【クーフシュタイン周辺(オーストリア)】 クーフシュタイン城塞一周 Festung Kufstein (約30分) ミュンヘンからチロル地方へ電車で向かうと、オーストリアに入って間もなく小山の上に建つ城塞に見守られた町を通過しますが、それがクーフシュタインです。旧市街はごく小さく駅から近いので、少し時間がある日の散策に好都合です。 駅舎を出て正面の道を進むとイン川を渡って旧市街のウンテラー・シュタット広場Unterer Stadtplatzに入ります。左手に見えるバスタイ門Stadttor Basteiを潜って北へ進むと小さなショッピングセンターがありますので、買物目的ならそちらへお立ち寄りください。ウンテラー・シュタット広場の石畳を緩やかに登り、右手に見える市庁舎Rathausの手前を右折すれば城塞(写真)の入口です。小さなケーブルカーで城塞内へ上り、歴史関連の展示物や牢獄跡を観て、クーフシュタイン市街やイン川の眺望を楽しんだ後、階下の井戸や地下通路もお見逃しなく。入口へ戻ったら、聖ウィトゥス教区教会Stadtpfarre St.Vitusの脇を東へ抜けてオーベラー・シュタット広場Oberer Stadtplatzからキンク通りKinkstraßeを南下します。城塞の小山の南端で右折するとイン川沿いの遊歩道に出て、これを北上すれば城壁を潜ってレーマーホーフガッセRömerhofgasseに入ります。ウンテラー・シュタット広場へ戻るまでの短い小道ですが中世の雰囲気に溢れていて、ここの歴史あるレストランで食事したりお土産品を買うのも良いでしょう。(2017年8月) ブレンテンヨッホ Brentenjoch 〜 ガムスコーゲル山頂 Gamskogel 〜 カインドル小屋 Kaindlhütte 周遊 (約3時間) クーフシュタインの東には急峻なヴィルダー・カイザー山脈Wilder Kaiserが東西に延びています。クーフシュタインの町から出ている長いチェアリフト「カイザーリフトKaiserlift」を利用してその岩稜に近づいてみましょう。リフト乗場は市街の東外れにあり、鉄道駅から歩くと30分近くかかりますので、駅前から1番の市内バスに乗って「メラーナー通りMeranerstraße」まで行くのが便利です(市内に宿泊すれば無料でバスに乗れるゲストカードを貰えます。駅へ戻る逆方向のバスは2番なので要注意)。停留所から東へ歩くと山裾に山麓駅が見えてきて、隣にレストラン「リフトシュテューバールLiftstüberl」もあります。チェアリフトは1人乗りで、中間駅「ドゥクサー・アルムDuxer Alm」で乗り換えるとドイツ国境方面の眺望が広がり、約20分でブレンテンヨッホの山上駅に到着します。山上駅の隣にヤーンヒューゲル展望台Jahnhügelがあり、西へ数分歩いた先に建つヴァインベルガー小屋Weinbergerhausの前の小山からもヴィルダー・カイザー山脈等を眺められますが、南側へ少し下ると素朴な農家レストラン「ブレンテンヨッホアルムBrentenjochalm」があり、ここからの眺望が最高です。ハイキングはこのレストランの東にある分岐から尾根伝いの遊歩道に入り、先ずガムスコーゲルの頂を目指します。1時間足らずで大きなベンチや木彫の鳥が配された山頂(写真)に達し、ツァーマー・カイザー山塊や遥かシュトゥーバイアー・アルペンの峰々まで眺望が広がります。山頂から東へ下ると、牧草地の斜面をトラバースしながら圏谷の奥を巻くようにして岩稜の麓を進み、農家レストランがあるオーベレ・シュタインベルクアルムObere Steinbergalmの放牧地を経て、カインドル小屋に到着します。静かな山奥での軽食休憩を楽しんだ後は北へ進み、シュタインベルク小屋Steinberghütteの前を下って谷川を渡れば平坦な林道に出て、ブレンテンヨッホアルムに戻ってきます。(2019年9月) 【ツィラータール(オーストリア)】 ラッチェンアルム Latschenalm 〜 イスコーゲル山頂 Isskogel 〜 クロイツヨッホ山頂 Kreuzjoch 〜 ローゼンアルム Rosenalm (約5時間) ツィラータールのほぼ中央に位置するツェル・アム・ツィラー村Zell am Zillerの東側の山塊は「ツィラータール・アレーナZillertal Arena」と呼ばれるスキーリゾートですが、ここを東西に縦走するハイキングコースです。マイヤーホーフェン駅前始発のケーニヒスライテンKönigsleiten行きバス(ツェル駅前を経由します)に乗り、ゲルロス村Gerlosを過ぎた先の「イスコーゲルバーンIsskogelbahn」停留所で下車します。北側にある乗場からゴンドラリフトに乗り込み、山上駅の「アレーナ・ツェンターArena Center」へ。周囲はラッチェンアルムと呼ばれる広大な草原で、子供向けの遊技場もあります。西へ緩やかに登って貯水池の畔を通り、放牧場の斜面を登り詰めるとイスコーゲル山頂です。草原の頂からは南にライヒェンシュピッツェ山群等、西にトゥクサー・アルペン、北にキッツビューラー・アルペンの山々が一望でき、ここまではなだらかな道なので家族連れも多く登って来ています。イスコーゲル山頂から更に西進すると再び貯水池が現れ、その先は次第に岩場が目立ってくる尾根の本格的な登り道になります。東側のピークを乗り越した後は比較的平坦な尾根歩きで、右手にヴィルデ・クリムルの高層盆地、左手にインネラーテンスアルムの圏谷を見下ろしつつ、クロイツヨッホ山頂(写真)に至ります。ここはキッツビューラー・アルペンの最高峰で、南にライヒェンシュピッツェ山群やイタリア国境方面の峰々、西にトゥクサー・アルペン、東にドゥルラスボーデン人造湖やザルツブルク州の山々等、360度の眺望が楽しめます。景色を堪能したら、左手に山腹の湖沼群を見下ろしながら尾根を西へ下り、「アレーナ・シュタドルArena Stadl」を経由して「クロイツヨッホアルムKreuzjochalm」へ。どちらのレストランも夏期は営業していませんが、ここからツィラー谷を見下ろしつつ北寄りに下ればクロイツヨッホ小屋Kreuzjochhütteに至り、テラス席で軽食休憩ができます。折り返すように南寄りへ下ったローゼンアルムにも複数のレストランが営業しています。ここの山上駅からゴンドラリフト「ローゼンアルムバーンRosenalmbahn」でツェル・アム・ツィラー村の郊外へ下れ、山麓駅の前からマイヤーホーフェン方面行きのバスに乗れます。(2017年8月) ライマッハ Laimach 〜 カイルケラー滝 Keilkeller Wasserfall 〜 マイヤーホーフェン Mayrhofen (約4時間半) ツィラータール中部の滝巡りコースです。ツィラータール鉄道Zillertalbahnに乗り、ツェル・アム・ツィラー駅の南隣にあるライマッハ駅で下車します(車内の停車請求ボタンを押さないと通過してしまいますからご注意ください)。駅の東側に「ツィラータール地方博物館Zillertaler Regionalmuseum」がありますので、ご興味がありましたらどうぞ。歩道橋でツィラー川を渡って西へ進み、山裾に建つカフェ「タールバッハTalbach」の手前でタールバッハ川の左岸に渡って遊歩道を登って行くと、タールバッハ滝Talbach Wasserfallが見えてきます。遊歩道は滝の直下で右岸に渡ってカフェの上手の道へ出てきますが、そのまま山裾を南下するとライマッハ滝Laimacher Wasserfallへの分岐に至ります。更に山裾を南へ進み、シュナップスの蒸留所があるシュヴェントベルクSchwendbergの集落を経て、シュヴェンダウ村Schwendauの上手から下りミューレンMühlenの集落へ。ここから西へ登り返すと水車小屋Zimmerhäuslmühleの先から山道に入り、「ヴィルデ・マン・シュローフェンWilde-Mann-Schrofen」の岩壁を経てカイルケラー滝(写真)に至ります。滝の近くにツィラー谷を見下ろせる展望所もあります。ミューレンに戻ったら、ミュールバッハMühlbachの集落を経てツィラー河畔の遊歩道「ツィラープロムナードZillerpromenade」に出ます。これを南へ辿ると、頂に礼拝堂が建つ小山ブルクシュローフェンBurgschrofenの麓を経て、マイヤーホーフェン村に至ります。(2017年8月) ペンケンヨッホ Penkenjoch 〜 シュローフェンアルム Schrofenalm 〜 フォルダーラーナースバッハ Vorderlanersbach (約2時間半) マイヤーホーフェン村の中心部にある乗場から大型ゴンドラリフト「ペンケンバーンPenkenbahn」に乗り、眺望を楽しみつつ西側に聳えるペンケン山へ上ります。この山上駅から歩き始めても構いませんが、更に「コンビバーンKombibahn Penken」に乗り換えると山頂の東端まで難なく到着します。山頂駅の近くにレストラン「ペンケンアルムPenkenalm」が建ち、その手前は広々とした放牧場で、裏手に貯水池があります。ここから草原の中の砂利道(写真)を西へ緩やかに登ると、左手にシュティルップ谷やツェム谷奥方面の山々を眺めつつ、30分ほどでペンケンヨッホに至ります。「グラナート礼拝堂Granatkapelle」や子供向けの遊技場を併設した大型レストラン「グラナートアルムGranatalm」等が建ち並び、家族でのんびり過ごすのに最適な場所です。ここから更に尾根伝いに歩いて西のヴァングルアルムWanglalmへ向かうのも良さそうですが、我が家はレストラン「ペンケンテンネPenkentenne」の前からゴンドラリフト「フィンケンベルガー・アルムバーネンFinkenberger Almbahnen」に乗り込んでレストラン「アルムシュテューバールAlmstüberl」が建つ中間駅へ下り、その上手から始まる湿地学習路「自然界」Moorlehrpfad "Naturwelt"を歩きました。草原の斜面を西へトラバースして進むと木道で湿地帯を渡り、尾根の下手を廻り込めばバルバラ礼拝堂Barbarakapelleが建つシュローフェンアルムです。ここでハンモック型の椅子に座ってトゥクス谷の眺望を楽しんだ後、樹林帯を下って谷底のフォルダーラーナースバッハ村へ。村の中心部に建つローカルムードたっぷりのレストラン「カーザーマンドルKasermandl」で食事休憩してから、トゥクス谷の路線バスに乗り込みました。(2017年8月) アホルンバーン山上駅 Ahornbahn Bergstation 〜 エーデル小屋 Edelhütte (往復約2時間半) 「アホルンバーン」はマイヤーホーフェン村から南側の山腹へ通じている大型ロープウェイで、村の南外れにある乗場までは駅から歩けない距離でもありませんが、村内バスを利用すると便利です。山上駅の隣にはアホルン小屋Ahornhütte(食事休憩可)が建ち、周囲は牛が放牧された平原です。平原の北側にツィラータールやツィラーグルント方面を見下ろす展望所、南側にシュティルップ谷方面を眺める展望所、東側にアホルン湖Ahornseeという池があり、これらを1時間足らずで周回する遊歩道が整備されていますので家族連れの散策にも最適です。ハイキングはアホルン湖近くのゲートが出発点で、正面のフィルツェンコーゲルFilzenkogelに登頂するのも良いですが、人気があるのはこの北側山腹をトラバースして進んだ先に建つエーデル小屋を目指すコースです。尾根を廻り込んだ先に分岐があり、右手へ進めばフィルツェンシュナイト連峰の麓を進む上手の道、左手はホッホレーガーHochlegerの牧畜小屋と湿原を経由する下手の道ですが、どちらを選んでも所要時間は大差ありませんので往路と復路で別の道を選ばれると良いでしょう。エーデル小屋のテラス席(写真)で軽食休憩して戻るだけで物足りなければ、小屋から南へ登ってトレッケンコップフToreggenkopfまで往復してくるコース(小屋から往復1時間程度)があります。本格的な登山をお望みならアホルンシュピッツェAhornspitzeへの登頂(小屋から片道2時間)にご挑戦ください。(2017年8月) ツィラーグリュントル人造湖 Speicher Zillergründl 〜 プラウエナー小屋 Plauener Hütte (往復約3時間半) ツィラータールはマイヤーホーフェン村の辺りから奥が幾つもの支谷に分かれていますが、そのうち最も東側に延びている谷がツィラーグルントZillergrundです。マイヤーホーフェン駅前始発のバスで谷奥にあるダムStaumauerまで行けますが、ダム下のベーレンバートBärenbadから先は「ツィラータール・アクティブカード」を持っていても追加運賃と私道通行料が必要です(その代わりに谷奥のレストランで使える割引券を貰えます)。ダム脇の終点バス停からトンネルを潜ってツィラーグリュントル人造湖の奥へ向かいます。トンネルを抜けツィラーカールZillerkarから流れ下る急流を2本渡ると、ツィラーグリュントル人造湖の最奥部に建つホーエナウ・アルム小屋Hohenau Almが見えてきます。湖岸の道を直進すればこの小屋までダムから片道1時間ですが、我が家は途中から左手の山道に入りました。クーヒェルモースカールKuchelmooskarから流れ下るケースベッヒェ川Keesbächeを渡り、ゾンタークラーナーコップフSonntaglahnerkopfの北斜面を登り詰めていくとプラウエナー小屋に至ります。小屋に着く手前で折り返すようにゾンタークラーナーコップフの頂へ立ち寄れば、ツィラーグリュントル人造湖(写真)の対岸に連なるマグナー連峰を一望できると思います。プラウエナー小屋で食事休憩した後、余裕があれば背後の山ラインバッハケップフルRainbachköpflの登頂に挑戦するのも良いでしょう(案内標識によれば小屋から片道1時間)。帰路は同じ道を辿ってダムまで戻ります。バス停脇の岩の上にレストラン「アドラーブリックAdlerblick」が建っていますので、ここでダムを見下ろしつつお茶でもしながら帰りのバスをお待ちください。(2017年8月) ファルルックアルム Vallruckalm 〜 トーア湖 Torseen 〜 ラムスヨッホ峠 Ramsjoch 〜 グリューブルシュピッツェ山頂 Grüblspitze 〜 エックアルム Eggalm (約4時間) マイヤーホーフェン村から西へ延びているトゥクス谷Tuxertalの中心的な集落がラーナースバッハLanersbachです。マイヤーホーフェン駅前からヒンタートゥクスHintertux行きの路線バスに乗り、ラーナースバッハ村のエックアルム行きゴンドラリフト乗場前Eggalmbahnenで下車します。ゴンドラリフト乗場の斜め向かいにある観光案内所「トゥクス・ツェンターTux Center」の前から月〜金曜の朝に出発するハイカー向け乗合いタクシーWandertaxiを利用することができます(前日までに電話予約が必要)。乗合いタクシーの行き先は曜日によって異なりますが、最も山奥の行き先が北側の支谷を延々と遡った先にあるファルルックアルムの牧畜農家前です。ここからは西側の山腹にあるアイスカール湖Eiskarsee(片道1時間)を目指すハイカーが多いようですが、我が家は南東方向へ歩き出し、圏谷を左手に見下ろしつつネーダーヨッホベルクNederjochbergの北斜面をトラバースして進みました。小さな池を過ぎると間もなく尾根の突端ネーダーヨッホNederjochに至り、トゥクス谷の南側に並ぶ山々の眺望が広がります。尾根の南側へ廻り込み、ナッセ・トゥクスアルムNasse Tuxalmの最奥に建つ農家小屋へ下ってから、トーアバッハ川Torbachの谷を西へ登り返します。滝を渡った先で湿原が現れたら、分岐を南へ下ってトーア湖(写真)へ。湖畔からイム・ケッセルIm Kesselという圏谷を南下し、その奥の稜線上まで登り詰めればラムスヨッホ峠です。北側にトーア湖、南西側にユンスベルク圏谷、南にオルペラー山群、東にマイヤーホーフェン方面の山々という360度の眺望を楽しんだ後、南東側に見えるなだらかな山容のグリューブルシュピッツェに向かって下ります。尾根伝いに山頂の十字架へ登り返したら、トゥクス谷を見下ろしつつ北東側の尾根を下ってエックアルムへ。レストランの隣からゴンドラリフトでラーナースバッハ村へ下ります。(2017年8月) ゾンマーベルクアルム Sommerbergalm 〜 フラウエンヴァント山頂 Frauenwand 〜 トゥクサーヨッホ小屋 Tuxerjoch Haus 〜 ヒンタートゥクス Hintertux (約5時間) ツィラータール観光のハイライトはトゥクス谷の奥にあるヒンタートゥクス氷河Tuxer Fernerでしょう。マイヤーホーフェン駅前始発のヒンタートゥクス行きバスに乗ると、終点が氷河方面へのゴンドラリフト乗場です。3本のゴンドラリフトを乗り継いでゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンGefrorene-Wand-Spitzenの頂にある展望台まで上れ、晴れていればツィラーターラー・アルペンの山々を一望することができます(2本目以降のゴンドラリフトは「ツィラータール・アクティブカード」が効きませんのでご注意ください)。ハイキングは2本目のゴンドラリフトを降りた「トゥクス氷河小屋Tuxer Fernerhaus」から氷河の末端を下るコースもありますが、ここは緑が少なくて単調な道のように思えたので、1本目のゴンドラリフトを降りたゾンマーベルクアルムから歩き始めることにしました。 先ずは南西側に聳える尖峰レルムシュタンゲに向かって緩やかに登り、分岐で右手の道を選んでヴァイセ・ヴァントWeiße Wandの東斜面をトラバースしながら登ります。左手にヒンタートゥクス氷河を眺めつつ尾根上まで登り詰めるとカーゼラー・シャルトルKaserer Schartlという峠(写真)に至り、西側にカーゼラー・ヴィンクル谷方面の眺望が広がります。ここから尾根伝いに北上すれば眺望の良いフラウエンヴァントの山頂で、更にヴァイセ・ヴァント山頂を経由してから草原の中を下ってトゥクサーヨッホ小屋へ。ここのサンルーム席で高峰群を眺めながらの食事休憩がオススメです。 トゥクサーヨッホ小屋からは徒歩45分でゾンマーベルクアルム中間駅へ戻れますが、余裕があれば是非とも北側の草原を進む道へ。秀麗なエフナー・ホルンシュピッツェを間近に眺めつつ、ヴァイテンタールWeitentalという美しい谷へ入って行きます。谷底の道は小さな滝を眺める辺りで徐々に東へ向かい、右手を流れるヴァイテンタールバッハ川Weitentalbachが深い谷川になった先でシュライアー滝Schleierfallとなって流れ落ちます。滝の下を経由して再び草原の中を緩やかに下ると、右手の谷底にヒンタートゥクス村が見えてきます。ここからゴンドラリフトの山麓駅へ下っても構いませんが、我が家は山腹のトラバース道を直進してビッヒルアルムBichlalmのレストランに向かい、ここのテラス席で高峰群を眺めつつ休憩してからヒンタートゥクス村へ下りました。(2017年8月) シュレガイス人造湖 Schlegeisspeicher 〜 フリーゼンベルク小屋 Friesenberghaus 〜 オルペラー小屋 Olpererhütte 周遊 (約6時間) ツェム谷Zemmtalを遡った先、すなわちツィラータールの最奥部にあるのがシュレガイス人造湖です。マイヤーホーフェン駅前始発のバスに乗れば湖畔まで行けます(人造湖へ上る最終区間だけは「ツィラータール・アクティブカード」を持っていても追加料金が必要)。ダムの北側からドミニクス小屋Dominikushütteの脇を通って山道を登り、小さな川を2本渡るとフリーゼンベルクアルムFriesenbergalmの草地に出て、シュレガイス・ダムを見下ろせるほか、北西側にはゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンを意外な近さで見上げることができます。ここから尾根を東側へ廻り込み、ラーペンカールLapenkarという圏谷の奥に向かって北へ登って行きます。途中でラーペンカールバッハ川Lapenkarbachの左岸へ渡り、圏谷の最奥部へ登り詰めた先にフリーゼンベルク小屋が建っています。テラス席でツィラーターラー・アルペン最高峰のホッホファイラー等を眺めながら食事休憩をどうぞ。疲れを癒したら、西側に見えるフリーゼンベルク湖Friesenbergseeの畔へ下り、その先の急坂を登ります。ホーアー・リフラーを望む山腹のトラバース道に出たら、これをシュレガイス人造湖に向かって南下します。ツェムグルントの谷奥に並ぶシュヴァルツェンシュタインやオクスナー等の峰々を眺めつつ平坦な道を快適に進むと、やがてシュレガイス人造湖の全容を美しく見下ろせる尾根に出て、北西側にはオルペラーが見えてきます。小さな吊り橋(写真)を渡ったら、間もなくオルペラー小屋に到着です。グローサー・メーゼラー等、シュレガイス氷河を抱いた峰々を眺めつつ休憩しましょう。帰路はリーペンカールRiepenkarを流れ下るリーペンバッハ川Riepenbachの右岸に沿ってシュレガイス人造湖の西岸に下り、湖畔の舗装道路を辿ってダム近くのバス停へ戻ります。2つの山小屋を巡るこの周回コースが長過ぎるとお感じの場合、オルペラー小屋までの往復だけなら4時間以内で歩けると思います。(2017年8月) ブライトラーナー Breitlahner 〜 ベルリーナー小屋 Berliner Hütte (往復約6時間) 上記シュレガイス人造湖行きバスを終点の1つ手前の停留所「ブライトラーナー分岐Abzweigung Breitlahner」で下車し、近くに建つ山岳ホテル「ブライトラーナー」の前からツェムグルント谷Zemmgrundの奥へ向かいます。間もなくレストラン「クラウゼンアルムKlausenalm」を通過し、ツェムバッハ川Zemmbachの右岸に沿って進みますが、シュヴェムアルムSchwemmalmを過ぎると徐々に谷の東斜面を登る道となり、右手にグライナー山塊の眺めが広がってきます。疲れを感じたらグラヴァント小屋Grawandhütteで小休止した後、滝を眺めつつジグザグに登るとグラヴァントアルムGrawandalmに出て(ここまでは乗用車も入れる道です)、更に峡谷を抜ければアルペンローゼン小屋Alpenrosenhütteが建つ平原に至ります。ここから左手の山道に入り、右手にヴァクスエック氷河とグローサー・メーゼラーの眺望を楽しみつつ東進すると目的地のベルリーナー小屋に到着です。ホルン氷河とヴァクスエック氷河を同時に眺められるテラス席での食事休憩(写真)が最高ですが、歴史と風格を感じさせる小屋の内部もお見逃しなく。小屋から更に東の圏谷を遡ればシュヴァルツェン湖Schwarzensee方面への道ですが、湖までは更に片道1時間半かかり日帰りハイキングとしてはかなりの強行軍になってしまうので、シュヴァルツェンシュタイン氷河を眺められる分岐点辺りで引き返すのが無難でしょう。我が家はこちらには向かわず、代わりに「氷河の道Gletscherweg」という周回コースを歩きました。ベルリーナー小屋の南側に広がる岩原を横断したら、ツェムグルント谷の下流方面にトゥクサー・カムの高峰群を眺めつつ西寄りに進んでホルン氷河から流れ下る川を渡り、シュタインマンドル山の麓をトラバースしてヴァクスエック氷河の末端近くへ。西側のモレーン上に登ってからレストラン「ヴァクスエックアルムWaxeggalm」に下り、アルペンローゼン小屋近くで往路の道に戻りました。帰路は草花や蝶などを愛でつつ、時間の余裕を持ってブライトラーナー停留所まで歩きましょう。(2017年8月) ※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。 |