もなく登山鉄道の分岐点シュタフェルStaffelの駅を過ぎ、右手にキュスナハト・アム・リギルツェルンの街を見下ろす断崖上の道を、ピラートゥス山を正面に眺めながら進みます。「ホテル・エーデルワイス」が建つシュタフェルヘーエStaffelhöheから南へ方向を変えて斜面を下っていくと、ピラートゥス山方面夕焼けが美しいカルトバートの村に至ります。ここからは登山鉄道で下山する以外にロープウェイでも湖畔の村ヴェッギスWeggisへ下りられますし、更に昔の山岳鉄道の軌道跡の道を辿ってリギ・シャイデックまで約2時間のハイキング(下記ご参照)を続けることもできます。(2007年1月)


ゼーボーデンアルプ Seebodenalp 〜 リギ・シュタフェル Rigi Staffel
(約1時間半) 地図
登山鉄道でリギ山頂直下まで登ってしまうのはつまらないという方にオススメのバリエーションコースです。ルツェルン〜アルト・ゴルダウ間に位置するフィーアヴァルトシュテッテ湖畔の町キュスナハト・アム・リギKüssnacht am Rigi駅で下車し、湖畔沿いに東へ20分ほど歩いた住宅街の中にロープウェイ乗場があります。小型のゴンドラに乗り込んで牧草地の斜面(写真)を上った先がゼーボーデンアルプで、山上駅の脇に山岳ホテルが建っています。ここから南東方向に見えるリギ山頂に向かって放牧場の中を緩やかに登って行きます。途中から針葉樹林帯に入って眺望は無くなりますが、ジグザグの道を登り詰めると不意に目の前にリギ・シュタフェル駅が現れます。ここから更に登山鉄道に沿って30分余り登れば(上記ご参照)リギ山頂です。(2013年4月)


リギ・シュタフェル 〜 リギ・シャイデック Rigi Scheidegg
(約2時間半) 地図
1931年までリギ・カルトバート〜リギ・シャイデック間を走っていた山岳鉄道「リギ・シャイデック・バーンRigi-Scheidegg-Bahn」の軌道跡を歩くハイキングコースです。線路跡の道は起伏が少なく、またコース上にレストラン等の休憩場所も多いので、冬でも安心して歩けます。私は上記のリギ・シュタフェル駅から登山電車の線路沿いにヴェルフェルチェン・フィルストWölfertschen-First駅を経由して軌道跡上の集落フィルストFirstに出ましたが、冬はシュタフェル〜ヴェルフェルチェン間の道がやや歩き辛いので、やはりリギ・カルトバートを経由するルート(上記ご参照)の方が良いでしょう。山腹に続く平坦な道を進んでいくと、かつての客車を改装した小屋が現れますが、その少し先にウンターシュテッテンUnterstettenの鉄橋(写真)があり、橋の上から眺望を楽しめます。その後ヴァイセンエック・トンネルWeisseneggtunnelを潜り、次第に緩やかな上り道となってリギ・シャイデックに到着します。シャイデックは支峰の頂にあたる場所で、360度の眺望が得られます。ここから南のゲルザウ村Gersau方面へ下る道もありますが、ロープウェイに乗り込んで北側のクレーベルKräbelに下れば、隣接する登山電車に乗り換えてアルト・ゴルダウ駅へ出ることができます。(2013年4月)

リギ・シュタフェルヘーエ Rigi Staffelhöhe 〜 ケンツェリ Chänzeli 〜 ドッセン山頂 Dossen 〜 リギ・シャイデック (約2時間半) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)


ザッテル Sattel 〜 ヴィルトシュピッツ山頂 Wildspitz 〜 ゴルダウ Goldau
(約6時間) 地図
上記アルト・ゴルダウ駅から北側(リギ山と反対側)に見える山がロスベルクRossbergです。登山鉄道やロープウェイは通じていませんが、リギ山と同様に比較的なだらかな山容のため、季節を問わず登山を楽しめます。アルト・ゴルダウ駅から登ると1,000m余りの標高差があるので、ビーベルブルックBiberbrugg(アインジーデルンEinsiedeln方面)行きのローカル電車に乗って2駅目のザッテル・エーゲリSattel-Aegeriで下車し(急行電車は停まらないので要注意)、ザッテル村を北西方向へ抜けて登り始めましょう。渓流沿いの森を登って行くとアイゲンシュタルEigenstallの牧畜小屋が現れ、眼下に眺望が広がります。牧畜小屋の少し手前から牧草地の斜面を登り、真新しい山小屋が建つハルゼックHalseggの尾根へ。ここから尾根伝いに西へ進み、切り立った岩の多いグヴァンデレンフルーGwandelenflueを経て、草原の丸い頂ラングマットLangmattに至ります。ここには屋根付きの休憩所があり、山塊東端の峰カイザーシュトックや最高峰のヴィルトシュピッツも見渡せます。一息入れたら尾根道を辿ってヴィルトシュピッツ山頂へ。南側に中央スイスの山々のパノラマ、北側にエーゲリ村方面の眺望を楽しめ、山頂直下の山岳ホテルで食事休憩ができます。更に尾根上を西へ進むと立派な十字架の建つ山塊西端の峰グニーペンGnipen(写真)で、北西側にツーク湖が一望できるようになります。ここからシュピッツィビュールアルプSpitzibüelalpの草原の西端に付けられた草花の多い下り道に入り、左手にグニーペンの頂から崩れたゴルダウアー・ベルクの迫力ある山腹、右手にツーク湖やリギ山を眺めつつ、ずんずん下ります。ヘルツィックヴァルトHärzigwaldの森を抜けると、テンマットTennmattの放牧地とガラヴェンタ社Garaventa(ロープウェイ製造会社)の本社前を通ってゴルダウ市街へ到着します。(2013年4月)


ザッテル 〜 モルガルテンベルク山頂 Morgartenberg 〜 ウンターエーゲリ Unterägeri
(約5時間) 地図
上記のザッテル村から東へ進み、カトリック教会の前を通って尾根の南側に広がる放牧地の中を東へトラバースしながら登ります(距離や高低差の点では、1駅先のビーベルエックBibereggからスタートして西へ登る方が近いですが)。オーバーモルガルテンObermorgartenの牧畜農家を過ぎると間もなく尾根上に出て、その少し西に見える十字架(写真)がモルガルテンベルクの山頂です。山頂への分岐まで戻ったら、エーゲリ湖を見下ろしながら北側斜面を下ります。針葉樹林帯を抜けた先の広々とした尾根クリ・モルガルテンChli Morgartenに現れる分岐を左折(右折すればローテントゥルム村Rothenthurmへ下ります)。間もなく再び分岐があり、右手へ進めばエーゲリ湖の東側の高台を北上するパノラマコースですが、我が家は左手へ進んでウーリ州の高峰群を眺めつつ牧草地を下り、エーゲリ湖の南岸にあるモルガルテン村Morgartenへ下山しました。この村の南側にある峠が、スイス建国時にスイス軍が勝利を収めた「モルガルテンの戦い」の舞台です。湖岸のホテル・レストラン食事休憩したら、エーゲリ湖の西岸を北へ進みます。ナースNaasの岬を過ぎると湖岸まで木立に覆われた遊歩道に入り、森を抜けると再び長閑な牧草地の湖岸が続きます。道が湖岸を離れて広大な草原の中に入れば、間もなくウンターエーゲリ村に到着です。ここからバスでツークZugまたはバールBaarの町へ出られます。(2004年5月)


アインジーデルン Einsiedeln 〜 ジール湖畔 Sihlsee 〜 エッツェル峠 Etzelpass 周遊
(約4時間半) 地図
上記ザッテル・エーゲリ駅の4駅北にあるビーベルブルック駅Biberbruggで支線に乗り換えると、スイス最大のカトリック巡礼地であるアインジーデルンに着きます(チューリッヒ湖畔のラッパースヴィールからは直通電車あり)。駅前の商店街を東へ抜ければ、すぐに巨大な修道院(写真)が現れます。内部を見学後、修道院の裏手に出て草原の丘に登ると、東側にジール湖の眺めが広がります。その湖畔へ下り、湖岸遊歩道を北へ。湖の北西端ヒュンダーマットHüendermattから船着場のあるブリューメネンBlüemenenを経てロブローゼンRoblosenの湿原を横断すると、ジール河畔Sihlに教会が建つエック村Egg SZに至ります。ここからジール川の右岸の斜面を北西へトラバースしながら登ればホテル・レストランが建つエッツェル峠で、北側にチューリッヒ湖を眺められますが、更にエッツェル山頂Etzelに登れば360度の眺望が楽しめる筈です(山頂にもレストランあり)。峠からチューリッヒ湖側へ下ることもできますが、我が家は南へ下って「悪魔の橋Tüfelsbrugg」で再びジール川を渡り、聖ガングルフ礼拝堂Kapelle St.Gangulfを経てアインジーデルンの町へ戻りました。(2004年5月)


ツーガーベルク山頂 Zugerberg 〜 オーバーヴィール Oberwil
(約2時間半) 地図
チューリッヒからルツェルンへ向かう路線の中間地点にツークZugの街があります。企業の誘致に積極的なツーク州の州都で活気があり、湖岸近くの旧市街も小規模ながら魅力的です。その市街の南東側に位置する低山がツーガーベルクで、駅前から11番のシェーネックSchönegg行き市内バスに乗ると、その終点から山頂近くまでケーブルカーが出ています。山上駅にはツーク湖を見下ろせるレストランが併設されていますが、東側にあるの脇を通って登れば15分ほどでホッホヴァハトHochwachtの頂(写真)に達し、ツーク湖ツーク市街は勿論、ピラートゥス山グレールニッシュ山塊等を含む360度の眺望が得られます。ここから東側のウンターエーゲリ村(上記ご参照)へ下ることもできますが、南に見えるホッホシュトックHochstockの電波塔を経由してヒュンギギュッチHünggigütschの西側を南下すると、放牧地のオーバーホルバッハOberhorbachに出ます。時間と体力があれば南へ直進してロスベルク山塊(上述)に登るコースも楽しそうですが、我が家はリーニスベルクLienisbergの分岐を右折し、ツーク湖畔へ下ることにしました。シュヌーリシュタインSchnuristeinの西側を回り込んで針葉樹林帯を下り、オーバーヴィール村の南にあるレープマットRäbmattの集落で湖岸のバス停に出ましたが、林道を北へ直進すればオーバーヴィール村の高台に建つ精神病院「クリーニック・ツーガーゼーKlinik Zugersee」の前に出て、そこから3番のバスでツーク市街へ戻れますので、こちらの道の方が楽に歩けると思います。(2004年5月)



【ルツェルン周辺】


メッケン Meggen 〜 ルツェルン Luzern (約1時間半) 地図
メッケンはルツェルンの東隣に位置する静かな住宅街で、ルツェルンからはアルト・ゴルダウ方面行きの電車(急行は余り停車しないので要注意)か24番の市バス、または遊覧船で行くことができます。メッケン・ツェントルムMeggen Zentrum駅から線路を潜って湖畔近くの道を西へ歩いて行くと、フィーアヴァルトシュテッテ湖に向かって張り出した岬に建つメッケンホルン城Schloss Meggenhorn(写真)に至ります。城の周囲に広がる葡萄畑からの眺望を楽しんだり船着場へ下ったりした後は、湖畔の遊歩道を辿ってルツェルン方面へ。ホテル・エルミタージュHermitageゼーブルクSeeburgの船着場を経て、「スイス交通博物館Verkehrshaus der Schweiz」前に到着します。ここから電車やバスに乗り込んでも良いですが、ルツェルンの中心街までは湖畔沿いの遊歩道を歩いても30分余りです。ルツェルン滞在中に数時間の空き時間があり、観光客の少ない静かな景勝地をお好みでしたら、メッケンホルン岬はオススメです。市バスで直接行くならレルヒェンビュールLerchenbühlが最寄りの停留所になります。(2013年4月)


ルツェルン 〜 ディーチベルク Dietschiberg 〜 ローターベルク Rooterberg 〜 リッシュ Risch
(約4時間半) 地図
ルツェルンの北東に続く丘陵地帯を歩くコースです。上記「スイス交通博物館」前から線路沿いに少しルツェルン市街方向へ歩くと「ディーチベルク」のバス停があり(ルツェルン駅前から市バスを利用するなら6番または8番に乗ってください)、その脇から線路を渡ったところにかつてケーブルカー駅だった建物があります。その裏手に残る軌道跡に沿って登り、ゲルリスベルクGerlisbergの草原の上手に建つ「聖アンナ修道院Kloster St.Anna」の横を通って、放牧場ゴルフ場が広がるディーチベルクの丘へ。フィーアヴァルトシュテッテ湖やシュタンザーホルン(写真)等の眺望が楽しめます。東へ進むと牧畜農家が点在するターラケリ地区Talacheriを経てアドリゲンスヴィール村Adligenswilに下ります。東側の丘を登り返し、ドッテベルクの南斜面に広がる牧畜農家群を通り過ぎてゲッツェ谷Götzetalを越えるとウドリゲンスヴィール村Udligenswilです。ここから北東方向のローターベルク丘陵の上へ緩やかに登ります。大きな農家が建つシフマンスホーフSchiffmannshofを経て、レストランのあるミヒャエルスクロイツMichaelskreuzへ。丘の上に建つ礼拝堂からリギ山やツーク湖等の眺望を楽しんだ後、北東へ下るとオーバータールObertalの農家を経てマイアースカッペル村Meierskappel。更に高速道路を越えて東へ進み、ツーク湖畔のリッシュ村に到着します。ここから路線バスでキュスナハト・アム・リギ駅へ出ることができます。疲れたらコース途中のどの村からでもバスに乗り込んでルツェルンへ戻れます。(2013年4月)


ヘルギスヴィール Hergiswil 〜 シュヴァンディ Schwandi (約1時間半) / アルプクシュヴェント Alpgschwänd 〜 フレークミュンテック Fräkmüntegg (約40分) / ピラートゥス山頂散策 Pilatus (約1時間) 地図 ⇒ ブログご参照 (2022年7月)
フレークミュンテック 〜 アイゲンタール Eigenthal (約1時間半) 地図 ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

ザンクト・ニクラウゼン St.Niklausen 〜 フリュエリ・ランフト Flüeli-Ranft 〜 ザクセルン Sachseln (約1時間半) 地図 ⇒ ブログご参照 (2022年7月)


ビュルゲンシュトック Bürgenstock 〜 エネットビュルゲン Ennetbürgen (約3時間) 地図
ビュルゲンシュトックはフィーアヴァルトシュテッテ湖の中央部に南側から張り出した半島で、湖上遊覧船に乗って行くのが便利です。ルツェルン港からなら僅か30分で着きますが、我が家は湖東端のブルンネン港から2時間余りの船旅を楽しみつつ出掛けました。ケールジテン・ビュルゲンシュトックKehrsiten-Bürgenstockの船着場にケーブルカーが待っていますので、これに乗り込んで山上の高級リゾートホテル「パルク・ホテルPark Hotel」前に上ります。ホテルの北側から湖を見下ろす断崖絶壁上の遊歩道「フェルゼンヴェークFelsenweg」を東へ歩き、途中で屋外エレベーター(写真)に乗ると、ハメッチヴァントHammetschwandの頂に上がれます。またはホテル前から車道を東へ暫く歩き、左手の山道を登っても行けます。ハメッチヴァントからはフィーアヴァルトシュテッテ湖が一望で、その対岸にピラートゥス山ルツェルンの街リギ山等を眺めることができます。充分に眺望を楽しんだら、尾根道を東へ下っていきましょう。ケンツェリChänzeliでフェルゼンヴェークと合流し、マットグラートMattgratの牧草地を過ぎると、やがてザンクト・ヨストSt.Jostの白い礼拝堂の上手に出てきます。ここから西へ折り返すように湖畔の村エネットビュルゲンへ下ります(歩き足りない方には、ザンクト・ヨストから更に東へ進んでウンター・ナースの岬を巡ってくるコースもあります)。エネットビュルゲンからは遊覧船にも乗れますが、連絡が悪かったらバスでシュタンスStansかベッケンリートBeckenriedに出る方が良いでしょう。(2004年5月)


シュタンス村内散策 Stans (約1時間) ブログご参照 (2022年7月)

シュタンザーホルン山頂 Stanserhorn 〜 グンメンアルプ Gummenalp 〜 ヴィルツヴェリ Wirzweli (約3時間半) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

ニーダーバウエン Niederbauen 〜 フンツコップフ Hundschopf 〜 ニーダーバウエン・クルム山頂 Niederbauen Chulm 周回 (約2時間半) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

ギッチェネン Gitschenen 〜 ヒンター・ヨッホリ峠 Hinter Jochli 〜 クレーヴェンアルプ Klewenalp (約3時間) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

ニーダーリッケンバッハ Niederrickenbach 〜 アルプボーデン Alpboden (約30分) / ハルディグラート Haldigrat 〜 ブリーゼン小屋 Brisenhaus 〜 ムーゼンアルプ Musenalp (約3時間) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

バンアルプ Bannalp 〜 ヴァーレック Walegg 〜 ブルンニ小屋 Brunnihütte (約4時間) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

エンゲルベルク Engelberg 〜 アー峡谷 Aaschlucht 〜 グラーフェノルト Grafenort (約2時間半) 地図1 地図2  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

クライン・ティトリス山頂 Klein Titlis 〜 シュトッツィック・エック Stotzig-Egg(往復約1時間) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

トリュプ湖畔 Trübsee (約30分) / ウンター・トリュプゼー Unter Trübsee 〜 ゲルシュニアルプ Gerschnialp (約30分) 地図  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)

フューレンアルプ Fürenalp 〜 スーレネン峠 Surenenpass 〜 ブリュシュティ Brüsti (約5時間) 地図1 地図2  ⇒ ブログご参照 (2022年7月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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