【エッツタール(オーストリア)】 ホッホエッツ Hochoetz 〜 ロスコップフ山頂 Rosskopf 〜 ヴェッタークロイツコーゲル山頂 Wetterkreuzkogel 〜 ヴェルゲ谷 Wörgetal 周遊 (約5時間) エッツ谷の入口に近いエッツ村Oetzの南外れからゴンドラリフト「アッハーコーゲルバーンAcherkogelbahn」で上れる展望台がホッホエッツです。山上駅から南へ10分余り登るとビーレフェルダー小屋Bielefelderhütteがあり、広いテラスからレッヒターラー・アルペン等の眺望を楽しめます。ここから右手にガイゲンカム連峰を眺めつつ東へ緩やかに登り、やがて現れる分岐を折り返すように左折して十字架の立つロスコップフ山頂へ。北側にミーミンガー山群が一望でき、その向こうにツークシュピッツェも見えます。更に尾根伝いにヒンテラー・ロスコップフHinterer Rosskopfの東肩へ出て、アッハーコーゲルに向かって登るとヴェッタークロイツコーゲル山頂の十字架(写真)です(ここまでホッホエッツから約1時間半)。西にエッツ谷を見下ろし、南に間近に聳えるアッハーコーゲルの右にはカウナーグラート連峰まで遠望できます。山頂十字架の東には羊が放牧された広い草原の頂が広がっていて、それを乗り越して東側のヴェルゲ谷に入ります。この道は「鉱夫の道Knappenweg」と名付けられていて、池の点在する広い谷を延々と下って行くと、ポッハーゼーPocherseeという湖の脇に「鉱夫小屋Knappenhaus」や砕石用の水車が復元されて建っています。ここから北へ下るとオーベレ・イスアルムObere Issalmの分岐で、疲れていたら直進して谷底のバス停へ出ることができます。余力があれば左折してツヴェルファーケップフルの北斜面を西へ進みましょう。右手(北)にはピルヒコーゲルから延びる尾根の奥にヴァンニック山、後方(東)にはキュータイ村方面の山々が眺められ、気分の良い道です。やや下り道になって尾根を南へ廻り込むとバルバッハ・アルム小屋Balbach-Almが現れ、広いテラス席で食事休憩ができます。もう少し先に眺望の良いキュータイレ・アルム小屋Kühtaile Almもあります。キュータイレ・アルム小屋からは10分程でホッホエッツの山上駅に戻れます。ゴンドラリフトでエッツ村へ下山した後は、村内の歴史ある建物を見て回るのもオススメです。(2014年9月) ニーダータイ Niederthai 〜 ラルスティックアルム Larstigalm (往復約1時間半) ニーダータイ村はウムハウゼン村Umhausenの東側の高台にある静かな集落で、ウムハウゼン村とは500m余りの標高差がありますので、ウムハウゼン村から夏のシーズン中に運行されている「ハイカー用バスWanderbus」を利用すると便利です(「エッツタール・カード」があれば無料)。バスをニーダータイ村の教会の近く(「観光案内所前Informationsbüro」停留所)で下車し、ホルラッハバッハ川Horlachbachに沿ってホルラッハ谷Horlachtalを東へ遡って行くと、40分ほどで谷底に牧草地が開けたラルスティックアルムに到着します。ここには「ラルスティックホーフLarstighof」という素朴なレストラン(写真)があり、軽食休憩ができます。帰りは来た道を少し戻った場所で橋を渡り、北側斜面の草地に付けられた道「ベルクマーデヴェークBergmahdeweg」を歩いてみましょう。正面にガイゲンカム連峰、左手(南側)にグラース谷奥の山々を眺めつつ、気分良くニーダータイ村へ戻れます。我が家が歩いた日はニーダータイ村のお祭りで、村人達のパレードや民族舞踊を見学することができました。余裕があれば、ラルスティックアルムから更に谷奥へ1時間歩き、シュヴァインフルター小屋Schweinfurter Hütteまで足を延ばすと良いでしょう。(2014年9月) ニーダータイ 〜 ウムハウゼン Umhausen (約3時間) 上記ニーダータイ村の下手にはチロル地方最大の落差を誇るシュトゥイベン滝Stuibenfall(写真)があります。ニーダータイ村からホルラッハバッハ川の右岸に沿った道を西へ歩いて行くと、その名も「シュトゥイベンファル」という一軒宿があり(ここのレストランでの食事もオススメです)、その前から滝への遊歩道が始まります(ウムハウゼン村から上記「ハイカー用バス」を利用して来る場合は一軒宿の近くでも降車できます)。ホルラッハバッハ川が次第に急流になった先に鉄製の展望所があり、流れ落ちるシュトゥイベン滝を上から見下ろせます。来た道を少し戻り、マリア像の祠が点在する林道を辿ってウムハウゼン村の方向へ下ります。山裾近くの分岐で折り返し、ウムハウゼン村を一望できる場所を経て、滝の下手にあるカフェ「シュトゥーベーベレStuböbele」へ。ここから川沿いの急坂を登ると、シュトゥイベン滝直下の展望所に行けます。カフェの手前まで戻り、分岐を左折して山裾を進んだ先に、石器時代の人々の生活を再現した「エッツィ村Ötzi-Dorf」(1991年にエッツ谷奥の氷河で発見されたミイラ「エッツィ(アイスマン)」にちなむ野外博物館)がありますので、時間があれば是非お立ち寄りください。「エッツィ村」からウムハウゼン村のバス停までは徒歩15分くらいです。なお、我が家が歩いた2014年当時に閉鎖されていたシュトゥイベン滝の脇を下る遊歩道が再開されれば、1時間半程度で歩けるコースかと思われます。(2014年9月) フーベン Huben 〜 ブルクシュタイン Burgstein 〜 ブラント Brand 〜 レンゲンフェルト Längenfeld (約1時間半) エッツ谷のほぼ中間地点(ゼルデン村の北隣)に位置するレンゲンフェルト村の東側の高台を散策するコースです。我が家はレンゲンフェルト村の南端の集落フーベンでバスを降り、集落の北側にある製材所の脇を通って山道に入りましたが、フーベンの北隣の集落ルンホーフRunhofから舗装道路を登っても構いません。フーベンからの山道も間もなく舗装道路に合流し、高台の静かな集落ブルクシュタインに入って行きます。下手の家並み(ウンター・ブルクシュタインUnter-Burgstein)を通り過ぎて緩やかに登ると、教会の先にホテルやレストランが建つオーバー・ブルクシュタイン地区Ober-Burgsteinです。ブルクシュタインの集落を抜けた先の分岐を右へ入り、左手にエッツ谷の下流方面を眺めながら進むと吊り橋(写真)が現れます。眺望を楽しみつつこれを渡った先に農家レストラン「ブラントアルムBrandalm」がありますので、飼われている可愛い動物達に挨拶したりして一息入れましょう。ここから東へ延びるズルツ谷Sulztalに入ってグリース村Griesまで散策するのも良さそうですが(ブラントから所要約1時間半)、我が家が歩いた日は天気が下り坂で雨が降り出したため、そのまま眼下のレンゲンフェルト村へ下りました。(2014年9月) ガイスラッハコーグルバーン中間駅 Gaislachkoglbahn Mittelstation 〜 ホッホゼルデン Hochsölden 〜 ゼルデン Sölden (約2時間半) ゼルデン村の西側の山腹を歩くコースです。ゼルデン村の南寄りにある巨大な山麓駅からガイスラッハコーゲル山頂行きのゴンドラリフトに乗り、中間駅で下車します。ここにはチロル地方の郷土料理が美味しいレストラン「ティローラーシュトゥーベTirolerstube」が併設されています。中間駅前の広い道を北へ、ゼルデン村を右手に見下ろしながら歩き始めましょう。広い道は緩やかに山腹を下っていきますが、途中で案内標識に従って左の細い遊歩道に入ります。尾根の突端にウッドデッキの休憩所があり、この辺りからは東側のヴィンダッハ谷の奥にシュトゥーバイアー・アルペンの山々を眺めることができます。遊歩道は徐々に西へ方向を変えてレッテンバッハ谷Rettenbachtalに入り、バス停のある車道に出合います。レッテンバッハアルム小屋Rettenbachalmの前から折り返すように谷の北側斜面の道を東へ辿ると、ガンペアルムGampealm(写真)を経て再び北へ向かい、レストランやホテルが建ち並ぶホッホゼルデン地区に至ります。ここまでは起伏の少ない楽なコースで(所要約1時間半)、上手に見える乗場からゴンドラリフト「ギッキヨッホバーンGiggijochbahn」に乗ればゼルデン村へ下れます。更に歩くなら、教会の下手から再び山腹のトラバース道を北へ進み、エーデルワイス小屋Edelweißhütteを経由してゼルデン村へ下るコースがあります。我が家が歩いた日は雨模様でしたので、車道を辿って南寄りに下り、「ガイスラッハコーグルバーン」のケーブル下を潜った先から折り返して村の上手に付けられた遊歩道「パノラマヴェークPanoramaweg」を北へ歩き、ゼルデン村へ戻りました。(2014年9月) ガイスラッハコーゲル山頂 Gaislachkogel 〜 ガイスラッハ湖 Gaislacher See 〜 ガイスラッハコーグルバーン中間駅 (約3時間) 上記のゴンドラリフト「ガイスラッハコーグルバーン」の中間駅から更に大型ゴンドラに乗り換え、360度の眺望が楽しめるガイスラッハコーゲル山頂(写真)へ。西側に間近に聳えるオイセレ・シュヴァルツェ・シュナイトの左にヴィルトシュピッツェ、南にラーモルコーゲル等とその奥にイタリア国境の峰々、東にツッカーヒュットルをはじめとするシュトゥーバイアー・アルペンの山々、北にはブライター・グリースコーゲルやアッハーコーゲルを経てドイツ国境に近いミーミンガー山群まで、更にその左にはホーエ・ガイゲやプイトコーゲルを経てブリックシュピッツェ等のカウナーグラート連峰に至るパノラマが広がっていて、お洒落な雰囲気のレストラン「アイスQ IceQ」もあります。ここからの下山ハイキングコースは、ゴンドラリフトのケーブルに沿った道もありますが、我が家はガレた尾根を南へ渡り、そこから眼下に見えるガイスラッハ湖へ下りました。急斜面のジグザグ道なので足を滑らさないようご用心。湖の上手はガレていますが、湖畔から先は緑も増えて歩きやすくなります。ネーダーコーゲル等を正面に眺めつつガイスラッハコーゲルの南斜面を東へ廻り込むように下って行くと、ティーフェンバッハ氷河末端方面へ向かうトラバース道に出合い、これを左折して東へ下ればレストランのあるガイスラッハアルムGaislachalmに至ります。ガイスラッハアルムの上手に建つレストラン「ハイデアルムHeidealm」の前を通り、右手にゼルデン村を見下ろしながら広い道を北上すると「ガイスラッハコーグルバーン」の中間駅が見えてきます。ここからゴンドラリフトで下っても良いですし、上記のハイキングコースを辿ってホッホゼルデン方面へ歩き続けても良いでしょう。(2014年9月) レッテンバッハカール Rettenbachkar 〜 シュヴァルツコーゲル山頂 Schwarzkogel 〜 ロートコーゲル小屋 Rotkogelhütte 〜 ギッキヨッホ Giggijoch (約3時間半) 手軽に登れる3,000m峰、シュヴァルツコーゲルの登山コースです。ゼルデン村から「氷河Gletscher行き」バスに乗り、レッテンバッハ谷のつづら折れの上り道を過ぎた先の分岐で下車します。ここは停留所ではありませんが、運転手に言えば停車してくれます。もし通り過ぎてしまった場合は、次のレッテンバッハ氷河Rettenbachgletscherバス停で降りて徒歩で戻ってください(車道を少し下った場所から左手の遊歩道に入れます)。車道から少し登ると羊が放牧された草原に出て、その中に建つレストラン「シュヴァルツコーグルSchwarzkogl」(冬季のみ営業)の脇を通ってレッテンバッハカールの奥へ向かいます。途中の分岐を右折して狭いトラバース道を辿ると、再び広い道に合流して斜面を北へ登って行きます。シュヴァルツゼーコーゲルの肩まで登り切れば前方にシュヴァルツ湖Schwarzseeが現れますが、湖畔へは下らずに左折して西へ登ります。稜線上に出ると右手にホーエ・ガイゲやプイトコーゲル等のガイゲンカム連峰が眺められ、やがて行く手のシュヴァルツコーゲル山頂の右にヴィルトシュピッツェを主峰とするヴァイスカムの高峰群が見えてきます。歩き始めてから1時間半足らずで山頂に達し、南側のレッテンバッハ氷河方面も含めて360度の眺望が得られます。山頂の十字架(写真)に付けられた箱の中にノートと記念スタンプが入っていますので記帳をどうぞ。帰路は同じ道を辿ってシュヴァルツ湖畔へ下り、ロートコーゲルとシュヴァルツゼーコーゲルの間を抜けてロートコーゲルの南斜面を東へ下れば、ロートコーゲルヨッホRotkogeljochの池の畔に建つロートコーゲル小屋に至ります。レストランでボリューム満点の食事を楽しんだ後、スキーリフトに沿った広い道を東へ下ればギッキヨッホに到着し、ここからゴンドラリフト「ギッキヨッホバーン」に乗り込んでゼルデン村へ下れます。シュヴァルツコーゲルにはギッキヨッホから往復する方が一般的なようですが、レッテンバッハカールからスタートする方が登りの標高差を200m余り短縮できて楽です。歩き足りなければ、ロートコーゲル小屋から更にロートコーゲル山頂まで往復してくるコースがあります。逆に登り道が苦手な方には、レッテンバッハカールからシュヴァルツゼーコーゲルの南麓をトラバースして直接ロートコーゲル小屋へ出る道もあります。(2014年9月) ティーフェンバッハ氷河末端 Tiefenbachgletscher 〜 フェント Vent (約4時間) フェント谷Ventertalの西斜面をトラバースする「展望の道Panoramaweg」を歩く人気のコースです。出発点のティーフェンバッハ氷河まではゼルデン村から上記「氷河行き」バスで30分ほど。終点停留所の前からゴンドラリフト「ティーフェンバッハバーンTiefenbachbahn」でティーフェンバッハコーゲル山の肩まで上れますので、出発前に是非立ち寄って眺望をお楽しみください。なおこのゴンドラリフトは7月下旬までしか運行されておらず、その後は1つ手前のレッテンバッハ氷河Rettenbachgletscherバス停前から運行されるゴンドラリフト「シュヴァルツェ・シュナイトバーンSchwarze Schneidbahn」に引き継がれます。こちらはレッテンバッハ氷河やカールレス氷河を見下ろしつつインネレ・シュヴァルツェ・シュナイト山の肩まで上れますが、山上駅からの眺望は限られます。背後の尾根の展望台まで徒歩で登れるようですが、我が家は中間駅のレッテンバッハヨッホRettenbachjochからインネレ・シュヴァルツェ・シュナイト、リンカー・フェルナーコーゲル、シュフトコーゲル、ヒンテラー・ブルンネンコーゲル等の山々を眺めただけで下山しました。 さてハイキングに出発です。ティーフェンバッハ氷河バス停前の広い駐車場からも既にツッカーヒュットルをはじめとするシュトゥーバイアー・アルペンの山々を眺められますが、氷河末端の池へ向かう広い道を少し登ったところから「展望の道」に入ると、フェント谷を隔ててラーモルコーゲルを中心とする高峰群が間近に並びます(写真)。道はザイター・カールSeiter Karの斜面を緩やかに下ってから南へトラバースし、ムートボーデンMutbodenと呼ばれる平原へ。この辺りからは谷奥のシミラウン山も全容を現し、山々のパノラマは最高です。この先コースはヴァイサー・コーゲル山の麓に広がる圏谷ヴァイスカールWeißkarへ入って行きます。圏谷の奥にある池の畔を経てヴァイスカールバッハ川Weißkarbachの右岸へ渡り、ヴァイスカールコーゲル山の東尾根を廻り込んで再びフェント谷の西斜面へ。狭い谷の向かい側に聳えるガンプレスコップフ山の急峻な山腹が印象的で、振り返れば谷の出口にシュトゥーバイアー・アルペンの峰々が勢揃いです。ブレスラウアー小屋へ向かう道を右に分けると下り道になり、行く手にフェント村が見えてきます。広い道と合流した後も放牧地の斜面の下りが見掛けより長く感じられるかも知れませんが、焦らずに進んでください。フェント村には雰囲気の良いレストランが沢山ありますので、帰りのバスを待つ間ゆっくりと食事休憩をどうぞ。(2014年9月) シュタブラインアルム Stableinalm 〜 ヴィルデス・マンレ山頂 Wildes Mannle 〜 ブレスラウアー小屋 Breslauerhütte 周遊 (約5時間) ヴィルデス・マンレはチロル州最高峰のヴィルトシュピッツェを至近距離から眺められる展望台の山で、チェアリフトを利用すれば片道2時間ほどで登頂することができます。フェント村行きのバスに乗って終点の1つ手前の停留所「ホテル・ポストHotel Post」で下車し、下手にある乗場から2人乗りチェアリフト「ヴィルトシュピッツェWildspitze」に乗り込んで北西斜面の羊の放牧場シュタブラインアルムへ。ここからブレスラウアー小屋へ向かって西方向に登り始め、途中の分岐を右折して斜面を北へ直登します。間もなくティーフェンバッハ氷河末端方面からのトラバース道と出合い、スキーリフト降り場の脇を通って更に登って行くと、ヴィルデス・マンレの南肩にあたる分岐点に至ります。ローフェンカールRofenkarの奥へ向かう道を左に分けてガレた尾根を登ると、左手にヴィルトシュピッツェの頂上が見え出し、西方にはヴァイスクーゲルやイタリア領の山々も次第に大きく見えてきます。南側の頂から一旦少し下って登り返すと十字架の建つ山頂(写真)です。北西側にヴィルトシュピッツェ、南西にヴァイスクーゲルからシュヴェムザーシュピッツェを経てフィナイルシュピッツェ、南にタールライトシュピッツェとムートマルシュピッツェ、南東にディームコーゲルからシュピーゲルコーゲルを経てラーモルコーゲル、北東にシュトゥーバイアー・アルペンという360度のパノラマを楽しめます。帰路は来た道を引き返すのが最も楽ですが、余裕があればローフェンカールをトラバースしてブレスラウアー小屋へ立ち寄りましょう。山頂から北へ、右手にタウフカールを眺めながら吊り尾根の鞍部まで進み、そこから急な岩場をローフェンカール氷河に向かって下ります。折り返すようにモレーンの背を南下し、分岐を右折して氷河末端の池の畔へ。ローフェンバッハ川Rofenbachの上流を渡ったら西側のモレーンを越えて登り返し、山腹のトラバース道を進むとブレスラウアー小屋に到着します。テラス席か窓際の屋内席で山々の風景を愛でながら食事休憩をどうぞ。帰りはローフェンカールの下部をトラバースする広い道でまっすぐシュタブラインアルムへ戻れますが、途中のローフェンバッハ川の手前で右折して川沿いにローフェン谷の底へ下り、徒歩でフェント村を目指すハイカーも多いです。シュタブラインアルムからブレスラウアー小屋まで往復するだけなら手軽なハイキングコースですが、ヴィルトシュピッツェは望めませんし、ブレスラウアー小屋からの眺めはシュタブラインアルムと大差ない点がちょっと残念です。短い岩場の登り下りを苦にされないなら、是非ヴィルデス・マンレ山頂を目指してみてください。(2014年9月) ホーエ・ムート Hohe Mut 〜 ロートモース氷河末端 Rotmoosferner 〜 シェーンヴィースコップフ Schönwieskopf 〜 オーバーグルグル Obergurgl (約5時間) ホーエ・ムートはエッツタール最奥の山岳リゾート村オーバーグルグルからゴンドラリフトで上れる草原の小山で、氷河を眺めながら手軽にハイキングできる場所なので日本人ツアーもよく訪れます。オーバーグルグルのバスターミナルから教会の脇を通って村の中を進むと、間もなくゴンドラリフト乗場があります。山上駅の隣にはレストランがあり、北にシュトゥーバイアー・アルペン、南西にハンゲラー等、360度の眺望を楽しめますが、メインは南東方向に並ぶ氷河を抱いたイタリア国境の山々です。こちらに向かって馬の背のような尾根上を緩やかに下って行きましょう。尾根の最も低い地点にある分岐から右手のロートモース谷Rotmoostalへ下るのが一番手軽なハイキングコースですが、ここは是非とも直進を。登り返した場所に建つ小屋の先から左手のガイスベルク氷河Gaisbergfernerへ向かって下っても良いですが、更に直進すると羊が放牧されたグルグラー・キルヒェンコーゲルの西斜面をトラバースする道となり、右手にロートモース谷を隔ててゼーレンコーゲル等の山々を眺めつつ、ロートモース氷河の末端に近いスタンプ台に至ります(ここまで起伏の少ない道で比較的楽に歩けます)。ここから折り返すように谷底へ下り、ロートモースアッヘ川Rotmoosacheの右岸を下流へ。左手にハンゲラー山を仰ぎ見ながら進み、溜池の脇を通ってホーエムートの西麓に建つシェーンヴィース小屋Schönwieshütteに到着します。食事休憩の後は、小屋の西にあるシェーンヴィースコップフの丘に立ち寄ってみてください。石造りのベンチとテーブルがあり、オーバーグルグル村やグルグル谷奥の山々、ロートモース谷(写真)、ホッホフィルストをはじめとするイタリア国境の山々等を眺められます。小屋の前からロートモースアッヘ川の右岸の道を下流へ進めばゴンドラリフトの中間駅へ出られますが、途中の分岐を左折するとロートモース滝Rotmoos Wasserfallの展望所を経てツィルベンヴァルトZirbenwaldの樹林帯に入り、左手にグルグラー・アッヘ川を見下ろす渓谷沿いの道を通ってオーバーグルグル村まで歩いて下れます。(2014年9月) ティンメルスヨッホ峠(ロンボ峠) Timmelsjoch / Passo del Rombo 〜 ツヴィーゼルシュタイン Zwieselstein (約3時間半) ティンメルスヨッホはグルグル谷の東側にあるイタリア国境の峠で、オーバーグルグル始発のモース・イン・パッサイアーMoos in Passeier(モーゾ・イン・パッシーリアMoso in Passiria)行きバスで手軽に行くことができます。峠には展望所を兼ねた小さな博物館があり、イタリア方面の眺望を楽しめます。ここからイタリア側へ下るハイキングコースもありますが、我が家はバスで上ってきたティンメルス谷Timmelstalを歩いて下りました。峠の北側の尾根からバンカー・キルヒェンコーゲルを左手に眺めつつ谷の北側斜面を下る道に入ると、やがてティンメルスバッハ川Timmelsbachの河畔に出て、プイトコーゲル等の峰々を正面に眺めながら「密輸者展示館Schmuggler」に至ります。更に川沿いに放牧地の谷(写真)を下り、分岐点で木橋を渡って右岸へ(左岸を直進すれば行程を1時間近く短縮してザーネシュテューバールSahnestüberlのバス停へ下れます)。グルグル谷の東斜面の樹林帯に入って徐々に下っていくとツヴィーゼルシュタイン村に到着します。我が家が歩いた日はティンメルス谷に放牧されていた牛を村へ下ろす「アルムアプトリープAlmabtrieb」のお祭りで、村の広場で音楽演奏や民族舞踊が披露された後、鞭を振り回して鳴らす破裂音に追われながら頭に飾り物を付けた牛達が村人に付き添われつつ山から続々と下ってきて広場に集められる様子を見学することができました。ツヴィーゼルシュタイン村は小さな集落ですが谷の分岐点に位置していて、ここからゼルデン・フェント・オーバーグルグル各方面行きのバスに乗れます。(2014年9月) ※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。 |