【ザルツブルク周辺(オーストリア)】 カンペンヴァント山 Kampenwand 〜 アシャウ Aschau (ドイツ、約2時間半) ミュンヘンからザルツブルクへ電車で移動する場合(所要約2時間)、そのほぼ中間地点に位置するのがキーム湖畔のプリーンPrien am Chiemseeの町です。教会脇の広場周辺は雰囲気が良いですし、湖上のヘレン島にルートヴィヒ2世が建てた城を観光しに行くこともできますが、ハイキングならローカル電車に乗り換えて南方の静かな村アシャウへどうぞ。駅前の道を南へ歩いていくと、牧草地が広がった先にホーエンアシャウ城が見えてきます。城の直下まで進み、道の左手に現れるカンペンヴァント山行きのゴンドラリフト乗場へ。レトロなゴンドラに乗って山頂駅メズラルン・アルムMöslarn-Almに上ると、北側にアシャウ村の向こうに広がる平原の眺望が、南側にオーストリア方面の山々の眺めが広がります。東に見えるゾンネン・アルム小屋Sonnen-Almの前を通って遊歩道を進むと十字架の建つ展望所があり、キーム湖を一望できます。更にシュタフェルシュタインStaffelsteinの脇を通って遊歩道「パノラマヴェークPanoramaweg」を東へ進み、シュタインリングアルム小屋Steinling-Almへ。近くの礼拝堂から眺望を楽しんだ後、来た道を山頂駅へ戻れば往復1時間ほどの軽い散策になります。カンペンヴァントの頂上(写真)まではシュタインリングアルムから往復1時間とのことですが、頂上付近は岩稜ですのでご注意ください。我が家は頂上には登らず、シュタインリングアルムから折り返すように下る道を辿って歩いて下山しました。途中からズルテン山の東斜面をトラバースする遊歩道に入り、ズルテン山の北側で林道に合流した後は、明るい森の中を川沿いに西へ下ってアシャウ村へ戻ってきます。春の森ではリュウキンカ、サクラソウ、ヤブイチゲ等の草花を楽しめます。(2011年4月) プレディクトシュトゥール山頂 Predigtstuhl 〜 ホッホシュレーゲル山頂 Hochschlegel (ドイツ、往復約1時間半) ザルツブルクの南西に位置するドイツの町バート・ライヒェンハルBad Reichenhallの南側に聳える展望台の山がプレディクトシュトゥールです。ザルツブルクのミラベル広場Mirabellplatz始発の180番の路線バス(中央駅前も経由します)に乗ってバート・ライヒェンハル市街手前のチロル門Tiroler Torバス停で下車します(電車ならフライラッシングFreilassingで乗り換えてキルヒベルク駅Kirchberg下車。どちらも所要50分程度)。西側を流れるザーラッハ川に架けられた橋を渡った先にロープウェイ乗場があり、レトロなゴンドラでザーラッハ湖やバート・ライヒェンハル市街を見下ろしつつ山頂直下まで引き上げてもらえます。山頂駅からひと登りするとプレディクトシュトゥール山頂で、ザルツブルク市街方面の眺望は勿論、西側にキームガウアー・アルペン、南側にヴァッツマン、グローサー・フンツトート、ホッホカルター等のベルヒテスガーデナー・アルペンの山々を眺められます。山頂から南側へ下るとシュレーゲルムルデ小屋Almhütte Schlegelmuldeがあり、軽食休憩ができます。小屋の前から出ているリフトのケーブルに沿った登山道を30分ほど登るとホッホシュレーゲル山頂(写真)で、プレディクトシュトゥール山頂からは見えにくかった南西側のライター・アルム山群やローフェラー・シュタインベルゲ山群も含めてほぼ360度の眺望が広がります。我が家はここから来た道を戻りましたが、時間があれば尾根伝いにドライゼッセルベルク方面へ歩いていくのも楽しそうですし、プレディクトシュトゥール山からロープウェイを使わずに下山ハイキングを楽しんでも良いでしょう。(2011年5月) ガイスベルク山頂 Gaisberg 〜 エーベナウ Ebenau 〜 プレッツ滝 Wasserfall Plötz 〜 コップル Koppl (約3時間半) ガイスベルクはザルツブルク市街の東側に位置していて、南側のウンタースベルクとともにザルツブルク市街からよく見える山です。市内バスでオーバーグニーグルObergniglまで行ってガイスベルク行きのバスに乗り換えると、20分ほどで山頂に到着です(便数は少ないですがミラベル広場からの直通バスもあります)。山頂からザルツブルク市街等の眺望を楽しんだ後は幾つもの下山ハイキングコースがありますが、我が家は巨大な電波塔の近くに建つ十字架の脇を通って東尾根の樹林帯を下りました。山腹周回コースの林道を横切って更に東へ下ると、クラウスベルクKlausbergという支峰の頂に出て、ここから折り返すように南西方向へ下れば牧畜農家が点在するオーバーヴィンクルOberwinklに至ります。更に南側に聳えるグルルシュピッツェの北麓の森を東へ抜けるとエーベナウ村です。エーベナウ村の中心には入らず、手前の水車小屋の辺りで左折して車道脇を北へ向かいます。やがて現れる「水辺の道Wasserweg」の案内標識に従って左手の山道に入ると、レッテンバッハの谷川沿いに水車小屋が点在しています。その奥にプレッツ滝(写真)があり、右手の道を登って滝の上に出られます。そのまま奥へ進むと、いきなり森が途切れて広大な牧草地が現れます。農家の脇を通って歩いていくとコップル村が近づいてきます。村の北側の車道にあるバス停からザルツブルク〜バート・イシュルBad Ischl間のポストバスに乗れます。(2011年5月) ツヴェルファーホルン Zwölferhorn 〜 ピルシュタイン山頂 Pillsteinhöhe 〜 イリンガーアルム Illingeralm 〜 ブルン Brunn (約3時間半) ザルツブルク中央駅前からバート・イシュル方面行きのポストバスに乗って約45分、ザルツカンマーグート地方Salzkammergutの玄関口とも言える村ザンクト・ギルゲンSt.Gilgenで下車します。大半の旅行客はヴォルフガング湖畔を目指して下っていきますが、バス停の隣のロープウェイ駅からゴンドラリフトに乗り込めばツヴェルファーホルンに上れます。山頂駅(写真)からはヴォルフガング湖やフシュル湖を美しく見下ろせますし、背後の尾根に設置された展望デッキに上れば南側にベルヒテスガーデナー・アルペン、ホッホケーニッヒ、テンネン山群、ゴーザウカム連峰、ダッハシュタイン連峰等のパノラマが広がります。尾根を西へ数分登った先がツヴェルファーホルンの山頂で、ここから一旦北側のフランツル小屋Franzl's Hütteへ下り、そこから山頂の西を巻く道を進んでアルニカ小屋Arnikahütteの前から眺望の良い南尾根の道に入ります。イリンガーベルクを正面に眺めつつ進むと、山頂駅から30分程でピルシュタインに至り、この山頂を巻いてツヴェルファーホルンへ戻るルートが手軽な散策コースとして人気です。もう少し歩きたい方はピルシュタインの南側で左折し、草花の多いピルシュタインアルムPillsteinalmからイリンガーアルムに下れば、レストランがあって軽食休憩ができます。イリンガーアルムから谷川沿いの道をシャーフベルクの頭を眺めつつ下ると、シュタインブラーベンアルムSteingrabenalmの放牧場を経てヴォルフガング湖畔に近いブルン村に出てきます(東隣にもう少し大きいアーバーゼー村Aberseeもあります)。ブルン村(またはアーバーゼー村)のバス停からザルツブルク〜バート・イシュル間のポストバスに乗れます。(2011年5月) ザンクト・ギルゲン St.Gilgen 〜 ザンクト・ヴォルフガング St.Wolfgang (約2時間) ヴォルフガング湖畔の散策コースです。上記ザンクト・ギルゲンのバス停から村中を下って湖畔の公園に出ます。北側に見えるモーツァルトの母親の生家Mozarthausの脇を通って湖畔を進むと、やがて家並みが途切れて静かな湖畔の遊歩道に入ります。湖の対岸にツヴェルファーホルンを眺めつつ歩ける快適な道で、約30分で雰囲気の良い湖畔の一軒宿フュールベルクFürbergに至ります。ここで休憩してから遊覧船に乗り込むこともできますが、物足りない方はその先の分岐を左折して森の中へ登っていきましょう。これは「聖ルパートの巡礼道St.Rupert-Pilgerweg」で、坂道を登り切った先にファルケンシュタインFalkensteinの教会(写真)が現れます。少し先に聖ヴォルフガングゆかりの泉を経て、峠からヴォルフガング湖を眺めたら、東側のリート地区Riedへ下って再び湖畔に出ます。雰囲気の良い民宿やホテルを眺めつつ東へ進んでいくと、シャーフベルク蒸気登山鉄道の駅前に至ります。湖畔のカフェで休憩してからシャーフベルクに上るも良し、歴史ある教区教会が建つザンクト・ヴォルフガング村の中心に向けて更に湖畔を10分ほど歩くも良し、です。帰りは「白馬亭Hotel Weisses Rössl」脇の船着場から遊覧船でザンクト・ギルゲンへ戻るのがオススメです。歩いてきたファルケンシュタインの険しい岩壁を湖から眺めることができます。(2011年5月) シャーフベルク山頂 Schafberg 〜 フォルマウアーアルム Vormaueralm 〜 ザンクト・ヴォルフガング (約3時間) 上記のシャーフベルク山頂からは南側にダッハシュタイン連峰、ホーエ・タウエルン山脈、テンネン山群とホッホケーニッヒからドイツのベルヒテスガーデナー・アルペンに至る山々を一望できるほか、ヴォルフガング湖・モーント湖・アッター湖等に囲まれたザルツカンマーグート地方らしい眺望を楽しめます。山頂レストランで食事休憩した後は、是非とも下山ハイキングに出掛けましょう。山頂駅の下手の分岐を右へ進むと登山電車の線路に沿った下山道ですが、我が家は左へ進んで登山電車の線路を渡り、支峰シュピンネリンの南斜面をトラバースしながら下りました(やや急斜面なので足許に注意してください)。樹林帯に入って暫く進むと、メーニッヒ湖Mönichseeが現れます。草花の咲く湖畔で休憩したら、南側へ続く広い尾根道を快適に進んでいきます。左手にシュヴァルツェン湖が見えたら間もなくフォルマウアーアルムの放牧場です。花畑越しに見るシャーフベルクの姿を楽しんだ後は、林道をジグザグに下って眼下に見えるザンクト・ヴォルフガング村へ下ります。(2011年5月) 前ゴーザウ湖 Vorderer Gosausee 〜 奥ゴーザウ湖 Hinterer Gosausee (往復約3時間半) ゴーザウ湖は世界遺産のハルシュタット村Hallstattの西方に位置する山間の湖です。バート・イシュルからハルシュタット湖畔経由の路線バスが出ていますが、ザルツブルクから出掛けるなら先ず中央駅からビショフスホーフェンBischofshofen方面行きの電車に乗ってゴリング・アプテナウ駅Golling-Abtenauで下車し、アプテナウ村Abtenau経由のゴーザウ村Gosau行きバスに乗り換える方が、バート・イシュル経由で行くよりも1時間ほど早く着けます(所要片道約2時間。乗換えが多くなりますが切符はザルツブルク〜ゴーザウ湖間をまとめて買えます)。ロープウェイ乗場前の終点バス停の先にレストランがあり、その前に前ゴーザウ湖が広がっています。左右どちらの湖岸を歩き始めても構いませんが、午前中は左手の道(北東岸)を進むと対岸のドンナーコーゲルをはじめとするゴーザウカム連峰を順光で眺められます。前ゴーザウ湖の南端を過ぎた先にフォルデレ・ホルツマイスターアルム小屋Vordere Holzmeisteralmがあり、更にゴーザウラッケGosaulackeという池の畔を経て、やや登り道がキツくなった先に草花の美しい湿地帯が現れます。間もなく奥ゴーザウ湖が見えてきますので、その湖畔を半周した先の南岸にあるヒンテレ・ゼーアルム小屋Hintere Seealmで軽食休憩をどうぞ。南岸ではダッハシュタイン連峰が前山に隠れて見えなくなってしまいますが、コップフヴァントの岩山を眺めつつ草原で小鳥と戯れてください。帰路は来た道を戻りますが、前ゴーザウ湖畔は往路と逆の南西岸を歩きましょう。ダッハシュタイン連峰(写真)は出発地点の前ゴーザウ湖北端から午後に眺めるのが最も美しく見えます。(2011年5月) ※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。 |