【スイス南部(ヴァリス州・ティチーノ州)】 「アンティーカ Antica」 (オーバーヴァルト Oberwald) https://www.antica-ferien.ch/ オーバーヴァルトはヴァリス州の東端、ゴムス谷Gomsの最奥に位置する静かな村で、アンデルマットにも近く、中央スイスの峠巡りを楽しむのに好都合な場所です。フルカ山岳蒸気鉄道もこの村まで全線開通しました。「アンティーカ」は村の南側ウンターヴァッセルンUnterwassern地区の中央付近に建つシャレーで、駅からは徒歩で10分ほど掛かりますが、入退居の際は3階に住むオーナー老夫婦が車で送迎してくれます。近くにスーパーとパン屋がありますが、パン屋は開いている曜日と時間帯が限られていて要注意です。賃貸用アパートとして1階に「アルファ」、2階に「ベータ」・「ガンマ」の計3室があり、室内設備は殆ど同じですが、我が家は最も明るい部屋だと言われた「ベータ」を選びました。リビングとキッチン・ダイニングが一緒になった大部屋と、ダブルベッドの寝室、バスルーム(シャワーのみ)という構成で、キッチンの外に小さなバルコニーもあります。内装は小綺麗で心地良く、インターネットも快適に繋がりました。階下の洗濯設備が自由に使え、ガレージに置いてある数台のマウンテンバイクにも無料で乗れます。オーナー老夫婦は気さくな方で、「お茶しにおいで」と熱心に誘ってくださったので3階にもお邪魔しました。英語は余り得意じゃないですが、予約手続等はチューリッヒ在住の息子さん(東京での勤務経験もあるそうです)が英文メールでサポートしてくれます。(2009年9月宿泊) ガストハウス・ヴァリザー・カンネ Walliser-Kanne (フィーシュ Fiesch) https://www.restaurant-strauss.ch/ フィーシュはゴムス谷の中心的な村で、アレッチ氷河の展望台エッキスホルン行きのロープウェイが出ているほか、イタリア国境に近いビン谷方面へのバスの起点でもあります。「ヴァリザー・カンネ」は村の北側斜面にある鉄道駅に面していて、駅のホームから僅か数秒(!)という近さです(※1)。1階はレストランで、2階にダブルルームが5つあるだけの小さなホテルですが、部屋は天井の白木が心地良く、使いやすいバスルーム(シャワーのみ)と眺めの良いバルコニー(我が家は南向きの部屋に泊まりました)もあって、機能的に全く問題ありません。フロントでキー・コードを教えてもらえば無線LANも使えます。ここで絶賛したいのはレストランでの夕食で、駅前によくある安っぽいカフェの類かと思ったら大間違い。オーナー・シェフ(※)は数々のコンテストで入賞した実績を持っていて(階段に沢山の賞状が飾られていました)、料理はこれまで我が家がスイスで食べた中でも最高と言える内容でした。これだけの質の食事が普通のハーフ・ペンションの料金で楽しめるのは驚きで、是非とも近いうちに再訪したいと思ってきましたが、どうやら2011年2月からオーナーが変わってしまったようです。我が家が泊まったときには経営5年目と聞きましたが、採算が取れなかったのか、それとももっと良い場所に移られたのか、いずれにしても残念です(※2)。(2009年9月宿泊) ※1 【追記】 2019年にフィーシュ駅が移転したため、現在では駅から徒歩で5分程度かかります。また名称が「ホテル・シュトラウス STRAUSS」に変更されたようです。 ※2 【追記】 元オーナー・シェフのフリードリヒ・ツェマネック氏は、2010年末にバーゼル市内に「マティス」というレストランを開業してそちらで活躍されていましたが、残念ながら翌2011年10月に51歳の若さで急逝されたようです。ご冥福をお祈りします。 クリーツァー・ハウス Cricer-Haus (フィスプ Visp) http://www.ferienwohnung-cricer.ch/ 2007年にレッチベルク・ベーストンネルが開通して以来、フィスプ駅はオーバーヴァリス地方(ヴァリス州東部のドイツ語圏)の玄関口として利便性が飛躍的に高まりました。フィスプは産業の町で観光のイメージは薄いですが、駅から南へ延びる商店街を5分ほど歩いて行くとカウフ広場Kaufplatzに至り、その先に小規模ながら歴史を感じさせる旧市街があります。クリーツァー・ハウスはカウフ広場から石畳の坂道を西へ少し登った場所に建つ16世紀建造の建物で、その最上階が短期滞在者向けに貸し出されています。「かんぬき」の掛かった入口ドアを開けると石造りの螺旋階段があり、一段毎に高さが異なるので躓かないよう注意しながらこれを昇って(日本式で言う)3階へ。ベッドになるソファ2脚とテーブルが置かれた広いリビングルーム、設備の整ったダイニング・キッチン、2人用の寝室、バスルーム(シャワーのみ)、別にもうひとつのトイレ、洗濯機と物干しロープのある納戸という構成。建物が古いため床が傾いたり波打ったりしていて、リビングの壁にはオーナーの家系図とご先祖様の遺影が掲げられ、壁時計は止まったままですけど、重厚な石造りのため静かで涼しくて、郷土博物館のような昔ながらの内装は意外に落ち着きます。バルコニーはありませんが、小高い丘の途中に建っていて地階が半地上のため、窓からの眺望は4階以上の印象です(山々が眺められますし、夜景も綺麗です)。この家で生まれ育ったと思われるオーナーは現在チューリッヒ郊外にお住まいで、英文メールで迅速にやり取りができるうえ、近所に住んでいるイヴォンヌさんという若い娘さん(オーナーの親戚?)が人懐っこい愛犬のリラと一緒にやって来て、設備の説明やゲストカード発行等の世話をしてくれます。宿泊料金は2週間以上滞在すると割引になり、クレジットカードでの支払も可能でした。(2022年8〜9月に宿泊) ホテル・アルプフーベル Alphubel (サース・フェー Saas Fee) 村から見る山の景観では、マッターホルンだけのツェルマットより、氷河の峰に囲まれたサース・フェーの方が数段上です。ホテル・アルプフーベルは、バス・ターミナルから村の中心と反対方向にある駐車場を越えた場所にあります。さほど遠くありませんが、電気自動車で送迎してくれます。ちょっとした高台にあるので、部屋のバルコニーに座って見る景色は最高。朝食には珍しく卵料理を自分で作れるサービスがあり、また夕食はフォンデュ・シノワーズやラクレットといった郷土料理が振舞われます。オーナーは宿泊客の相手をするのが好きでたまらないといった感じの山岳ガイドの親父で、夕食時には必ずすべての席を自ら回って挨拶しますし、ヒマラヤに登った時のビデオ上映会を開いたりもしてくれます(単に自己満足のためのようですが…笑)。オーナーはスイス民俗音楽の楽団員でもあり、お土産に演奏テープをくれました(但し余り上手くありません)。親父が趣味に没頭している分、ホテルは愛想の良い奥さんが一人で切り盛りしています。団体客の利用はありますが、日本人は比較的少ないようです。コスト・パフォーマンスの点で絶賛できるお勧めホテルです。(1998年6月宿泊) ※【追記】 残念ながら2022年10月に営業を終了したようです。 「アヴェーナ Avena」 6号室 (サース・フェー) https://www.arizona-avena.ch/ サース・フェー村の中心部に建つ休暇用アパートで、この建物の1階にスーパーマーケット「COOP」がある(別のスーパー「ミグロ」もすぐ近く)という何ともありがたい立地です。バス・ターミナルからも徒歩数分ですが、チェック・インとチェック・アウトの際は電気自動車で送迎してもらえます。我が家が滞在したのは4階(最上階)の2人用の部屋で、設備の整ったキッチンのあるリビング・ダイニングの他に、寝室とバスタブ付きのバスルームがあり、床面積は40uとこじんまりしてますが、窓が大きくて狭苦しさは感じません。リビングだけでなく寝室にもテレビがあるのが嬉しいです。バルコニーも両方の部屋にあり、特に寝室側のバルコニーは広くてテーブルと椅子が置かれているので、ここでミシャベル連峰やラッキンホルン等の山々を眺めつつ食事やお茶を楽しめます。無線LANも無料で快適に使えました。他に4人用の部屋もあります。オーナー夫妻はフェルスキン行きゴンドラリフト乗場の近くに住んでいて、賃料等をそちらへ支払いに行く必要がありました。その建物「アリゾナArizona」にもワンルーム型から4人用まで様々なタイプの貸アパートが揃ってます。(2009年7月宿泊) グランドホテル・ツェルマッターホーフ Zermatterhof (ツェルマット Zermatt) https://www.zermatterhof.ch/ ホテル・モン・セルヴァンと並び、ツェルマットでは最高級とされる五つ星ホテル。レストランはさすがに正装しないと入りにくい雰囲気ですが、フロントや部屋の内装は比較的カジュアルな感じで、意外と肩は凝りません。但しその反面、料金に見合っているのか多少疑問も感じます。部屋の窓から前庭越しに見るマッターホルンは美しいですが、マッターホルンが見えない部屋も結構多そう。中流階級の日本人がうようよしているツェルマットでわざわざ五つ星ホテルに泊まるメリットは、「私はツェルマッターホーフに泊まってるのよ」と見栄を張れる以外には見出しにくい気がします。もっと安い料金で同等以上の居心地が得られるホテルは他に幾らでもあります。(1996年9月宿泊) ホテル・ブリストル Bristol (ツェルマット) https://www.hotel-bristol.ch/ インターネットのホームページに部屋の窓からマッターホルンが正面に見える様子を載せていて、これが気に入って予約したホテルです。最上階のジュニア・スイートの部屋は改装してあって新しく、リビングスペースに座るとホームページどおりマッターホルンが望めます(写真)。屋根裏部屋風の細長いバスルームも雰囲気はまずまず。問題は日本人団体客の多さと、個人客への配慮が足らないこと。特にレストランで日本人団体客を中央奥に座らせ、個人宿泊客を入口付近の席にしているのは不愉快です。団体客を奥に配置するのは良いとしても、正規料金を支払っている個人宿泊客は更に奥まった窓際等の静かな席に案内するのが礼儀というものでしょう。入口近くでは料理皿を運ぶスタッフやトイレに立つ団体客(どうして日本人は食事の間に席を立つ人が多いのでしょうか)がひっきりなしに傍を通るので落ち着きません。ホテルによっては団体客との間に距離を設けたり壁で仕切ったりして配慮していますし、宿泊客用と外来用のレストランが別になっているところも多いです。これは勝手な推測ですが、このホテルは二代目の若いオーナーが経営改善のために改装投資を行う一方、インターネットも活用して旅行代理店との取引を増やしたのではないでしょうか。事実フロントの奥では若い経営者風の男がパソコンに向かっていましたが、宿泊者に挨拶する素振りは見られませんでした。フロントでは団体客と間違われ、またジュニア・スイートの部屋は滅多に使われていないのか、到着した時には電源のブレーカーが落ちていました。団体客中心の運営になっている証拠でしょう。(1998年6月宿泊) アパートメントハウス「ダン・ブランシュ Dent-Blanche」 (ツェルマット) https://zermattholidays.com/ ツェルマット村の中央部ヒンタードルフHinterdorf地区に建つ6階建ての大型シャレー。中心部といっても大通りからは少し離れていて、周辺には「鼠返し」の付いた農家倉庫が残された静かな環境です。スーパーの「ミグロ」やパン屋が近くて便利。我が家は当初最上階の2人用の部屋(ジャクージバス付き!)を予約していましたが、その後に旅行時期を延期したため最上階には先約が入ってしまい、仕方なく3階の部屋を利用することにしました。リビングとキッチン・ダイニングの繋がった広い部屋(双方を仕切ることもできます)と、廊下を挟んで寝室とバスルームがある77uのアパートで(おぉ我が自宅より広いぞ!笑)、リビングの壁から収納ベッドを引き倒せば4人でも泊まれます。リビング・ダイニングの外には南向きのバルコニーがあり、テーブルと椅子も置かれているのでマッターホルンを眺めながら外で食事ができます(午後は備え付けのパラソルを広げると快適!)。バルコニーから西側を眺めるとトリフトバッハの谷が正面で、エーデルワイス小屋がよく見えるほか、谷の上にオーバー・ガーベルホルンの支峰ヴェレンクッペの白い頭が覗いているのも面白いです。2階の階段脇にはガイドブック等の置かれた書棚があり、自由に部屋に持ち込んで読むことができます。白木造りの内装が心地良く、リゾート滞在気分を満喫できました。他に4〜6人用の部屋もあります。 土曜日からの1週間単位での滞在が原則ですが、4泊以上なら交渉可能。建物入口の右手に管理小屋があり、一日おきくらいにオーナーが詰めているので相談事や支払もスムーズです(このマーサ・スチュワート似の女性オーナー、英・仏・独語が堪能なうえテキパキ・サッパリしたご性格で、大変に好感が持てました)。料金は他の休暇用アパートに比べてやや高めですが、内容に照らせば充分納得できますし、これでもホテル滞在に比べれば随分とおトクです。(2005年9月宿泊) ハウス・マウリツィオ Maurizio (ツェルマット) https://www.maurizio-zermatt.ch/ ツェルマット村の中心部に建つ貸しアパートです。スーパー「ミグロ」のすぐ近くという便利な立地ながら、通りから一歩入った場所なので静か。古そうな建物ですが(エレベーターはありません)、2階(日本式では3階)にある短期賃貸用のアパートは改装してあって綺麗です。2人用寝室が2部屋付いた4人用のアパートが2つあり、我が家は寝室が2つとも南向きの方を選びました。寝室はどちらも充分な広さがあり、外側にテーブルセットが置かれた広いバルコニーが付いていて、古い農家小屋が建ち並ぶヒンタードルフ地区に面しているので向かいに高い建物が無く、朝焼けのマッターホルンをスッキリ眺めることができます。北側にはテレビが置かれたリビングルーム(ちょっと狭いのが残念)と、設備の整ったキッチン・ダイニングがあり(カプセル式のエスプレッソマシンが置いてあって重宝しました)、その隣がバスルームとトイレです(別々になっているのが嬉しいです)。オーナーはこの建物の1階にお住まいの老夫婦で、宿泊者の応対は英語が堪能な奥さまが担当されています。予約時に宿泊料金の30%をデポジットとして送金しましたが、到着後に残金を現金でお渡ししたら「端数は要らない」と20フラン札を返され、おまけに翌年のカレンダーや「フックス」のマッターホルン型チョコレートまで頂戴してしまいました。ツェルマット村の観光施設や各種アトラクションの半額割引チケットも頂戴し、このときは中学生の姪っ子を連れていたので大助かりでした。(2018年8月宿泊) トゥルムホテル・グレヒャーホーフ Grächerhof (グレヒェン Grächen) https://graecherhof.ch/ グレヒェンは、ツェルマットに向かうマッター谷の途中の村ザンクト・ニクラウスSt.Niklausからポストバスで20分余り上った高台にある、こじんまりした雰囲気が心地良いリゾートです。グレヒャーホーフはバス乗場脇の道を上ればすぐ、名前のとおり丸い塔を持つ建物です。ホテルからは改装済みのツインルーム「アルペンコムフォルトAlpenkomfort」を勧められましたが、バルコニーが無いのが気になって、敢えてスタンダードルームを選びました。案内されたのは最上階の角部屋で、バルコニーが南側と西側に跨っているので、ビーチホルン方面とヴァイスホルン方面のほか、ゼータールホルン方面も眺められます。部屋の造りで面白いのは、ちゃんとバスルームがあるのに部屋の中にも洗面台があること。恐らく元はバス無しだったものを、後でバスルーム付きに改装した名残りなんでしょう。テレビが天井近くに備え付けられている点(安宿によくあるタイプ)は余り好みではありませんが、充分快適に過ごせました。丸塔の中には家族向けのデラックスルームがあるようです。 レストランの料理の質もなかなか高かったです。ジビエ料理も得意なようで、外来客の多くはジビエをオーダーしていました(ハーフペンションの夕食メニューにジビエは無いので、2食付にしなければ良かったかなと、ちょっと後悔しました)。ちょうど村では民俗音楽フェスティバルをやっていて、夜にはレストランに楽隊が入れ替わりでやってきて生演奏を聴かせてくれました。ただ、レストランはオーナー夫妻の母親らしき婆さんが仕切っているのですが、この人、英語が喋れません。注文は他のスタッフが聞いてくれますので不自由はありませんが、婆さんはドイツ語を話せる客にしか挨拶しないので、少々疎外感を覚えます。(2005年9月宿泊) ホテル・アイーダ・カステル Aïda Castel (クラン・モンタナ Crans-Montana) クラン地区とモンタナ地区の中間辺りに位置し、広いバルコニー付の南向きの部屋からヴァリス・アルプスの遠景を楽しめるホテルです。シャレー風の大きな建物2棟から成っており、双方に繋がる半地下がレストランという構造。60部屋以上ある四つ星ホテルですが、夏はハイシーズンではないため余り騒々しさは無く、大通りから少し外れているので静かです。 ローヌ川の南に延びるアニヴィエ、エラン、エレマンス等の谷はハイキングの目的地として魅力的ですが、隣の谷へ移動するためには徒歩で峠を越えない限りローヌ河岸のシエールやシオンの街へ戻らなければなりません。滞在地を変えずに幾つもの谷を訪ね歩くため、暑くて眺望の利かないローヌ河岸の街に滞在するよりはと、北側の山腹にあるクラン・モンタナのホテルを選んだという訳です。ただ、クラン・モンタナは夏もゴルフ等の高原スポーツを楽しむ金持ちのためのリゾートという雰囲気で、個人的には好みに合いません。やはりどれかひとつの谷間に焦点を絞って山あいの村に滞在する方が良いかも…。(2001年6月宿泊) ※【追記】 2014年に「改装のため一時閉鎖」とアナウンスされましたが、その後も営業を再開していないようです。 「ビブロス Byblos」 15号室 (クラン・モンタナ) https://solalp.rentalp.com/ クラン・モンタナでは最大手の不動産業者ソラルプ社が運営する休暇用アパートのひとつ。「ビブロス」はモンタナ地区の中心街から徒歩3〜4分の便利な場所に建つ真新しい建物で(最寄りのバス停はヴィクトリアVictoria)、15号室はその3階にあります。キッチンとダイニングスペースを含む暖炉付きの広いリビングと、隣の寝室から成る50uの部屋で、バスルームも快適。何より南向きの大きなバルコニーが嬉しく、我が家は毎夕ここで夕陽に輝くヴァイスホルン等の山々を眺めながら夕食を楽しみました。建物内に管理人は常駐していないので、鍵の受渡し等の手続きはグルノン湖畔にあるソラルプ社の事務所まで出向くことになります。また予約時に賃料の半額に加えて500フランをデポジットとして払い込むよう請求され、賃料の残額も滞在10日前に支払う必要があります(500フランは部屋を点検して問題なければ滞在終了後2週間以内に返金される仕組みです)。クレジットカードで決済できるので余り面倒はありませんが、予め賃料の約1.5倍を支払わされるのはちょっと…という気もします。(2007年9月宿泊) ホテル・ラ・ポワント・ド・ジナール La Pointe de Zinal (ジナール Zinal) https://lapointedezinal.ch/ ジナールはアニヴィエ谷最奥の静かな村で、ヴァイスホルンやツィナールロートホルン等の秀峰をツェルマットの反対側から眺める位置にあります。美しい眺めを堪能したハイキングの帰り、我が家は不覚にもソルボワからの最終ロープウェイに乗り遅れ、お蔭でジナール発の最終バスにも乗れず急遽ジナールに泊まる羽目になりました。宿を選ぶ心の余裕も無く、バス停近くで「空室あり」の看板を出していたこのホテルに転がり込んだという訳です。案内された部屋はシンプルながら温かい雰囲気で、清潔なバスルームが嬉しかったです。眺望は限られますが小さなバルコニーも付いていました。1階には広いレストランがあり、メニューを見るとピザとフォンデュ料理が得意らしかったので両方を1品ずつ注文しようとしたら、「2人ならどちらか1品で充分」と諭されました。「商売っ気の無い店員だなぁ」と思いましたが、出てきたフォンデュ・シノワーズのボリュームを見て納得。肉はおかわり可能でしたが、最初の皿を平らげるだけで精一杯でした。(2007年9月宿泊) ホテル・エルミタージュ Hermitage (エヴォレーヌ Evolène) https://hermitage-evolene.ch/ エヴォレーヌはエラン谷のほぼ中央に位置し、古い木造家屋が建ち並ぶ、歴史を感じさせる村です。その中でもノスタルジックなムードに溢れているのが、村の中心部に建つこのホテル。先ず玄関口に置かれた天蓋付ベッドと揺りかごや糸巻き等のアンティークな器物が雰囲気を盛り上げてくれます。案内されたのは最上階の広い17号室で(エレベーターが無いので大きな荷物を持っていると4階まで石造りの階段を上がるのが大変)、窓からはダン・ド・ヴェージヴィ等の山々が眺められました。部屋のドアの鍵穴は昔の蔵を思わせる重厚な造りで、リモコンの無い旧式テレビにボンヤリ映るのは国営放送のみ、床が微妙に傾いているのもご愛嬌。但しバスルームは近代的(笑)なのでご安心を(でもバスタブにシャワーカーテンが無くてちょっと使いづらいです)。建物の北側に広い庭あり。ホテル内にレストランはありませんが、朝食は1階の広間で供されます(宿泊者以外にも朝食を提供しているようです)。エヴォレーヌ村には質の高いレストランが幾つもあるので、夕食には困りません。我が家は近くの「ド・ラ・ペDe la Paix」というレストランで美味しいジビエ料理を堪能しました。(2007年9月宿泊) ホテル・モン・フォール Mont-Fort (オート・ナンダ Haute-Nendaz) ヴァリス州の州都シオンの駅前からポストバスに乗って約30分、ローヌ谷を見下ろす高台の静かなリゾート村がオート・ナンダです。村の周辺の山腹にビスと呼ばれる灌漑用の用水路が幾つも作られていて、それに沿った遊歩道は起伏が少なくて歩きやすいハイキングコースです。また秀峰グラン・コンバンを間近に眺められる展望台モン・フォールへのアクセス拠点としても便利です。 展望台と同名のこのホテルはオート・ナンダ村の中心にあるロータリーから少し車道を上った場所に建っています。部屋毎に壁の色が異なり、白木の部屋を予約していたのに、案内されたのは青の部屋でした(ホテルのウェブサイトに最近改装した旨の説明があり期待していたのですが、部屋の壁を塗り替えて液晶テレビを設置した程度にしか見えず、少しガッカリしました)。バスルームはまずまずですが部屋がやや狭苦しく、通りと反対側に面した部屋だったためバルコニーからの眺望も無し。オフ・シーズンだったこともあり、宿泊初日の夜はホテル内のレストランが休業で、「他のホテルのレストランに行くか、コックは来ているのでルームサービスなら対応可能」と言われ、その狭い部屋で夕食を摂りました。でも料理の方は意外にも(笑)質・量とも充分に満足できる内容でした。なおクレジット・カードでの決済は受け付けていないようで、予約時にデポジットの送金を要求されましたが、日本からの送金には多額の手数料が必要である旨を説明したら免除してくれました。(2007年9月宿泊) ※【追記】 営業を終了したようで、ウェブサイトも閉鎖されています。 ヴァレジア Valésia (マルティニー Martigny) https://www.airbnb.jp/rooms/830814787122413842 マルティニーはヴァリス州西部の中心地で、各方面へ電車やバスが発着する便利な街です。但し中心街が駅から少し離れていて、教区教会の隣に建つこの集合住宅も駅から徒歩で7〜8分かかりますが、商店街が近くて買物は楽です。滞在した貸アパートは最上階(日本式で言う4階)で、設備の整ったキッチンや大きな丸テーブルが置かれたリビング・ダイニングと、2人用の寝室、その奥に洗濯機付きの物凄く広いバスルームがあり、洗濯物を干す場所として重宝しました。全体的に統一感のある上品な内装で気分が落ち着きます。コーヒーカプセルや洗剤類等の消耗品が豊富に用意されているのもありがたかったです。バルコニーはありませんが部屋の窓からバティア城を含む眺望を楽しめ、1階のワインバーが夕刻には賑やかなものの、中心街の割に夜は比較的静かでした。オーナーと面会する機会はありませんでしたが、問合せ等に対しては常に迅速に返信がありました(但しフランス語オンリーなので自動翻訳機能を使う必要があります)。(2024年6〜7月に宿泊) レジデンス 「グラン・コンバン Grand Combin」 2.1号室 (シャンペ・ラック Champex-Lac) https://immoalp.ch/property/residence-du-grand-combin-2-1/ 上記のマルティニーから南へ向かう地方鉄道に乗り、終点のオルシエールOrsières駅で路線バスに乗り換えて西斜面を上った先にある湖畔のリゾートがシャンペ・ラックです。モン・ブランを周回する人気のトレッキングコース「トゥール・デュ・モン・ブラン」のルート上に位置しているほか、グラン・サン・ベルナール峠方面へのアクセスにも適しています。「グラン・コンバン」はシャンペ村の入口に建つ休暇用アパートで、村の中心部までは徒歩で10分近く掛かりますが、建物の正面にバス停「ル・シニャルLe Signal」があるので交通は便利です。我が家が滞在したのは3階の北西側の部屋で、大・小2つの寝室がある4人用です(占有面積が84uもあって夫婦だけで泊まるには少々勿体無いんですが、2人用の適当なアパートが見つからなかったので…)。バスルームもシャワー用とバスタブ付の2つあり、設備の整ったオープンキッチン付の広いダイニング・リビングには湖に面したバルコニーが付いていて、湖の向こうにはトゥール・サリエールの山も遠望できます(但し、アパートの名になっているグラン・コンバンは建物の背後になってしまうので残念ながら部屋からは見えません)。大家は気さくな小母さんで、この建物の1階に住んでいます(日中は村の中心部にあるオフィスにいます)。なお、シャンペ村に1軒だけの食料品店がオフ・シーズンのせいか閉まっていて、野菜や肉類はオルシエールかマルティニーまで買出しに行く必要がありました(パン屋は村内に美味しい店がありました)。(2008年9月宿泊) ホテル・オ・ミル・エトワール Aux Mille Étoiles (レ・マレコット Les Marécottes) https://mille-etoiles.ch/ レ・マレコットはマルティニーとフランスのシャモニーを結ぶ山岳鉄道「モンブラン急行」沿線の静かな村で、サランフ湖やエモッソン湖等へのアクセス拠点として便利な位置にあります。「オ・ミル・エトワール」は村の上手にあるラ・クルザ行きゴンドラリフト乗場の隣に建つホテルで、村の下手にある鉄道駅からは坂道を10分近く上ることになりますが、頼めば車で迎えに来てもらえます(路線バスはリフト乗場の前にも停車します)。我が家が泊まったツインルームはノスタルジックな板張りで、バスルームもまずまず快適。バルコニーの椅子に座ると田舎の空気を満喫できましたが、隣室と隔離されていないのが残念でした。1階のラウンジも良い雰囲気で、大きな室内温水プールもあります。食事は朝夕とも質が高く、夕食に美味しいジビエ料理も出て満足しました。「千の星」という名のとおり、晴れた夜には星空を楽しめそうなロケーションです。(2008年9月宿泊) ホテル・フェデラーレ Federale (ルガーノ Lugano) https://www.hotel-federale.ch/ ティチーノ州の中心地ルガーノは、近くのロカルノ等と並んで、全般的に宿泊料金が高い街です。レマン湖畔もそうですが、気候が温暖でかつ風光明媚なので、金持ち族が長期滞在するからでしょう。そんな中で比較的リーズナブルな料金で泊まれるホテルのひとつがフェデラーレ。湖畔ではなく鉄道駅から急坂を少し下ったところにあり、眺望を楽しめる部屋は限られますが足は便利です。大通りに面していないので街中ながら静か。 2001年は眺望の無いスタンダード・ルームでしたので、2011年の滞在時には1ランク上のカムフォート・ツインにしてみました。南東側の三角形の角部屋で、バルコニーからブレ山やルガーノ湖を眺められました。バスルームも改装してあって快適。1階のレストランも良い雰囲気ですが、夕食は庭のテラス席で摂ることもできます。部屋での無線LANは有料ですが、ロビーに置かれてあるPCではインターネットが無料で使えます。 若主人の夫人が日本人で、若主人も日本で勤務された経験をお持ちなので日本語が話せます。ウェブサイトにも日本語ページがあり、こうした安心感からか日本人ツアーの利用も多いです。(2001年4〜5月・2011年7月に宿泊) レジデンツァ・モッタ Residenza Motta (ロカルノ Locarno) https://www.residenzamotta.ch/ マッジョーレ湖畔の瀟洒な街ロカルノの中心地であるグランデ広場の奥から坂道を少し上った場所に建つ4階建の休暇用アパート。旧市街のど真ん中というロケーションで、雰囲気のある静かな環境である上に、周囲にはお洒落な専門店が点在しています。鉄道駅からは徒歩で10分余りかかりますが、路線バスは近くのヴィスコンティ城の前からも乗れます。 我が家が泊まったのは最上階で(エレベーターはありません)、リビング(写真)とキッチン・ダイニングに分かれた大部屋と、寝室の2部屋構成。両方に天窓があります。シャワールームが少し狭い(バスタブは無い)のと、キッチンに大型オーブンの無いのが難点ですが、「オーブンが欲しい」と事前にお願いしたら、真新しい小型オーブンを置いてくれていました。2階には別に最近改装したオーブン・キッチン付きの部屋もあります。部屋からの眺望はありませんが、2階に中庭があって寛ぐことができます。中庭の横にコイン式の洗濯乾燥機あり。アパート入口の隣がオーナー夫妻の事務所になっていて、お人好しのご主人としっかり者の奥さんがいろいろと相談に乗ってくれます。(2006年4〜5月に宿泊) ツリガー邸 Zulliger (セメンティーナ Sementina) https://www.ticino.ch/en/houses/details/Apartment-in-Sementina/122555.html セメンティーナはティチーノ州都ベリンツォーナ市Bellinzonaの隣村で、今は同市に併合されています。ベリンツォーナ駅やジュビアスコ駅Giubiascoまで市内バスで10分前後かかりますが、このバスは日中15分毎(週末は30分毎)に運行されているうえ、他にロカルノ行きのバスもあり、ティチーノ州の全域へ出掛ける拠点として便利なところです。ツリガーご夫妻のお宅はセメンティーナ川の土手の脇にあり、バス停やスーパー「COOP」から徒歩で3分程度。街路に面していないため大変に静かな環境です。ご夫妻が2階に、2人のご子息一家が3階にお住まいで、1階部分が短期滞在者用に貸し出されていますが、玄関はそれぞれ独立しています。1階部分はソファとダイニングテーブルの置かれたリビング、2〜3人用の寝室、設備の整ったキッチン、洗濯機付きのバスルーム、冷凍庫がある物置部屋から成り、リビングの前に芝生の庭があります。欧州の家には珍しくすべての窓に網戸が設置されていて、窓を開けても虫が入ってきません。オーナーご夫妻はとても朗らかなお人柄で、入居時には設備等について丁寧に説明してくださいました。コーヒーカプセルや洗剤等の消耗品も良質なものが豊富に揃えられてあり、自宅にいるかのような居心地の良さでした。民泊カテゴリーのため「ティチーノ・チケット」(州内の公共交通が乗り放題になるゲストカード)はもらえませんが、賃料の安さに照らせば充分に納得できました。(2024年8〜9月に宿泊) |