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おすすめハイキングコース (36)

【インスブルック周辺(オーストリア)】


ハーフェレカールシュピッツェ山頂 Hafelekarspitze 〜 マンドルシュピッツェ山頂 Mandlspitze 〜 ゼーグルーベ Seegrube (約3時間半)
インスブルック市街からは北側に山々が屏風のように間近に並んで見えますが、これがノルトケッテ山脈Nordketteです。その頂のひとつであるハーフェレカールシュピッツェにはロープウェイが通じていて、誰でも手軽に山頂からの眺望を楽しむことができます。先ずは旧市街の北にある乗場からモダンな車両のケーブルカーに乗ってアルペン動物園のあるフンガーブルクHungerburgへ。ここからロープウェイを2本乗り継げばハーフェレカール山上駅に到着します。左手にグライルシュ・ハルタール山脈や遥かドイツ国境方面の山々を遠望しつつ、舗装された遊歩道を10分ほど登るとハーフェレカールシュピッツェ山頂です。キバシガラス雷鳥も集う山頂展望台からは眼下のインスブルック市街と、その背後に並ぶシュトゥーバイアー・アルペンやツィラーターラー・アルペン等の高峰群が眺められます。ロープウェイ駅の手前まで戻ったら分岐を左折して、山頂直下の南斜面を東へトラバースして続くハイキングコース「ゲーテの道Goetheweg」に入りましょう。暫く進むと山頂から直接下ってくる道と合流して稜線上に出た後、グライルシュシュピッツェ西側のの最上部にあたるグライルシュザッテルGleirschsattelの鞍部に至ります。更にグライルシュシュピッツェ南斜面に付けられた平坦なを快適に東進し、ミュールカールシャルテの東側で再び稜線上に登れば、マンドルシュピッツェが目の前です。「ゲーテの道」を右へ逸れて尾根上に登り、小さな避難小屋を経由して草原に覆われた山頂(写真)へ。西にノルトケッテ山脈マンドル谷、北にグライルシュ・ハルタール山脈、東にルーマー・シュピッツェ、南にハルの町とインスブルック市街等、360度の眺望が楽しめます。ここから「ゲーテの道」を更に直進すればプファイス小屋Pfeishütteまで1時間半くらいですが、我が家は出発が遅かったので時間が無く、来た道を引き返しました。グライルシュザッテルの分岐で左手の道を選ぶと、レストランが併設されたロープウェイの中間駅ゼーグルーベに直接下ることができます。途中でハーフェレカール山上駅から下ってくる道と出合ったら、下手の道を辿ってください。直進すると羊の放牧場へ迷い込みますのでご注意を。(2015年9月)


トゥルファインアルム Tulfeinalm 〜 グルンゲッツァー山頂 Glungezer 〜 パッチャーコーフェル山頂 Patscherkofel (約5時間)
グルンゲッツァーはインスブルック市街の南東に位置する山です。登り口の村トゥルフェスTulfesまではインスブルック中央駅前始発のポストバスで所要30〜40分ですが、旧市街からなら「州立スポーツセンターLandessportcenter」停留所まで市バスで行って乗り換えるのも便利です。先ず2人乗りチェアリフトで中間駅のハルスマルターHalsmarterに上り、1人乗りチェアリフトに乗り継いでトゥルファインアルムへ。ここからは山腹を西へトラバースする「ツィルベンヴェークZirbenweg(霜降り松の小道)」が手軽なハイキングコースとして有名ですが、我が家はもう一段高い稜線歩きのルートを選びました。山上駅から南へ進むと間もなく広い道に出て、北西側にインスブルック市街とノルトケッテ山脈を眺めつつ、東側の尾根に向かって蛇行しながら緩やかに登っていきます。支峰シャルテンコーゲルSchartenkogelとの鞍部トゥルファイン・イェッヒルTulfein Jöchlを過ぎると本格的な登山道となり、左手(東)にフォルダー谷を見下ろしながら岩の多い尾根を登って山頂に至ります。山頂からは南側トゥクサー・アルペンの山々を眺められるほか、十字架の足許からは北側にイン川の谷が一望です。山頂直下に建つグルンゲッツァー小屋Glungezerhütte(写真)で食事休憩の後、ゾンネンシュピッツェSonnenspitze南斜面を西へトラバースする道に入ります。左手(南)のフィッカール谷の向こうにシュトゥーバイアー・アルペンの山々を眺めながら進み、フィッカールシュピッツェViggarspitzeの南斜面を過ぎると尾根上に出て、やがて「ツィルベンヴェーク」と合流して樹林帯に入ります。ボッシュエーベン小屋Alpengasthof Boscheben前の分岐で「ツィルベンヴェーク」を右に分け、パッチャーコーフェル山頂への登山道へ。分岐から30分ほどで巨大な電波塔が建つ山頂に達し、ツィラーターラー・アルペンからブレンナー峠方面ハービヒトツッカーヒュットル等のシュトゥーバイアー・アルペン、カルクケーゲル山塊イン川流域に至る360度の眺望を楽しめます。眺望を堪能したら、山腹を巻くように下ってロープウェイの山上駅へ(近くに山小屋レストラン「シュッツハウスSchutzhaus」あり)。ロープウェイで下ったイグルス村の山麓駅前からポストバスでインスブルック市街へ戻れます。(2015年9月)


ビルギッツケップフル小屋 Birgitzköpflhaus 〜 ザイレ(ノックシュピッツェ)山頂 Saile (Nockspitze) 〜 ムッテラー・アルム Mutterer Alm (約3時間)
「チロルのドロミテ」とも言われるカルクケーゲル山塊の北端に位置する山、ザイレ(別名ノックシュピッツェ)の周回ハイキングコースです。インスブルック中央駅前始発のグリンツェンス村Grinzens行きポストバスに乗ってアクサムス村Axamsの西外れ(ケーゲレKögele停留所)で下車し、アクサマー・リツムAxamer Lizum行きのバスに乗り換えます。終点バス停の駐車場から南側に見えるホテル「オリンピアOlympia」の裏手にチェアリフト乗場があり、これに乗ってザイレ山の西斜面に建つビルギッツケップフル小屋に上ります。小屋の前からは既にカルクケーゲル山塊ホアドル山ミーミンガー山群等の眺望を楽しめますが、更に広範囲の眺めを求めて山腹を南へ歩き始めましょう。間もなく現れる分岐を左折して登り道に入り、稜線上に出るとカルクケーゲル山塊の東にシュトゥーバイ谷や遠くオルペラー等のトゥクサー・アルペンも見えてきます。広い草原の山頂(写真)に立つと360度の眺望が広がりますが、その北東側にも十字架が建つ別の頂があり、北側が鋭く切れ落ちているのでノルトケッテ山脈ヴェッターシュタイン山脈(ドイツ国境方面)の眺めはこちらの方が迫力があります。この北東峰から急坂を下り、支峰シュピッツマンドルSpitzmandlへの道を右に分けます。ワイヤーロープを頼ってザレた急斜面を下るとすぐに傾斜が緩やかなになり、北へ張り出した尾根の突端であるプフリーメスヴァントPfriemeswandに至ります。ここから眺めるインスブルック市街ザイレ山の姿も印象的です。ザイレ山の北西斜面に突き出た支峰ツヴェルファーシュピッツェZwölferspitzeもよく見え、こちらへ歩いて行けば出発点のビルギッツケップフル小屋へ戻れますが、我が家はプフリーメスヴァントの西斜面を北へトラバースし、プフリーメスコップフPfriemeskopfの小山を経てムッテラー・アルムへ下りました。レストランで休憩した後、隣の乗場からゴンドラリフトムッタース村Muttersの上手へ下山できます。ゴンドラリフトの山麓駅から少し下るとトラム「シュトゥーバイタールバーンStubaitalbahn」のノックホーフヴェーク駅Nockhofwegがあり、可愛い電車に乗ってインスブルック市内へ戻れます。(20.15年9月)



【ゼーフェルト周辺(オーストリア)】


ゼーフェルダー・ヨッホ Seefelder Joch 〜 ライター・シュピッツェ山頂 Reither Spitze 〜 ネルトリンガー小屋 Nördlinger Hütte 〜 ヘルメレコップフ Härmelekopf (約3時間)
ゼーフェルトの王様コースSeefelder Königstour」と呼ばれるとおり、ゼーフェルト村を起点とするトレッキングコースの中で最も人気の高いものです。ゼーフェルト村の東側を走る自動車道路を越えたところにある乗場からケーブルカーロスヒュッテRosshütteへ行き、更に小型ロープウェイに乗り換えて稜線上のゼーフェルダー・ヨッホへ上ると、カールヴェンデル山群やヴェッターシュタイン山脈からゼルライン谷方面の山々まで、素晴らしい眺望が広がります。ここからゲムゼの群れが遊ぶ尾根伝いの遊歩道を南へ緩やかに登ってゼーフェルダー・シュピッツェSeefelder Spitzeの山頂へ。眺望は更に広がり、南側に荒々しいライター・シュピッツェがその全容を現します。これに向かって南尾根を下り、稜線の西側に付けられた道を辿ってザレたライター・カールReither Kar最奥部をトラバースすれば、ライター・シュピッツェの北西側の肩、ライター・シャルテReither Scharteに至ります。この先、山頂までは梯子やワイヤーロープを頼って岩場の急坂を登ることになります(急坂が苦手な方には、ライター・シャルテから直接ヘルメレコップフのロープウェイ駅へ通じる道もあります)。ライター・シュピッツェ山頂(写真)からは、北側にツークシュピッツェをはじめとするヴェッターシュタイン山脈ドイツ方面の山々、東にカールヴェンデル山群からノルトケッテ山脈、南にトゥクサー・アルペンシュトゥーバイアー・アルペン、西にイン川の谷ミーミンガー山群等、360度の大パノラマを楽しめます。眺望を堪能したら、南尾根を下ってネルトリンガー小屋テラス席で食事休憩をどうぞ。小屋から先はライター・シュピッツェの西斜面を北へトラバースし、ヘルメレコップフロープウェイ駅を目指します。この道も一部ガレた箇所がありますが、草花や左手の眺望をずっと楽しみつつ歩けます。ヘルメレコップフ駅にはレストランが無いので、ロープウェイでロスヒュッテに下ってから、残りの時間をのんびりお過ごしください。(2015年9月)


ゼーフェルト Seefeld 〜 クシュヴァントコップフ山頂 Gschwandtkopf 〜 メーゼルン湖 Möserer See 〜 ロッテンゼー Lottensee 周遊 (約4時間半)
ゼーフェルト村の西に位置する低山ブルンシュコップフBrunschkopfの山麓には湖が点在していて、散策しながらこれらを周回して巡ることができます。ゼーフェルト村から時計回りで歩くなら、先ず目指すはメーゼルン村の上手にあるメーゼラーゼー(メーゼルン湖)です。谷間の道を進むのが近道ですが、我が家はゼーフェルト村の南にある低山クシュヴァントコップフの山頂を経由して歩きました。ゼーフェルト村の教区教会の南に広がる草原の丘プファラービッヒルPfarrerbichlを西へ越えた先からチェアリフトが運行されていますが、標高差約300mのなだらかな山なので草原を歩いて登っても所要30分余りです。クシュヴァントコップフ山頂(写真)からは北にドイツ国境のヴェッターシュタイン山脈、南にゼルライン谷方面等の山々を眺められ、雰囲気の良いレストラン「ゾンネン・アルムSonnen Alm」もあります。このレストランの前から西へ進み、の脇を通って樹林帯の中の林道を下ると、時折正面にイン川の谷を見下ろしつつメーゼルン村Mösernに出てきます。村から北へ登るとメーゼルン湖で、レストラン「メーゼラー・ゼーシュトゥーブンMöserer Seestub'n」の前を通って湖畔を一周してみましょう。メーゼルン村の上手まで戻ったら、針葉樹林帯の平坦な遊歩道を西へ進んでロッテンゼーへ。ここが湖になるのは春先だけのようですが、レストラン「ロッテンゼー小屋Lottenseehütte」で食事休憩ができます。ここから林道を東へ進み、ヴィルトモース湖Wildmoossee(ここも周期的に湖面が現れる平原です)、レストランが建つヴィルトモースアルムWildmoosalm乗馬スポーツクラブの前を経由してゼーフェルト村へ戻ります。疲れたら途中のメーゼルン村、ロッテンゼーの上手に建つ「インターアルペン・ホテルInteralpen-Hotel」前、ヴィルトモースアルムから各々出ているゼーフェルト行きのバス便を利用することもできます。(2015年9月)


ロイタッシュ峡谷 Leutascher Geisterklamm 〜 ミッテンヴァルト Mittenwald (後半ドイツ、約2時間)
ゼーフェルト村の北、ドイツ国境近くを流れるロイタッシャー・アッヘ川Leutascher Acheの谷にはロイタッシュ村Leutaschの長閑な集落が点在していて、その下流が深い峡谷になっています。ゼーフェルト駅前からウンターロイタッシュUnterleutaschまたはミッテンヴァルト方面行きの路線バスに乗り(オーバーロイタッシュOberleutasch方面行きのバスに乗って途中のヴァイダッハWeidachで乗り換えても構いません)、「ガイスタークラム」停留所で下車します(ウンターロイタッシュ行きのバスはここが終点です)。バス停前に建つレストラン「ロイタッシャー・クラムシュテューバールLeutascher Klammstüberl」の脇に峡谷を巡る遊歩道の入口があります。精霊に関する解説板を眺めつつ森の中を進んでいくと分岐がありますので、これを左折して渓流の上に付けられた鉄格子製遊歩道に入りましょう。集音器に耳を当てたり「精霊の洞窟Geistergrotte」を覗いたりして精霊の息吹を感じながら進み、ヘル橋Höllbrückeで渓流の左岸へ渡ります。ここで左手の階段を上ると、車道に出合う場所にヘル礼拝堂Höllkapelleが建っています。ヘル橋の袂へ戻り、左岸の遊歩道を更に下流へ進むと展望橋Panoramabrückeが現れます。左岸の道を直進すれば峡谷の出口ですが、ここは展望橋を渡って右岸へ。森の中で国境を越えてドイツ領に入ると間もなく視界が開け、レストラン「グレッチャーシュリフGasthaus Gletscherschliff」の前に出てきます。テラス席でカールヴェンデル山群ミッテンヴァルト市街を眺めながら食事休憩をどうぞ。ここから峡谷の出口へ直接下る道があり、そこに建つカフェで入場料を払えば、峡谷の最も狭い部分に付けられた遊歩道(写真)を辿って奥にあるを観に行けます。カフェから川沿いに下流へ歩いて行けば、30分弱でミッテンヴァルト村中心街に到着します。駅前から電車かバスでゼーフェルト村へ戻れます。(2015年9月)



【シュトゥーバイタール(オーストリア)】


クロイツヨッホ Kreuzjoch 〜 シュタルケンブルガー小屋 Starkenburger Hütte 〜 フローンエーベン Froneben (約4時間半)
クロイツヨッホは、フルプメス村Fulpmesの上手にある乗場からゴンドラリフト「クロイツヨッホバーンKreuzjochbahn」に乗って上れる展望台です。山上駅に隣接して広いテラス席のあるレストランが建っていますが、先ずは尾根上の小道を少し北へ辿って、クリンネンケップフェKrinnenköpfe山頂にある「シュトゥーバイブリック展望台Stubaiblick」へ立ち寄りましょう。東側にシュトゥーバイ谷を見下ろし、西側にはシュリッカー・ゼーシュピッツェシュリッカー・ツィンネン連峰マルヒライゼンシュピッツェ等のカルクケーゲル山塊を間近に眺められます。山上駅まで戻った後、我が家は十字架が建つ南側の小山から尾根伝いにヴェッツシュタインシュロッフェンWetzsteinschroffen岩山マルヒライテンフェルスMarchleitenfelsの峰を越えてゼンヨッホ峠Sennjochへ向かいましたが、北側の山麓の道を進めば峠まで楽に歩けます。峠の上手に建つゼンヨッホ小屋Sennjochhütteを過ぎ、眼前に聳える山ニーデラー・ブルクシュタルNiederer Burgstallに向かって幅広の尾根を登ります。山頂へ向かう道を右に分け、ややザレた南斜面をトラバースして進むと、ホーアー・ブルクシュタル山Hoher Burgstallの東山腹に広がる圏谷へ入って行きます。圏谷の中を巻いて南側の尾根を回り込み、左手にシュトゥーバイ谷とその対岸の山々を眺めつつ、防護柵が並ぶホーアー・ブルクシュタルの南斜面(写真)をトラバースすればシュタルケンブルガー小屋に到着です。間近に見えるブレンナーシュピッツェ山塊の右に氷河を抱いたオーバーベルク谷奥の山々が一望できますので、眺めを楽しんでから食事休憩をどうぞ。帰路は小屋から東へ続く広い道を辿り、ウンターベルク谷ゼルレス山等を眺めつつ、山腹を緩やかに下って行きます。カーザーシュタットアルムKaserstattalmの農家レストラン、クナッペン小屋KnappenhütteガルトアルムGaltalmレストランを経て、「クロイツヨッホバーン」の中間駅フローンエーベンに至ります。(2015年9月)


エルファーリフト山上駅 Bergstation Elferlifte 〜 カールアルム Karalm 〜 ネーダー Neder (約4時間)
ノイシュティフト村Neustift im Stubaitalの手前から南へ延びる支谷、ピンニスタールPinnistalを歩くハイキングコースです。ノイシュティフト村の東外れにある乗場からゴンドラリフト「エルファーリフト」でエルファーシュピッツェElferspitzeの北尾根に上ると、シュトゥーバイ谷を一望できます。ここから尾根を登って先ずエルファー小屋Elferhütteを経由するのが本来のルートですが、我が家は山上駅の東にある巨大日時計の裏手から「時間の小道Geh-Zeiten-Wege」を辿って直接「展望の道Panoramaweg」に出ました。右手にエルファーシュピッツェの岩峰を仰ぎ、左手にはピンニス谷を挟んでケッセルシュピッツェキルヒダッハシュピッツェ等の峰々を眺めながら、平坦で歩きやすい爽快な遊歩道を谷奥方向へ進んでいきます。ツヴェルファーニーダー峠Zwölferniederへ向かう道を右に分けた後、グラッツェングリューブルGratzenbrüblの「自然鑑賞広場Naturschauplatz」を過ぎると次第に下り道となり、谷底に建つカールアルムのレストラン(写真)に至ります。谷奥に聳えるハービヒト山を望みつつ食事休憩を楽しんだら、谷底の道を北へ下って帰路につきましょう。ピンニスアルムPinnisalmのレストラン、縦に割れた大岩イッセンアンガーアルムIssenangeralmのレストランを経てのんびり歩き、バス停のあるネーダーの集落に出てきます。ノイシュティフト村〜カールアルム間には乗合いタクシーが1日2便走っていますので、疲れていたらこれに乗って戻ることもできます。(2015年9月)


オーバーリスアルム Oberissalm 〜 フランツ・ゼン小屋 Franz-Senn Hütte 〜 アルパイナー氷河末端 Alpeiner Ferner (往復約4時間半)
ミルダース村Mildersから北へ湾曲して延びる支谷オーバーベルクタールOberbergtalの谷奥を歩くコースです。ノイシュティフト村の聖ゲオルク教会近くの交差点にある宿泊案内小屋の前から、1日2便だけ出る乗合いタクシーを利用します。車はミルダース村のホテル「アルムホーフAlmhof」に立ち寄ってそこで料金を支払い、30分弱で谷奥の放牧場オーバーリスアルムの中央に建つレストラン前に着きます。ここから草原の中を西へ進み、正面の斜面をジグザグに登り切ると、レストラン「アルパイン・アルムAlpein Alm」が建つ湿原が現れます。これを突っ切ってから急流に沿ってもうひと登りすればフランツ・ゼン小屋(写真)に到着です(オーバーリスアルムからここまで1時間余り)。まだ食事休憩には早いでしょうから、山小屋の脇を流れるアルパイナー・バッハ川Alpeiner Bachの上手に広がる平原をもう少し西へ歩いてみましょう。途中でヘレンラッヒェンHöllenrachenの急流脇を登ると、谷奥のアルパイナー氷河ベルグラス氷河が次第に近づき、アルパイナー氷河直下の分岐点まで比較的楽に歩けます。この先は急坂になるので、来た道を引き返してフランツ・ゼン小屋クノーテンシュピッツェン連峰を眺めながらの休憩をどうぞ。歴史ある山小屋の雰囲気を堪能したら、登ってきた道を辿ってオーバーリスアルムのレストランへ戻ります。(2015年9月)


ミルダース Milders 〜 ブラントシュタットアルム Brandstattalm 〜 ヒューナーシュピール Hühnerspiel 〜 シャラー Schaller (約6時間)
上記オーバーベルク谷とウンターベルク谷の間に聳えるブレンナーシュピッツェBrennerspitzeの東斜面を歩くハイキングコースです。ミルダース村のバス停からオーバーベルク谷へ向かう舗装道路を暫く進み、案内標識のある分岐を左折して折り返すように登ると、ミルダース村を見下ろしながらビッヒルBichlの農家レストランに至ります。この先から山道に入り、針葉樹林の斜面を登ってアウフファングアルムAuffangalmのレストランへ。更にひと登りすると、樹林帯を抜けた場所にブラントシュタットアルムのレストラン(写真)がありますので、カルクケーゲル山塊等を眺めながら食事休憩を楽しみましょう(ここまで所要約2時間)。ここから来た道を戻るか、林道を辿ってシャラーの集落へ直接下れば、比較的手軽なハイキングになります。我が家はブラントシュタットアルムの背後の草原を登り、ゼブラスシュピッツェSeblasspitzeの東斜面に点在する池塘を縫ってコールグルーベKohlgrubeの草原を南下。その先のマードレスベーデンMahdlesbödenの斜面をトラバースして、ブレンナーシュピッツェの東尾根の突端にある天然の展望台ヒューナーシュピールまで歩きました。我が家が歩いた日は余りお天気が良くありませんでしたが、谷の向かいにハービヒト山を間近に眺められました。ここから谷底へ向かって下ると、樹林帯に入って間もなくミルダーラウンアルムMilderaunalmのレストランがあります。この先は林道を縫うように下り、谷底のシャラー集落へ出てきます。(2015年9月)


フェルナウ中間駅 Mittelstation Fernau 〜 パイルヨッホ峠 Peiljoch 〜 グラーヴァ・アルム Grawa Alm (約4時間半)
シュトゥーバイ谷の最奥バス停、ムッターベルクアルムMutterbergalmからゴンドラリフトに乗り込んで最初に到着する中間駅がフェルナウです。好天の朝ならここでは降りずに、先ずは山の上を目指しましょう。アイスグラートEisgratで別のゴンドラリフトに乗り換えてシャウフェルヨッホSchaufeljochへ。山上駅から鉄階段を登るとすぐに展望台「トップ・オブ・チロルTop of Tyrol」です。南東にツッカーヒュットル、南にガイスカール氷河ドロミーティ方面、南西にシャルフコーゲルヴィルトシュピッツェ等のエッツターラー・アルペン、西にシュトゥーバイアー・ヴィルトシュピッツェ、北にシャウフェル氷河といった360度のパノラマを楽しめます。
さてフェルナウ中間駅まで戻ったら、川を渡って東へ歩き始めましょう。途中でグローサー・トレーグラー山Großer Tröglerへの登山道を左に分け、ガレた斜面を登って行きます。ワイヤーロープの張られた急坂を登り切ればパイルヨッホ峠(バイルヨッホBeiljochとも表記されます)で、南東側の視界が開けて眼前にズルツェナウ氷河(写真)が飛び込んできます。峠から南東斜面を下り、モレーンを越えて氷河末端の湖の畔へ。氷河湖の東端から流れ下る急流に沿って下ると平原が広がり、その先に建つズルツェナウ小屋Sulzenauhütte食事休憩ができます。小屋の北側はズルツェナウ滝Sulzenaufallが流れ落ちる急坂で、これを下るとレストラン「ズルツェナウアルムSulzenaualm」が建つ平原。その北端ズルツエックSulzeggから最後の下り道に入ります。間もなく現れる分岐で「バス停へBushaltestelle」と書かれた左の道を選ぶ方が歩きやすそうですが、我が家は右手へ進んでグラーヴァ滝Grawa Wasserfallの脇を下りました。滝の真下の観瀑テラスで暫し休憩したら、北へ緩やかに登り返して車道脇に建つグラーヴァ・アルムのレストランに到着です。レストラン前の停留所から路線バスに乗れます。(2015年9月)


フェルナウ中間駅 〜 ムッターベルク湖 Mutterberger See 〜 ムッターベルクアルム Mutterbergalm (約4時間半)
上記フェルナウ中間駅の北に点在する幾つかの湖を巡るコースです。先ずは北隣に建つドレスナー小屋Dresdner Hütteの裏手から急坂を登ってエックエッセン湖Eggessenseeへ。フェルナウ氷河の末端等を眺めつつ一息入れたら、西へ進んでエックエッセングラートの肩を越え、北側の谷へ出ます。すぐ広い砂利道に出合いますのでこれを東へ下り、途中の案内標識に従って左手の遊歩道へ入ります。谷の北側斜面を登って徐々に東へトラバースしながら進み、やがて現れる分岐を左手へ登るとムッターベルク湖(写真)です。北側にヘルタールシュピッツェの岩壁が迫る湖畔からは、シャウフェルシュピッツェダウンコップフ等の高峰群が眺められます。湖畔から東へ一段下ったところにも池塘群があり、その下手で山腹のトラバース道に合流して東へ。湿地帯を過ぎ、圏谷の下部を横断した先から谷底へ下ります。途中で滝のような急流を見て谷底まで下ったら、砂利道の車道を辿ってフェルナウ谷へ廻り込み、橋を渡って折り返すように下ると間もなくムッターベルクアルムの山麓駅へ戻ってきます。(2015年9月)



※ 各コースの標題末尾の括弧内は、歩行に要した時間です(施設の見学や休憩等に費やした時間を含んでいません)。

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